[1]のーた
【レイトン教授と謎の人物’〇<ゼロ>’】
皆様こんにちは☆ のーたです。
ついに5作目となりました☆
「レイトン教授と江戸の姫君」
「ドン・ポールと貴婦人」
「レイトン教授と~夢~」
「レイトン教授と密室事件」も、良かったら見て下さい☆全てミステリーです。
今回はレイトン、ルーク二人で解決していきます。(前回のアロマ目線は難しかった笑)
勿論ミステリーですよ☆
コメント大歓迎です☆
それでは、素人ですがよろしくお願い致します☆
2010/12/24 14:46
[184]茜星
生まれ変わりの話・・・まさか、正解!?
まさか!
びっくり!
2011/04/27 20:22
[185]town◆jtHtMr3tGQ
ゴメン言い忘れ!
自分はてっきりフユちゃんがユキさん&ミズさんの姉妹の1人で養子として引き取られたのかと思ってたよ!← 間違っているけど....(笑)
でもフユちゃんはどこで実験をしていたのかな? 薬品だってカギがかかっているから手に入らないし、作り方は分かると思うんだけどね。
...それに、鍋つかみなんて現場の物をわざわざ利用したというのも....まるでゲームで楽しんでいるような? わざとバレさせているような?
ハルさん達はもしかして知っていたのかな?
ユキさんがなんかかわいそう....
2011/04/28 17:25
[186]のーた
>江戸川 アラン
あ、やっぱりそう気付いていた?(ニヤリ)
関係あったねえ~ミズさんと(笑)←
フユちゃん、最初のころと全然違うもんね^^;
更新お楽しみに^^
>town
全然大丈夫だよ^^
あ、でも「犯人はミズの幽霊だと思っていますから」と言っていたナツさんは、フユが犯人であることは勿論知らないよ?それに、そう思い込んでいたいっていうだけだからね^^
養子・・・その考えは全く無かったなあ(笑)←
おお…何やら「!」と来たみたいだね^^
フユとソラニンのことは・・・これから明らかになるよ。
更新お楽しみに^^
>茜星
生まれ変わりの話、正解でしたよ茜星~^^
その言葉がコメントに載ってた時「お!」って思った(笑)←
びっくりだった?そう言ってもらえて嬉しいよ^^←
更新お楽しみにね^^
2011/04/30 08:13
[187]のーた
さて、それでは更新します。
レ「まず1つ目。ミズさんは“5年前”に亡くなっている。そして、その一年後に君が生まれた。ミズさんの心を持った魂が、フユとして生まれ変わる可能性は、ある。
2つ目は、犯行の時なべつかみを使ったところにある。
君のなべつかみのサイズは小さい。
大人がはめたら、コップを持ちあげるだけでも難しい程の小ささだ。
それに、なべつかみを手にはめたら“なべつかみの内側に指紋が残る”。
指紋がつかないように薄手の手袋をしたうえでフユの手袋をはめたという可能性もあるが、それだったら最初から薄手の手袋のまま作業をするはずだ。
それに、ナツさんやハルさんのなべつかみの方が、どちらかといえば作業もしやすい。
いずれにせよ、細かい作業をするには不向きなんだ、なべつかみは。
だけど君がミズさんの生まれ変わりだったら・・・それは、できる。
高度な実験をする時、薬品が手に飛んでも大丈夫なように、厚手の手袋をはめて細かい実験をするそうだね。
科捜研の研究員が教えてくれたんだ。
フユはまだ4歳と小さい体だが、なべつかみをはめて小ビンからソラニンを粉チーズの容器へ移すのは、ミズさん、あなたの記憶があれば、そう難しい事じゃ無かったはずだ」
先生の言葉に、フユは表情を少しも変えなかった。
先生は、今度は一枚のメモ用紙を懐から取り出す。
ハルさんの家にあったものだ。
レ「3つ目。これは、ハルさんの家の電話機のそばにあったメモ用紙だ。君も見覚えがあるね?他にもこれと同じ用紙が十数枚、電話で話しながら書いたのであろうメモが、電話機のそばから見つかった。
電話で話しながら書いたメモなんだから、何枚見つかっても別におかしくは無い。
でも、念の為調べたんだ。・・・結果、ばらばらな筆跡が“4種類”、あることが分かったよ。
そこで四姉妹の筆跡を調べる為、申し訳ないとは思ったが、彼女たちの学習ノートなどを見て確認した。
