[1]olive
【レイトン教授と呪縛の魔国(幻の王国3)】
http://layton.g-takumi.com/novel_detail.php?bbs_id=23813
http://layton.g-takumi.com/novel_detail.php?bbs_id=24294
のつづきです。
約100年ほどむかし、最大の繁栄をみせた二つの王国が、理由も不明のまま破滅した。
それを知るは、その国の民の僅かな末裔のみだった。
王国の破滅はいかにおきたか、それを探るべく、レイトン達はタイムマシンにのって過去へと調査にむかう。
ネグリシャムラの呪縛はいかなるものか
どこかでひっそりとうごめく闇
砕け散る運命のハグルマに
レイトン達は真実を見るか
そして
誘惑の先の目的とは…?
お楽しみに………
2010/08/17 23:50
[110]Ewota
アイズィーは、隊長につれられた客室のベッドで目がさめた。
昨日のことを思い出し、「私らしくないぞ」と呟いて見せる。
でも、鮮明に覚えている。あのかぜは、私を動かしてくれた。優しく背中を押してくれた。
なにげなく壁をみると、紅のドレスがハンガーにかけられていた。
「…そうか、そうだったな……」
アイズィーはもってきた荷物の中からブラウンのドレスと青の肩掛けを取り出し、硝子細工のブローチで留めた。そして、グレーのリボンで髪を一つに纏めた。
ブーツを履いて部屋からでると、美味しそうな匂いがする。
釣られるように歩いていくと、美味しそうな食事が並べられていた。
「アイズィー嬢のために腕を奮いましたよ。さあ、おたべになって」
コックは手を拭きながら、アイズィーにお辞儀をした。
「ありがとう!嬉しい」
腕を奮ったそのスープは、頗る美味しかった。
口をナフキンで拭きながら、アイズィーは隊長さんをさがした。なんとか、糸を手繰ろうと。
「アイズィー嬢、おはようございます」
「マーク隊長」
彼から話し掛けてくれた。アイズィーは、ほんのすこしほっとした。
「王子なら多分向こうにいまさあ」
マーク隊長は、テラスを指差した。
「大丈夫ですかぃ?勿論、足でさぁ」
「大丈夫だ」
「そうですか、よかった」
2010/09/19 22:57
[111]Ewota
アイズィーは言われた通りに、テラスにむかった。
確かに、ザルシュはそこで煙管を吹かしていた。仮面をつけて。
「おはよう」
ザルシュは声で気付き、ああ、と小さく返事をした後、
「今日は庭に出てみないか」
と誘ってきた。
「庭?本当にか!」
「勿論」
ザルシュは仮面を少しずらし、ウインクをしてみせた。
「男から誘ってきたら、上々の付き合い」とはアイズィーの母の台詞である。アイズィーは飛び上がりそうな気持を抑えて、お淑やかに頷いた。
城は谷間の洞窟に入り込むようにして建てられており、それをまたぐ吊り橋は自動である。それを渡るとすぐに訓練所がおおきくできており、毎日兵士が腕に磨きをかけている
。
ここで、あの未来の一行はザルシュに会ったときいている。
一応谷間の底にも庭園はあるのだが、ザルシュはあえてそこではなく、訓練所のさらに奥の、人気のない森をえらんだ。
確かにここは敷地内なので、ある意味では「庭」といえる。
でも、アイズィーの屋敷には、森なんてない。
さらにずんずん進んでいくザルシュに、さすがにアイズィーは怖くなってきた。
「もう着く?」
「もう着くよ。ほら」
ザルシュは一つの小道を指差した。
二人でそこをたどっていくと、やがて大きな湖のほとりに出た。
「うわあー……」
最初はそれだけが口から出てきた。しかし、「どう?」というザルシュの呼びかけに、アイズィーは瞳を輝かせて返事した。
「素敵じゃないかっっ!!」
2010/09/20 14:59
[112]Ewota
アイズィーは駆け寄り、さわやかな匂いのする草の上に寝転んだ。
そして、近寄って来たザルシュを引き込み、一輪ピンクの花を摘むと、彼の髪にさした。
「ここはなんて綺麗なんだ」
「俺が骨休めに使ってる」
「へえ」
風の香りは毎回違い、鼻を楽しませてくれる。そんな風に髪なびかせ、二人はたわいもない会話をしはじめた。
いつも周りではびこる、政治、経済、社会問題、差別……そんな固い事とは無縁な、穏やかな風。緑。湖。
二人は誰かが入り込んでくるまで、その中に浸りつつ楽しんだ。
「素敵なお客さんですなあ、ぼっちゃん」
老人の声が頭上で響き、アイズィーは飛び起きた。
「ただの庭師のじいでございます。どうぞ、お気になさらず」
「なんだ、マードックだったのか」
「マードック?」
「彼の名前だよ」
「ははは。どうやら邪魔をしてしまいましたなあ。貴女はフォードのお嬢様ではないですか」
「ええ」
三人は自己紹介を終えた後、また庭師マードックを加えて会話は再開した。
