[1]olive
【レイトン教授と呪縛の魔国(幻の王国3)】
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のつづきです。
約100年ほどむかし、最大の繁栄をみせた二つの王国が、理由も不明のまま破滅した。
それを知るは、その国の民の僅かな末裔のみだった。
王国の破滅はいかにおきたか、それを探るべく、レイトン達はタイムマシンにのって過去へと調査にむかう。
ネグリシャムラの呪縛はいかなるものか
どこかでひっそりとうごめく闇
砕け散る運命のハグルマに
レイトン達は真実を見るか
そして
誘惑の先の目的とは…?
お楽しみに………
2010/08/17 23:50
[230]Ewota
ザルシュさんはやがてアイズィーに手を回し、ああ、となげいた。
会場はしんと静まり返り、パトカーのサイレンが鳴り響いた。僕たちはなにもできずに、ただただ佇んだ。
控室で、アンネさんがふせていた。
足早に王国に戻ることがわかったのだ。こんなことがあったばかりなのに。
「アンネさん…」
レイトン先生がはなしかけると、アンネさんはおだやかにわらった。
「話をきいていただけますか」
2011/04/17 14:51
[231]Ewota
第9章
大好きなあの日のキッチン
2011/04/19 22:59
[232]のなりい
ガルシュ君、自害して・・・・。
ザルシュ君はショックだろうね~・・・・。
一瞬、ランドとヘンリーを思い出してしまった(苦笑)←←
2011/04/21 01:53
[233]Ewota
「カルロとの出会いの話なんですが」
アンネさんは白金の髪を耳までかきあげて、恥ずかしげに窓を見た。
すっかり日は落ちて、鏡になった窓ガラスが、アンネさんの寂しげなまつげを映している。
「彼とは、大学での小さなパーティーで出会ったんです」
まさに一目惚れだったらしい。友人がヘッツィさんの恋人だったらしく、二人がキューピッドとなって、カルロさんとアンネさんを恋仲にした。
4人は同じ屋根のしたで仲良く同居した。アンネさんは両親から借りていた高級マンションより、4人ぎゅうぎゅう詰めを選んだらしい。
アンネさんは料理好きだった。いつも4人分を作った。
友人と並んで料理をつくっていると、いつもカルロさんは車椅子を器用に乗りこなして二人の足元に寄ってきた。
そして、アンネさんが盛りつけた、サラダやベーコン、ポークビッツを決まって盗み食いしていく。
「あ、カルロまたやったわね!」
「あはははは、ごめんよアンネ」
紳士的で優しい物腰、たまに見せる無邪気な笑顔。アンネさんは、そんなカルロさんとのその時間がなにより好きだった。
二人は幸せだった。お互い表向きではブレッド、アンナとよびあい、家ではカルロ、アンネと本名でよんだ。
でも、互いの身分はしらなかった。
2年たったある日まで。
アンネさんはあるひ、学校内で囁かれている噂を聞いた。
「ブレッドはカルロ・フォード」
アンネさんは自分の父親を陥れたと思っていたエルドマクも、同年代の息子カルロも憎んでいた。
しかし、彼とカルロがおなじ人とは。
アンネさんはカルロさんを問い詰めた。寂しげなYESが返ってきた。
その時のカルロさんは、病が進行して車椅子を乗りこなせなかったし、身体の自由もさらに失われていた。
寂しげなカルロさんの頬が膨らみがなくこけていたのを、アンネさんは覚えていたらしい。
アンネさんはレイトン先生に情報をながして、その後流れているカルロさんに関する悪い情報をもとに、カルロさんを止めようとしていた。
最近新婚生活をはじめているが、アンネさんがキッチンにいるとよく足元まで杖をあやつり歩いてきて、食べ物をつまむらしい。
「まあ、聞いてほしかっただけなんですが」
アンネさんは頬を赤らめて、
「パーティーで彼に会えてよかったです。いや、あってないといけなかった…」
と、口に紅茶をはこんだ。
パーティーの彼は車椅子で食べ物もとらず色白で、イングランド人とは違った顔立ちだった。
アンネさんは「美しい先輩がいる」と聞いていた。だから彼をみたときには、隣で手をとって踊っている友人がなんの光もないように見えたらしい。
アンネさんは照れ隠しに紅茶を飲み干した。
カルロさんが釈放される2週間後が、王国にもどる日になった。
2011/04/21 18:56
[234]Ewota
最終章
最期の王国
digest-storyにします。
2011/04/21 18:59
[235]Ewota
のなりい、スルーごめんよ[s:0319]