一番メモが多かったのはナツさん、次にハルさん、次がアキだった。
そして…一枚だけ、誰にも当てはまらないような筆跡のメモが見つかった。
今から一週間前に書かれたものだ。内容はハルあての伝言の走り書きだから、特に問題は無い。
問題だったのは…その文字の特徴だった。
達筆だったんだよ。どこかで見覚えがある、ね。
そこで私たちはすぐにミズさんのメモ帳とそのメモ用紙に書かれてある文字を見比べた。
すると・・・同一であることが分かった。
くせが一緒だったんだよ。これには驚いたね。
5年前にミズさんは亡くなっているはずなのに、今から一週間前に書かれたミズさんと同じ筆跡の伝言メモ。
・・・どういう事を私たちが考えたか・・・容易に想像できるだろう?」
フユ「・・・・・」
フユは頭を左右にゆっくりと動かしながら微笑んでいた。
まるで、面白い物語を聞いているかのように。
レ「そして4つ目は、犯人が証拠品をわざと残していた事にある。今回犯行に使われた毒入りの小ビンは、すぐに見つかるような、分かりやすい場所で発見された。
全然隠された形跡も無いし、焦ってとりあえずそこに置いたという訳でも無い。
普通に置いた、というような感じだった。
このことから、犯人は“早く捕まりたかった”か、“絶対に捕まらない自信があった”かの、どちらかと言える。
“早く捕まりたかった”のなら、なべつかみなんか使わず、小ビンに直接指紋を残せばいい。だけど、実際は指紋をつけないようになべつかみを使ってまで犯行した。
このことから、犯人は後者__“絶対に捕まらない自信があった”ということが分かる。
いくら犯行に自信があるとはいえ、大人であれば捕まる可能性は0%とは言えない。だが、犯人__フユは、0%だった。なぜなら君は“少年法”に守られているし、4歳であるから責任能力が無いという事で刑に処されることは無いからだ。
何よりも君は、最初から“自分は犯人であること”を私達に教えていたんだよ。・・・この、0<ゼロ>の手紙が、ね」
先生は0<ゼロ>からもらったあの手紙をフユに見せた。
レ「君はこの事件の真相を全て知っていた。だから‘これは本来解明されるべき事件では無い’と書くことができたんだ。
なぜ君が真相全てを知っていたのか__?それは、君が犯人だからだよ。
犯人だから、全てを知っていた。・・・そうじゃないかい?フユ」
そこで先生は、4本指立てていた右手をおろした。
フユ「まだ甘いわね。あともう一つ、あるはずでしょう?」
え・・・?
レ「…“5つ目”、という事かい?」
フユ「ええ。…分かっているんでしょう?当然」
レ「…そうだね、あと一つ・・・確かにある。・・・君が一度も泣かなかったこと、かな」
確かに・・・フユは、泣いていない。そう、一度も。
レ「君は、‘泣くふり’はしていたね。皆が泣いている時は普通にただハルさんを見つめているだけだったけれど、私たちがナツさん達を呼んで話を聞こうとした際・・・君は、ナツさん達に怪しまれないように“目の周りを両手でこすっていた“。そして、アキの後ろにくっつくようにして、”哀しんでいる女の子“を演じていたんだ。演じているということは、”犯人だから、哀しんでいない”のではないかと私は思う。・・・これが、5つ目だね?」
フユはにこりと笑っていた。
本当に、嬉しそうに。
フユ「正解よ。あなたの推理、全部正解。…じゃあ、勿論これも分かっているわよね?私の、動機も」
動機・・・ハルさんへの、復讐・・・のはずだ。
レ「大体だが、ね。ハルさんへの復讐を、‘今度こそは完全に成功させるため___’じゃないかい?」
ル「えっ?」
今度こそ・・・?今回が初めてじゃないのか?
まさか・・・ミズさん・・・。
フユは拍手していた。
フユ「正解、分かっていたのね。・・・そこの小さな英国紳士さんは、意外だったようだけど」
年下の女の子に‘小さな英国紳士さん’って言われるの、何だか複雑だなあ。
フユはふう、とため息をついて、それから笑顔をこちらに向けた。
フユ「それじゃあ・・・真相を、これから私がお話しましょうか」
2011/04/30 08:49
[188]茜星
前世の記憶があったってことか…フユちゃんは。
続き気になる~!