昼の2時を知らせる鐘が響くまで。
「こんな時間か。
お二人さん、お腹がすいたでしょう。お茶にしますか」
「ああ」「ええ」
二人は同時に返事をした。顔を見合わせ、爆笑した。
2010/09/20 16:38
[113]Ewota
「では、お昼抜いちゃいましたし、多めに準備しましょうか」
マードックは小屋からバスケットとポットや鍋を持ち出し、アイズィーに小さなバケツを手渡した。
「小屋の辺りの実や低木は大抵、野苺です。それを一杯に取ってきてください」
「こんなに?」
「ええ」
ザルシュは平然と杓と桶を取り出し、湖で水をくんでいる。アイズィーはいわれたとおり、小屋の辺りにいった。
「これはモミジイチゴ、これはナワシロイチゴ。全てたべられます」
アイズィーは、こんなことしたこと無かった。全てが新鮮だった。
「これは?」
「ああ、ヤマグワですよ」
「食べれるのか?」
「ええ」
マードックはテーブルの近くに戻ると、赤れんがで囲われた中に小枝をばらまいた。そしてマッチで火をつけ、金網を乗せ、ザルシュの汲んできた水をポットや鍋にいれて火にかけた。
そして、小屋から持ってきた、カモミールを乾燥させたものをいれた瓶をあけ、さっとハーブティーをいれた。辺りに生えるミントも摘み取り、それもハーブティーにした。
「私はセージのハーブティーもすきだな」
独り言をつぶやきながら、セージのハーブティーもいれた。
「坊ちゃん、小屋の奥の畑から、キンレンカとチャービルを」
「ええ、俺も!?」
「ええ」
ザルシュは渋々とってくると、マードックをそれを薄くきったパンのうえに乗せるようにいった。「チャービルはスープにしますから、挟まないで」
マードックは手際よくベーコンと卵を焼き、パンにおいてサンドした。そして、ハーブティーをいれ上がると、作ってきておいたスープにチャービルをそえた。
「摘んできたぞ〜」
アイズィーの持ってきた野苺は、一粒ずつよく洗い、鍋にいれて煮込んだ。途中で大量の砂糖を加え、灰汁をすくって掻き混ぜる。檸檬汁を最後に加え、それをパンに塗りたくった。
「ジャムです」
マードックはぬったあと、のこりの野苺を皿にあけた。
「そのままでも食べられますから」
溶かされたチーズを残りのパンにのせ、さっと味付けした。
「ハーブティー、チャービルのスープ、キンレンカと野苺、チーズのサンドイッチ、野苺……うん、上出来だ」
椅子が一つたりなかったのでもってくると、三人は「いただきます」をいうが早いか、飛びついた。
色んな本を参考にしました。ちょっと違ってるかも…;
2010/09/20 17:22
[114]Ewota
パンをほおばりながら、マードックは昔話を始めた。
アイズィーはそれを聞きつつ、キンレンカとベーコンのサンドイッチに手を伸ばす。
「昔は、奥様と王子さま二人の三人でこの庭にきてらしたが」
キンレンカというのは、山葵のような辛さがある。アイズィーはそうとは知らずに口に入れ、思わず舌をだす。
ザルシュは平然と食べていた。
「いまは、坊ちゃんとフィアンセか」
アイズィーは何となく対抗したくなり、必死で食べる。キンレンカの辛さはかわらないのだが。
急いで口にはこんだハーブティーがミントだったのが、また不幸だったけど。
「すっかり変わりましたね」
アイズィーは、その王子とはロチェスとザルシュだと勘違いした。隠し子も知らないし、正妻とロチェスが不仲なんて事情、しるはずもないからだ。
モミジイチゴを口に運び、辛みは消え失せた。
「甘い…」
「でしょ?毎日世話しましたからね」
マードックはセージティーを口に運び、爽やかな風を感じた。
「ここは地下。四季がありませんから、春も夏も秋もないのです。本来、野苺がこんなにとれることはないんですよ」
「四季か。
そうだな、もし、冬が体験できたら、……私は雪が見てみたい。
純白の結晶が空から舞い降り、辺り銀世界にかえる。そんな雪をあつめて……」
「食べるとか?」
「ザルシュの卑しん坊。それを頬にあてたい。ひんやりした綿のような雪を」
「みてみたいものですねえ。私は…そうですね、月を眺めたい」
「月?」
「美しく、また妖艶な月光をおがみたいです……。きっと素敵でしょう」
「俺は……。真っ青な空に浮かぶ雲と、黄金色に光る太陽をみてみたい」
「へえ」
「暖かさを感じたい。温もりを感じながら、ずっとながめていたいよ」
三人は地上への夢をはせながら、偽りの太陽に育った野苺を口のなかにいれた。
「甘い……」
2010/09/20 21:41
[115]Ewota
一方、レイトン教授達は、ナターシャハウスでお茶を飲んでいた。
「最近さあ…」
博士が口を開いた。
「…八等身キャラ、多くね」
「ですよね〜!」
クラウスさんが、大袈裟に騒いだ。
「メインキャラが八等身、しかも女性向けイケメンとかないわ〜て思いますよ!
