[1]サン☆
【僕と日常と関数と】
今作は比較的短編に区切った、尚克、1つの話が継続した、ルークを中心とする物語を執筆していこうと思います。
挫折しない様、一生懸命頑張ります!
更新は若干マイペースになりがちですので御了承下さい。
2011/10/07 17:48
[2]サン☆
episode1 膜
シャワーを浴び、湿った髪を微風が心地よく冷やす。
視界の上を濡れた髪がひらひら揺れた……。
現在、季節は春。俗に言う出会いと別れの時期……。
自分は自称英国紳士。現在13歳。
姓はトライトン、名はルーク。背景は無い。
―――どうだい、ルーク。面白そうだぞ。
きっかけは先生のこの言葉だった。
僕の言う『先生』とは、僕の最も尊敬する人物。生意気かも知れないけれど、僕と先生は、友達を越えた……、正に家族同然の様な存在……。
そんな僕と先生の元に、先週一通の手紙が配送されてきた。
『ロンドン・グレッセンヘラーJHS(ジュニアハイスクール)入学希望用紙』
13歳と言えば、そろそろ思春期真っ盛り。
最初僕は、先生の身の回りの事を配慮した上で、行きたくないと嘘をついた。
先生は、正直あまり自己管理の得意な人じゃない。
1つの事に、我を忘れて何時間でも熱中してしまう事も多い。
僕がいなくなって、先生が生活習慣病にでもなってしまったら困る。
しかし先生は、嘘を付いた時の僕の笑みを堪えつうずうずした表情を見て、『絶対に楽しいから行ってみなさい』と笑顔で言ってくれた。
僕はそんな先生の気持ちが嬉しくて嬉しくて、目元が熱くなった。
―――そして今日、初登校日。
そうだ、よく考えたら、僕には同世代の友人と呼べる友人がいない。
何というか、普段毎日、相手は大人。
ただひたすら、守ってもらっていたのだ。
2011/10/07 19:43
[3]サン☆
無論、友達だって作りたい。
中学生らしい恋愛や学校行事等、色々な事もやってみたい。
しかし僕の中で何百回と渦巻いてる得体の知れない妙な気持ちは、決して娯楽を求めた様な、見え透いたことばかりではない気がしてならないのだ。
この時期、自分は何だか無気力だった。
何というか……、前の様な未知を求めた好奇心が薄れてきた様である。
いつの日か、動物とまで話せなくなってしまうのではないか。
そんな気味の悪い憎悪感や恐怖が自分の体内を血液の如く循環している様だ。
そんな……、僕の体を覆う、不気味な粘膜……。
目には見えないが、邪悪な膜が自分の体に張っている様……。
だから、僕はここで変わる。
前の自分に戻る。
自分に張った邪悪な膜を、自分の力で引き剥がすのだ。
「楽しそうだ………」
僕は柔らかく呟き、微笑んだ。
2011/10/08 08:09
[4]Hiroto
うわーー!面白すぎて、感動しました!
はじめまして、ですよね^^
ルビーといいます^^
私の事はタメ呼びでオーケーです^^
2011/10/08 08:40
[5]サン☆
ルビーさん
初コメ有難う御座います!
これからも頑張りますので宜しくお願いします!
あ、自分の事もタメ&呼び捨て全然OKです。
2011/10/08 15:50
[6]サン☆
episode2 警戒
僕は皆と若干遅れて4月20日が初登校。
入学式が13日なので一週間程浮いているのである。
僕の住んでいる地区は、何というか、学区外、内の区別が曖昧だったらしい。
それで必然、入学希望用紙の配送も遅れたということ……らしい。
言わば、今日の僕はクラスにとって、所謂『転校生』なのだ。
あっ……、何かお腹痛くなってくる…。
「うわ……怖………」
先生に連れられ、教室へと続く廊下を歩く。
コツコツと、特に会話も無いままただ歩く。
距離を消費するに連れ、僕の鼓動、息遣いは急速に加速した。
買ったばかりのバイクを、初運転からレッドゾーンにぶち込む様な感じ。
どの道心臓に悪い……。
この学校は建ってまだ3年弱ということもあり、生徒数は比較的少ない。
各学年1クラスしか無く、確か全校で70人程である。
僕の教室、1年1組の生徒数は28人。
70を3で割った平均より若干大めではあるが、まあ通常だろう。
それにしても遠い……遠すぎる教室…。
しかし振り向くと昇降口から5メートル程しか進んでおらず、恐怖した。
駄目だ……なんだこれは……息苦しい。
「ああ……あ……」
正に死者の道。『ヘル・エッジ・ロード』である。
馬鹿な……あるか、そんなこと……。
登校初日、ホームルームに怖じげ付いて早退……なんて、そんな訳の分からないこと……、何だ……僕は何時の間に、そんなだらしない奴……に……。
景色が歪み、暗くなる。
眉間が締め付けられ、地に吸われていく様な、気味の悪い感覚。
吐き気を催し、立っていられないこの感覚。
突如景色が回転し、薄れゆく意識で天井を凝視していた……。
「おい……!ルーク君…おい!大丈夫か!」
先生の呼び声に動じることが出来ず、僕の意識はプツリと途切れた……。
2011/10/08 16:19