2011/04/30 09:35
[189]のーた
>茜星
おお、早速!早いなあ茜星^^
前世の記憶があったって訳です(笑)←
それじゃあ今から更新するね^^
2011/04/30 09:39
[190]のーた
あともうちょっと・・・あともうちょっとで完結するんですけど、長い(笑)
謎解きの前、読者の皆さんに教えていなかった「もう一つの証拠品」含む3つの証拠品、あれは「なべつかみ」と「葬儀の案内状」と「電話機そばにあったメモ用紙」でした。
それでは更新。
26.~真相~ <レイトン目線>
レ「5年前・・・すでに君は、あのソラニンを凝縮させることに成功していたんだね」
フユ「ええ。あのソラニンが入った小ビンは、5年前すでに完成させていたのよ。実行する機会が来るまで、病院の外にある花壇の土の中に、小ビンを隠していたの。本当はすぐにでも実行したかったんだけど、ハルには‘二度と私の視界に入ってこないで’って言ってしまったし、あれはハルがご飯を食べる時にしようと思っていたから、病院から上手く抜け出せるような日を待っていたの。
でもそうこうするうちに___実行できないまま私は亡くなった。
悔いばかりが残ったわ。もう、“私”という人間はいない。次に生まれ変わったらもう私の記憶も無くなる。それが自然の摂理ですものね。もう半ば、諦めていたわ。
だけど、神様は私を見捨てていなかった。
もう一度チャンスを与えられたのよ。・・・りんねてんしょうって言葉、知ってる?」
輪廻転生・・・体を失っても、魂は次の世に生まれ変わる事。永遠に続く命の連鎖。
レ「輪廻転生・・・魂は、死なない・・・次の世に生まれ変わること、だね?」
フユ「ええ。まさにそれだったのよ。私はフユ__ハルの妹として生まれ変わったの。ミズの記憶を持ったまま、ね」
レ「・・・君は生まれた瞬間から、ミズという記憶があったのかい?」
フユ「いいえ。最初は、ぼんやりしていてよく分からなかった。私がハルの妹“フユ”として生まれ変わったと分かったのは、“フユ”が1歳半の時よ。その頃から、だんだんと記憶が戻ってきた。3歳になる頃には、病院の庭にあの小ビンを埋めたことも、私が今までしていた実験のことも全て思い出したわ」
普段の私なら・・・すぐには信じられない事だろう。
だが、今は・・・。
フユは空中をぼんやりと見つめながら話した。
フユ「全てを思い出して・・・それからしばらく経ったある日。皆でA病院に行くことになった。ナツが、風邪を引いたからからなのだけどね。
その日、トイレに行くと言って、私は庭の花壇に埋めていた小ビンを取りに行った。
小ビンは___ちゃんとあったわ。
少し深めに掘った穴に埋めていたから、そう簡単には見つからないようになっていたの。
腕が短いから、二の腕までほとんど泥まみれになったけど、なんとか誰にも見られることなく取り出すことができた。
その後、トイレに行って洗面台で腕を洗って・・・。
小ビンはポケットに入れて、何事も無かったかのようにハル達の所へ戻って行ったの。
その頃にはもう言葉を自由に操ることができていたんだけど、体の__特に指先の細やかな動きはまだできなかった。だから練習したわ。
ハルたちがいるときは、動作はもちろん、話し方など幼子らしくたどたどしい感じにしていたけどね。
4歳になって___いえ、正確には今から3カ月前、ようやく自由自在に物を操ることができるようになったわ。
今度は私、具体的に犯行方法について考えるようになった。
毎日ハルの行動を観察して__どの方法が一番いいか悩んだ。
思えば、生前の私はハルに対しても、ユキに対してもあまり興味を持たなかったのよね。
物心ついた時から、ずっと実験や研究ばかりしていたから、それで頭がいっぱいだったのよ」
