[1]龍導
【歪属性クラブ】
chapter0 謎々
女が男に問うた。
「貴方を世界で一番愛す女性は誰でしょう」
「ぅひっ………ひぃ…」
男の身体は拘束具で固定されており、陰部は露出していた。
所々に付着した血痕は男のものであろうか。
「貴方を世界で一番愛す女性は誰でしょう」
女は質問を繰り返すが、男から洩れるのは弱々しい悲鳴と嗚咽のみだった。
「貴方を世界で一番愛す女性は誰でしょう」
女は男の股間にペンチの様な道具を向け、再度その質問を復唱する。
「ぃいぃぃ……あ……貴方…です………」
「自惚れるなよ。糞男」
女はペンチの先端を男の腎臓辺りへ向け突き刺した。
「うぎゃあああああぁぃぎいいぃい」
男は顔を苦痛に歪ませ、すいませんと繰り返す。
だが女も容赦は無く、ペンチを男の鼻の奥へ入れ掻き回した。
「ぎええぇえぇぇぇええぐぎえええぇぇえぇぇ」
夜のロンドンに、真っ赤な血溜りが散乱する。
「貴方を世界で一番愛す女性は誰でしょう」
「…………………」
男の身体はもう動かない。
「貴方を世界で一番愛す女性は誰でしょう」
男の身体はもう動かない。
「貴方を世界で一番愛す女性は誰でしょう」
男の身体は………顔は……微かな笑みを浮かべ、呟く。
「……愛しているよ」
「…うん」
女の顔が火照る。
妖艶に満ちた黒髪を揺らし、男の顔に口付けた。
その場には、男の死体だけが残った。
2014/04/22 22:49
[16]t・o
エマさんかっこいいです!!
ってレイトン先生!?いよいよワクワクして来ましたね!
更新頑張ってください!!
2014/07/21 10:58
[17]龍導
t・o
ありがとうございます
2014/07/30 06:07
[18]龍導
chapter2 嬉々浦々
殺風景な地下は血の香りで充満していた。コンクリートの壁からは、所々人間の手足と思しき物体が食み出ている。
その部屋の中央に、両腕両足を拘束され、悶える男が1人。そしてそれを見下ろす女が1人。
「す、すいません。何でもしますから命だけは助けてください」
男は女に向かいそう悲願した。
「あ、ええと申し訳ありませんがそれは無理なんですよ」
女は金切り鋏で男の親指を切断した。
「いぎっ……ぎぎぃい」
「親指はお父さんでしたっけ。お母さん1人で家族を養うのは大変ですよね」
女は小指中指薬指を順々に切断した。
「あぎゃっぎぇえええええええ」
男は悶絶し失禁した。顔は返り血と涙でぐしゃぐしゃであった。
「あれ、人差し指がお母さんでしたっけ。私の母はそれはもう最低な奴でしてね。下種を極めた模範例の様な人間でしたよ。いやあ懐かしいなあ。私ももっと小さな頃は、母を敬ったこともあるのですがね」
女は慣れた手つきで残った人差し指も切り落とした。
「ああああああっ……たったす助けて助けて」
「助けてと頼まれ助けることは善行なのでしょうか」
女は問うた。
「例えば、『ありがとう』と言われたとき、私が『どう致しまして』と返せばその人間は満足するのでしょうが、私がただ黙って無言であれば、そいつは同じ言葉を復唱するか、怒り出すかのどちらかだと思うのです」
男は女を刺激しないよう、その言葉に耳を傾けた。
「『ありがとう』とはその人間自らが感謝の気持ちを伝えたいと願い実行する行為を言葉で表したものであって、いわばボランティアと同じ行為にあたるとは考えられませんか」
「あっええと……はい。その通りだと思いま」
女は男のもう一方の手の親指を切り落とした。
「ぎえええええええ!!」
「つまり『ありがとう』に返礼を求める人間は自らボランティアに参加しておきながら感謝や優遇や礼を求めるクソ共と大差ないといことを私は言いたかった訳なんですよ分かりますか」
女は残り4本の指を全て切り落とし男に見せ付けた。
「この10本の指はどうしましょうかね」
「ああああっいあああああああ」
絶望し憔悴しきった男の目の前で、女は指10本をミキサーに入れた。
「あ、これ賞味期限大丈夫かなあ」
女は指の入ったミキサーの中に牛乳を注いでいった。
「うん。これくらいでいいかな」
ミキサーの刃が回転を始めた。指は溶けるように刃へ吸い込まれ、牛乳が赤く染まっていく。
「いちごミルクみたいですよねこれ。あ、飲みますか?」
女は男の口を強引に抉じ開け、指ミルクを流し込んだ。
「あぼっごぼっごぼぼぼっぼぼぼぼ」
男は盛大に嘔吐し、それが女の服に掛かった。
「汚いなあ。本当に。本当に汚いなあ」
女は男の指が無くなった右手をミキサーに捻じ込み、スイッチを入れた。
「いぎええええぇぇえええええ」
男の右手は次第に短くなっていく。既に牛乳の色など消え失せていた。
「好きなだけ血を流して大丈夫だからね。口から輸血してあげるから」
男に、もう女の声など届いていない。
遠くで狂ったような女の笑い声が聞こえる。
ああ、それは、まるで………
男は息絶えた。
2014/07/30 07:23
[19]t・o
うわぁまた恐ろしいことになってますね。
女の笑い声はまるで……の後が気になります!!