ガルシュくん、自害という最悪の状態に…
考え方が完全な奉公精神だったんですわ[s:0035]そう考えといて〜…[s:0319]
ランドとヘンリ〜〜〜〜〜…[s:0364]
早く奇跡の仮面やりて〜よ〜…←シャラップ
2011/04/21 23:49
[236]のなりい
いえいえ、気にしないで~~^^
見事な奉公精神だよね~・・。
奇跡の仮面、おもしろかったy(殴
つまみ食いするカルロさん・・・(笑)
なんだか想像すると微笑ましい光景だね^^
2011/04/24 02:18
[237]Ewota
更新にげ申し訳ない[s:0385]
レイトン達が未来にむかっているその時、ウィダードでザルシュが見た光景。
それは大破された町並みだった。
家来が止めるのもお構い無しに、馬車から飛び降りいそいで、ある小屋に駆け寄った。この中にマークがいるという。
しかし走り寄ったザルシュの頭に、こつんと小石が当たった。
「俺達ウィダードのやつが、お前等になにしたってんだ」
民の一人が、片手いっぱいに小石を掴み、こちらを睨んでいる。
「そだての故郷を捨てた野蛮王子め!どうせお前が町を壊すように仕向けたんだろう!腹は分かってるんだ」
ザルシュはなにが起きたか解らず、ぼんやりと立ちすくんでいた。
しかし、合点した。
ガルシュがやったんだ。
どうせあいつが手柄をとろうとして、武力でウィダードの奴を圧迫しようとしたんだ。
だけど失敗した。奴は罪を自分になすりつけるために、兄達を迎えに行く俺を利用した。なんで馬車がわざわざウィダードの町に寄っていたのか、やっと分かったぞ。
ザルシュは小石をぶつけられ罵倒を浴びながら、むくむくと沸き上がる怒りを必死に鎮めていた。こんなことでへこたれていては、地上からうける圧迫を地下に影響させない計画は実行できない。
ザルシュは「すまない」と一言いうと、やおら手を下について、土下座した。
しかしその数日後、ザルシュに「ウィダード永久追放令」が下された。その責任者の名前は、ロッパと言った。
しかも数日後、ザルシュを陥れる出来事がおきた。
ザルシュは追放され、サンステリで地上から帰国した兄達とのんびり政治をしていた。もうウィダードに関わるものか。そんな気持ちだった。
しかしある日、こっそりとアイズィーが忍び込んできた。
「ザルシュ?わたし、アイズィーだ。そなたに会いたくて、つい」
ザルシュはこっそりと城に招き入れ、城の者達とティーパーティーを開いた。アイズィーの為ならと、コックが料理を作る。パティシエはスイーツ、お菓子を楽しく準備してくれた。
ザルシュはアイズィーと、幸せな時を過ごした。
「ザルシュ、こんなものがある」
アイズィーは包みを取り出し、結び目を緩めた。
「なになに?」
ザルシュは身を乗り出し、アイズィーの手元からペンダントが取り出されるのを見た。
「こっそりと準備したんだ、ザルシュの為に…」
「…綺麗だ」
アイズィーは椅子から飛び降り、ザルシュの髪をかき上げた。首にまわし、金具を着け、また髪を降ろした。
ザルシュはペンダントトップをあてがいながら、「ありがとう」と微笑んだ。アイズィーはそのほかにも、ハンカチだったり、香水だったり、沢山ザルシュにお土産として渡した。
ザルシュも嬉しかった。アイズィーから貰ったペンダントを、いつも首にかけていた。
しかしだ。ある日、家来、それも下等兵士が違和感をかんじた。
「私の父は薬剤師をしているので解ります。あの香水の成分も、ハンカチののりも……第一、ペンダント中身が空洞で穴が空いているなんておかしい」
兵士はザルシュからペンダントを貰った。
「いいですか?」
そういって、彼はペンダントを砕いた。
ペンダントからは、白い粉が飛び散った。
嫌な予感がしながらも、ザルシュはハンカチを水で洗うと、水を兵士に渡した。香水もだった。
兵士は臭いをかぎ、透明の液体を粉や水、香水にかけた。
液体が落ちると同時に、粉や水は青黒くそまった。
「…毒薬だ」
兵士が、ぽつりと呟いた。
アイズィーの話によれば、ハンカチ生地に刺繍をしたのも、ペンダントをこっそり作らせたのも、アイズィーだという。
ザルシュがそれを使ううちに、身体に毒薬が蓄積されて死ぬようになっていたのだった。
ザルシュはそれを知った時、マークをこっそり呼び出した。
暗闇の中でカーテンが風に泳がされているのを見ながら、一言だけ命令した。
タララ主義は皆殺しにしろ。
と。
2011/04/24 14:33
[238]Ewota
僕らが王国にもどってみると、光景が変わっていた。