そこからフユは、5年前のことを話しだした。
2011/04/30 09:39
[191]のーた
フユの現在に至るまでの話と、5年前のミズの話がごちゃ混ぜになりそうだったのでとりあえず区切りとしてみました。それでは更新。
27.~5年前~ <フユ(ミズ)目線>
___5年前___。
モデルのオーディションの話が出た時、あれはハルとユキが強く勧めるから仕方なく受けることにしただけで、最初は全然興味が無かった。
でも私は、科学者にも研究員にもなるつもりは無かった。
好きな時に、好きなように研究したかったからね。
誰かの元でそういうことはしたくなかった。
ハルとユキが楽しそうにモデル業の話をしているのを聞いて・・・だんだん、モデルになるのも悪くないなと思った。
モデルになったらお金が入るし、実験や研究は、これまで通り「趣味」で続けていけばいい。
そこで私はやっと、真面目にオーディションに受けようと思った。
ハルやユキからアドバイスを受けて・・・そして、結果的に私はモデルになることができた。文章上では、ね。
・・・合格通知が届いた日、私はとても大事な実験をしていた。
目が離せなかったの。合格できたのは本当に嬉しかった。でも・・・。
ハルが言った。「みんなでお祝いしましょうよ」
私は、気持ちだけ受け取ることにした。
確かに、私は「趣味」で実験していたけれど、モデルよりもその「趣味」の方が、自分の中では優先だったし、はるかに重要だった。
だから、お祝いよりも実験に集中していたかった。___なのに、ハルは・・・
<私の実験を邪魔し、さらに私の体を壊した______>
当然、私はハルを許さなかった。絶対に復習してやる___そう思った私は、入院した翌日からずっと、復讐のためだけに行動することにした。
売店でメモ帳を買って、病室に戻った時・・・すでに私は「毒」で彼女を殺そうと考えていた。私が行う「実験」によってできた「毒」で、彼女を苦しめようと思ったのよ。
だから、毒について色々調べた。
病院から外に出なくても、調べる方法はいくらでもあるのよ。
私は特に解毒剤が無い「毒」に注目していた。
その中から最も入手方法が楽で簡単な「ソラニン」を選んだ。
解毒剤が無いという事は、簡単な治療法でしか医者も対処できないという事だからね。
結果的に、私は10日間でソラニンの凝縮実験を終え、凝縮粉を完成させた。
ああ、実験器具は・・・夜中にこっそり病室を抜け出して、病院内の調理室とかから拝借したのよ。薬の調合をする部屋にも行って、色々勝手に借りたわ。
あの小ビンは、病院の薬品棚から1つもらったわ。
ソラニンの凝縮粉を小ビンに移し替えて、栓でしっかりと密封し、病院の外にある花壇に埋めた。
この作業を終えて、今度は病院を抜け出す日を考えていた。
・・・だけど、考えている間に・・・私は、亡くなったのよ。
これが、今から5年前の・・・私の、記憶。
2011/04/30 09:56
[192]のーた
28.~現在・真相~ <レイトン目線>
ミズさんは、5年前すでにハルさんへの犯行を決め、ソラニンの凝縮実験まで行っていた。
そして、凝縮粉を完成させて・・・花壇に埋めた頃、亡くなった。
つまり今のフユは、本当にただ“小ビンを取りに行くだけ”で簡単に凶器を取り戻せたということか。
フユ「・・・話がそれたわね、元に・・・今回の犯行についての話に戻りましょうか」
フユは数秒考えてから、それから思い出したように話し始めた。
フユ「ええと、ハルに対して“どういう形で犯行しようか考えている”所までだったわね。
話を続けるわ。
・・・凶器はすでに決まっている。ソラニンの凝縮粉。
問題は、どうやって犯行するか?