続き楽しみにしています!
2014/07/30 12:02
[20]龍導
第二の事件と称され世間の注目を集めたのは、両腕が欠損し腹を裂かれた男性であった。
死体は被害者の男性宅の地下から発見され、顔の原型は留めていなかった。
「四課の奴等は馬鹿ばかりね。未だ容疑者も挙げられないなんて」
スコットランドヤード一課に属する刑事、クリス.コルタワは呟いた。彼女はエマの同期であり、悪友でもあった。
エマは反論する。
「証拠の隠滅が狡猾なんだ。犯人の髪の毛一本落ちておらず、被害者に触れた形跡も無い。靴にも恐らくビニールか何かが巻かれていたのだろう。足跡なんかも検出されない」
「そんなのただの言い訳じゃない。だからこの手の殺人は、私達一課に任せておけばいいの。四課の人間は、賭場で汚職でもやっていればいいのよ」
「うるさいな。そんな性格だから、彼氏の1人できやしないんだよ」
クリスはエマの脛を蹴った。
「あ痛っ」
「大きなお世話だ無能童貞め。いっそ殺されてしまってはどうだ。私が弁護してやってもいいぞ。5億円で引き受けてやる」
日本の某宗教団体の弁護士雇い賃より高いではないかというつっこみをエマは自重する。
「じゃあエマ、お勘定宜しくね」
有無を言わさず立ち去るクリスに対し、エマは心の中で罵声を浴びせた。
2014/07/31 06:58
[21]t・o
クリスさん口悪いですね!!
いっそ殺されたらどうだって……凄いこと言いますね!
でも新キャラ登場で面白くなってきました!
更新頑張ってください!
2014/08/02 07:18
[22]龍導
クリス
2014/08/03 07:10
[23]龍導
t・o
ありがとうございます(^u^)
2014/08/04 06:20
[24]龍導
「おはようございます先生」
レイトンの一番弟子を自称する少年、ルーク.トライトンが訪れた。
「おはようルーク。頼んでいた写真は持ってきてくれたかな」
ルークは得意顔で頷き、数十枚に至る写真を渡した。それは第一の死体発見現場である公園を様々なアングルから撮影したものであった。
「こんな写真をどうするんですか?」
「ちょっと確かめたいことがあってね。多くの人が惑わされているようだが、私はこの公園が殺害現場だとは思っていないんだよ」
レイトンは淡々と告げ、写真を並べていく。
「ならば、被害者は別の場所で殺され、殺害後にこの公園に遺棄されたということですか?」
「そうではないかと私は睨んでいる。公園の地面の血痕が少なすぎるんだよ。これは既に死後硬直が始まっていたことや、殺害場所では無いということを逆説的に暗示している」
「はあ、地面の血を洗い流した可能性は無いのでしょうか」
「試せば分かると思うが、血糊はそう簡単に落とせるものではないんだ。かなりの時間を要するだろうし、何より血糊を洗い流した痕跡が確実に残る筈だ」
「なるほど……うぅ、すいませんちょっと気持ち悪く……」
「大丈夫かいルーク。無理をすることはないよ。しばらくそこのソファーで横になっていなさい」
「も、申し訳ないです……」
しかし何かが妙だ。
レイトンは脳裏に引っ掛かる違和感を拭えずにいた。
2014/08/04 06:45
[25]t・o
なるほど!さすがレイトン先生です。
血がなかなか消えないということは様々なサスペンスストーリーで有名ですもんね!
頑張ってください!
2014/08/04 07:39