家々は崩壊され、人々がこの前まで使っていただろう家具や用品が、散らばって歪んでいた。所々、路地裏から蝿がわいているのもおかしすぎる。いやな臭いも立ち込めていた。
「なにごとだ…」
レイトン先生は立ち尽くし、急いで写真におさめた。
「…あ、あそこに人がいます」
クラウスさんが指指すと、向こうに走って行ってしまった。
「僕達もいこう」
クラウスさんはうずくまる少年を揺さぶった。「この王国になにがおきた、なにがおきた」と話し掛けながら。
少年はくらりと一揺れ二揺れして、ぱたんと地面に倒れてしまった。目はくぼんでいて、足や手には傷があった。
「…………」クラウスさんは手を組み、瞳を閉じて祈りはじめた。
「君を危めたこの事態はなんなんだい」
と、呟きながら。
すると別の路地裏から、足音、それも軽快な子供の足音がした。
「未来の人」足音の主は先生に話し掛けて、ふと目をみやった。やがて事態を飲み込むと、目のくぼんでいる少年を抱き上げ、
「お前も倒されたか」
と言った。
「ショーじゃないか」
「教授さん………。久しぶりだな。
みてみたか?この町の様子を」
「ああ………。
事態がまだ飲み込めないよ」
「無理もない」
ショーは短くいうと、いきなり顔をきりっと引き締まらせた。
「野蛮王子が本当の野蛮王子になった」
「……?」
「ウィダードのみんながサンステリを圧迫しまくったんだよ。はっきりいっちゃえば、いろいろいちゃもんつけて。
ついにアイズィー嬢もロッパ師匠側にまわって、暗殺計画たてるまでいった。
ただ、」
「ただ?」
「その暗殺計画が王子にばれたんだ。アイズィー嬢が特別発注して作らせた、毒薬まるけの品々。
どうしてばれたのかなあ。王子に届けるまでいったのに、王子が数日使っただけで、腕利きの薬剤師の息子にばれたらしい」
「……」
「そしたら暗殺されかけたことに恐怖を覚えたらしくて、狂気に染まったんだ、野蛮王子…」
そしてザルシュは、タララ主義(ネグリシャムラ絶滅を奨励する主義)を皆殺しにするよう国民に命令したらしい。
いままで絶対危めまいと思っていたロッパ「師匠」もアイズィーも。
やがてロッパがザルシュの人気を落とすためにうそぶいた噂が、本当になったという。つまり、殺人好きになり、夜な夜なザルシュに手招きされる少女達が増えたということだ。
ザルシュは次第に人格が崩壊していた。
やがて国民一揆で死ぬのを恐れたロチェスやミダルは、また逃げるように旅行に消えた。噂では、裏切ったとして地上で暗殺されたとも聞く。
シラーマ姫は毎日ザルシュの説得を続けているらしい。
ザルシュはそれに聞く耳をもたず、また国民も鬱憤がたまっていたため、暴走は止まらなかった。やがて、サンステリの国民はウィダードに侵入してきた。
やがてウィダードの町はこうなってしまった。
今、ロッパはザルシュを苦しめつづけたことを激しく悔やんでいるらしい。
アイズィーも、一度でも暗殺を企てたことを悔やんでいるらしい。
しかしだからって、ザルシュが元に戻るはずもなかった。
ザルシュは今もウィダードの死者数を報告される度、まぶたひんむいて高笑いしてるだろうよ。ショーが、ぼんやりと吐き捨てた。
「最悪だろ」……とも。
2011/04/24 15:49
[239]Ewota
しかし、そんな悪夢の時間は呆気なくおわった。
騒動が起きてから1ヶ月も絶たないうちに、ザルシュはウィダードの者達に捕まったのだった。
無理もない、彼はただの抜け殻に近かった。狂気にそまったザルシュは判断力も衰えていた。そんな彼が一度(ひとたび)捕まれば、抵抗するその力さえ存在しなかったのだ。
ザルシュが力を失ったと知ると、ミダルとロチェスは旅行から帰ってくるなり暗殺された。
つまり、マルミゲラ家の力は消えた。
しかし、そのツケは必ずどこかで歪(ひず)みをおこす。
ザルシュが力を失ったことで、地上からの(当時帝国主義時代だった)圧迫を受けはじめた。
国民の憤激は、内戦、そしてサンステリ対ウィダードの戦いになってしまった。
アイズィーは戦争に反対した。自分が引き起こしたからだと、そういった後悔もあった。しかしそれだけでない。無抵抗のサンステリを袋だたきにするウィダードのやり方に、疑問をいだきはじめたのだ。
ザルシュは今どうなっているだろう。
ザルシュが地上からの圧迫に抵抗しようともがいていたことは、国民も、アイズィーも、誰もしらなかった。
ザルシュは誰にもしらされず、圧迫に耐え切れず朽ちていった。
無抵抗のサンステリの前に、ウィダードは勝利を重ねた。ついにサンステリは追いやられ、降伏する以外選択をもっていなかった。
2011/04/27 01:21