ずっとハルを観察しているうちに、ハルが毎回パスタに粉チーズをたっぷりかけて食べているのが分かった。
そして他の妹達は決してかけない。
ユキもダニエルも・・・妹達も、全員粉チーズが嫌いだった。
これにしよう。すぐに私は思い、決めたわ。
日にちは・・・まさに昨日の、ハルがモデルの仕事の日にすることにした。
ダニエルが家に来る日だったし、その日ならご馳走を作ってもらっても問題ないと思ってね。・・・でも、まだ必要な人物は揃っていなかった。‘あと2人’ね」
あと2人・・・もう、お分かりだろう。
レ「・・・ハルさんが仕事で使った‘ネックレスがなくなった件’、あれは君が仕掛けたのかい?」
フユはにやりと笑った。
フユ「そうよ。私がわざと隠したの」
やはり、2人というのは、私たちの事だったのか。
フユは私たちを呼ぶため、あのネックレスの件を起こしたのである。
フユ「モデル業をするにあたって、私はモデル業の規則・・・つまり、‘撮影に使ったものが一つでも無くなると帰れない’ことを5年前ハルから聞いていた。だから、それを分かった上でネックレスを隠したの。そして、レイトンさん達ならきっと解決してくれるってハルに言って、あなた達を呼んでもらったって訳。
・・・因みにあなた達が来る前、私達四姉妹とダニエルが探していたけど、その時私は自分のポケットの中にネックレスを隠していたの。
見つかったら、困るもの。
そしてあなた達の姿が見えた頃、簡易更衣室に入って衣装の中に隠した。
・・・どうしてあなた達が今回の事件に必要だったか、分かるかしら?」
レ「・・・ゲーム感覚なんだろう?この事件、君にとって」
フユ「大正解。そう・・・ただの事件で済まされたくなかったの。気づいて欲しかったの。私が生まれ変わったという事も、今回の凶器の事も、色んなこと全て・・・。
私は絶対に捕まらない。いえ、捕まったとしても刑に処されることは無い。警察の調べなんて、分からなかったら早々に諦めて<迷宮入り>にするのが分かっていたから、あなた達を呼んだのよ。そして、その推理を私だけに聞かせてほしかったから、0<ゼロ>を名乗ってあなた達の前に直接現れた。0<ゼロ>の目的は、このことだったという訳よ。
ところで、なぜ私が0<ゼロ>と名乗ったのか・・・それも、分かっているの?」
レ「‘自分は存在しない人間であることの表し、無=0’ということだろう?輪廻転生とか、自分はミズの生まれ変わりであることを分からせるために、あえてそう名乗った」
フユ「さすがね」
ナツさんが言っていた、<犯人はミズの幽霊だと思うんです>という言葉は、あながち間違いでは無かった。
フユ「0<ゼロ>の口調が妙に大人びていたのも、‘ただの4歳の女の子ではない’ことを伝えるため。・・・全て、ゲームを楽しむ為だったのよ」
ル「…いい加減にしてください!」
ルークが立ちあがって叫んだ。パイプ椅子が、音を立てて床に倒れる。
ル「人の命を・・・何だと思っているんですか!全部、あなたは自分の都合のいいように動いているだけじゃないですか!人の気持ちとか、全然考えていない・・・!」
フユは冷めた目でルークを見ていた。
フユ「・・・ええ、考えてないわよ。人の気持ちとか、人の都合なんて。私さえ良ければそれでいいの。・・・人間って、大抵そういうもんじゃない?」
ル「これ以上フユちゃんを苦しませないでくださいっ!!」
・・・・・?
もしかして、ルークは・・・。
フユ「何を言っているの?私は多重人格者じゃないわよ。私はフユであり、ミズである・・・一つしかないわ、人格は」
ルークの顔は真剣だった。
ル「人格は確かに一つですよ。・・・でも、もうあなたも気付いているはずです。あなたの・・・‘ミズ’という記憶は、だんだん消えていっていることに」
フユ「!」
ミズの記憶が・・・だんだん消えていっている?
私はまだ気づいていなかった。
フユ「へえ・・・そう。ただの助手かと思っていたけれど、意外と分かっているのね」
ル「あなたが絶対に捕まらない理由は、何も少年法だけではありません。・・・あなたの、ミズさんという記憶がもうすぐ消えるから・・・だから、あなたは“私は捕まらない”と言えるんです。違いますか?」
記憶がもうすぐ消える・・・そして、捕まらない理由・・・。
まさか・・・!
フユ「合っているわよ。そう…さっきの‘5年前’の話の時もそうだったけど、私の記憶、もう結構薄れてきているのよね。小ビンを花壇に埋めた所までは憶えている。けれど、そこからの記憶は曖昧で・・・気が付いたら、亡くなっていた。もっと具体的に言うのならば・・・今の私は、もう実験の記録も、メモ帳に何を書いていたのかも、生前何を研究していたのかも・・・忘れている。ほとんどね。
フユとして人生を歩む為に・・・神様がミズの記憶を徐々に消していっているのかもしれないわ。
もしかすると、あと一年くらいで・・・私の、ミズという記憶は完全に消えるかもね」
そこで私はルークの真剣な表情の中に哀しみがあるのに気がついた。
ルークは・・・フユを、助けようとしている・・・?
ル「例えば、今ここでフユを逮捕したとしましょう。でもフユの、ミズさんという記憶が完全に消えた時・・・フユはどうなるか。フユには逮捕歴がつき、彼女自身は無罪なのに、ミズさんの記憶のせいでフユの人生は大きく・・・変わってしまいます。一方、ミズさんには何も起りません。犯行したのはミズさんの記憶であって、ミズさんでは無い。ミズさんは失うものが無いから、無傷のままです」
フユ「そうね、きっとそうなるわね。だから私は言ったのよ。絶対に私は捕まらないってね。何の意味も無いのだから。・・・ふふっ」
ル「笑わないでください!・・・僕は、あなたを・・・ミズさんを許しません!フユを苦しませないでください!」
フユ「じゃあ、これからどうするの?あなた達は。このまま犯人を放っておくの?・・・ハルが、亡くなったとしても?」
ル「それは!_____」
ハル「そう・・・、なら尚更私は、死ぬ訳にはいかないわね」
ドアにしがみつくようにしながら、息を切らせて立っているハルさんがいた。
2011/04/30 16:45
[193]のーた
よし、もう決めました。今日中で完結します!!
宣言通り、「30」で終わらせますので(笑)それでは更新。
29.~ハルの目覚め~ <レイトン目線>
___え?
ル「ハルさん!」
フユ「ハル・・・?馬鹿な・・・どうして」
ハルさんはドアを閉めて、鍵をかけた。誰も入れないように。
そして、ちらりと私の目を見て言った。
ハル「妹たちやダニエル、ユキには・・・“もう大丈夫、レイトンさん達にお礼を言いたいから、一人にして”と言ってきました。だから、ナツ達に犯人が誰なのかが分かる事はまずありません」
レ「気づいて・・・いたのですか?犯人が誰であるのかを・・・」
ハル「いいえ」
ハルさんは即答した。
ルークは倒れているパイプ椅子を起こすと、その椅子にハルさんを座らせた。
ハル「でも・・・フユの、様子がおかしいことだけは分かります」
フユ「はっ、鈍感ね。あーあ、量間違えちゃったかな。何でハル___」
ハル「フユっ!」
フユの言葉をさえぎって、ハルさんは大きな声で言った。
ハル「・・・お姉ちゃんの事を呼び捨てにしちゃ駄目でしょう?いつからそんな口のきき方するようになったの!」
・・・ハルさん?
フユ「何?大体、私が何をしたか分かっているの?私は___」
ハル「聞いて、フユ。私、何があっても絶対に生きぬいて見せるわ。精一杯、生きるの。あなた達妹が立派に成長するまで、必ず」
・・・そこでやっと私は分かった。
ハルさんは・・・やはり、気づいている。
フユが犯人であること、フユはミズさんの生まれ変わりであることを。
彼女がいつそれに気づいたのかは分からない。だが、彼女は・・・彼女の言葉は・・・
ミズさんの魂に、そしてフユに向けて言っていた。
そして、ハルさんは立ちあがってフユに近づくと、フユをそっと抱きしめた。
フユ「なっ・・・」
優しく、ハルさんが言う。
ハル「帰りましょうか、家へ。・・・でも本当に・・・あなた達が無事で良かった・・・」
ハルさんは安心したように涙を流していた________。
レ「本当に、いいんですね?」
それから1時間後、ハルさんは医者たちにお礼を言って、家に帰ることになった。
正直、まだハルさんの足取りはふらついている。
ダニエルさんが右側に立って、ハルを支えていた。
ハルさんは左手でしっかりとフユの手を握っている。フユは、下を向いたままだ。
ハル「ええ、もうすっかり元気になりましたし。レイトンさん達にも、ご迷惑をおかけして・・・本当に、ありがとうございました」
ル「いえ!英国紳士としては当然ですから」
ルークが元気に答える。ハルさんが回復して、嬉しそうだ。
レ「・・・これから、どうするんです?」
ハル「・・・普通に過ごします。これまで通りに」
私の意味を読み取ってか、ハルさんは微笑んできっぱりと言った。
私が少し不安な表情を見せたからか、ハルさんは私に右手を差し出してきた。
私も少々驚きながら右手を出す。
ハルさんはしっかりと右手で私の手を握り、こう言った。
ハル「もう、大丈夫ですから」
ハルさんの目はまっすぐだった。
レ「そうですか」
私も笑顔で言った。
ハル「では、これで失礼しますね。皆、行きましょう」
ハルさん達は自分たちの家に向かって歩いて行った。
私たちは彼女たちのうしろ姿が見えなくなるまで手を振り続けた。
事件は、こうして幕を閉じた。
2011/04/30 17:11