イケメンは少しでおk!僕とか」
「あっさりイケメンを認めるなクラウス。
私なんて瞳点だよ!?カルロみてみい」
じ〜〜〜。
「なんかついてますか?」←カルロ
「キラッキラしてますね、先生!」
「だろ、ルーク…
君はどうだい」
「丸かいてチョンです………」
「だろ!」
「しかもみて!あのルックスでタバコ!ザルシュなんてキセルですよ!?
あ〜〜〜なんかも〜〜いや!『ひ●かたじゅうよ●ろう』ですか!」
「クラウス、『じ●う●んろう』ってのはまさか……。でも、マルコは」
「腹黒い笑顔。糸目。童顔。ピンポイントですよあれ」
「きついね。アンネは北欧の美人、アイズィーはアジアンビューティ…」
「き〜〜〜!作者が絵へたなばかりに!
いかんわホンマに!」
「何弁!?もう目茶苦茶だよ?!」
「まじないわ!」
薄汚い会話に混じり、そとから鋭い刃物の音がした。レイトン達は急いで見に行った。
2010/09/21 15:27
[116]Ewota
「なにがあったんだ!?」
見ると、ショーがクナイや短剣を片手に、幹目掛けて打ち込んでいた。
「めがけて投げるときになる、風を切る音だったのか…」
しゅっ、しゅっと上手に幹にあたっていた短剣が、途端に回転しながらまがってきた。
そして、カルロさんの頭の直ぐ横の、小さな小枝を打ち落とした。
「あんた、野蛮王子を仕留められるんだろ。俺の相手もしてくれよ」
「だれからきいたの」
「ししょー」
「………。
すまないが、それは昔の話、昨日の話。
今日は足が痛いんだ。杖ついてないと歩けなくてね」
「え〜。一回だけでいいからさ、佇まい坊々さんっ」
「佇まい坊々か。懐かしい名前だな。
…まあ、リハビリにはなるかな…。
…よし、一度だけだぞ」
「いやっほう!」
カルロさんは数本クナイを拾い、なにか手を動かすと、ショーめがけて投げつける。
ショーはそれをかわすも…
「しまった!」
いつの間にかクナイに糸がくくりつけられており、ショーは必死に糸をきる。
その間にカルロさんは杖を駆使して頭上に飛び上がり、横向けになると、身体を捻らせ一回転した。
そのときクナイをショーを囲むように回し、クナイの先は地面にたたき付け、ふかく突き刺した。
糸によってぐるぐるのショーは「負けた!」とさけびながら糸をきる。
「準備も大切だよ、ショー」
カルロさんは右足が使えないため着地に失敗したのか、背中をさすりながらささやいた。
と途端に、ショーの糸がプチっとだれかによって切られた。
2010/09/21 23:29
[117]のなりい
カルロさん、強いなぁ・・・。
かっこいい!憧れるねぇ。
アイズィーさん、可愛い♪
そういえば、ここ地下なんだもんね~。
・・・ぷっ。
教授達の会話、面白い!!
イケメンぞろいだもんね。しかも、クラウス、自らイケメンを認めた!?
2010/09/22 16:29
[118]Ewota
のなりい
クラウスはユーザーの反応をみて楽しんでいたんだ!!なのにこのスレといったら…
「ザル君人気たかくね怒」←クラ
2010/09/22 18:45
[119]Ewota
更新!
「誰だ!?」
ショーが声をあげると、草影がガサガサてゆれた。僕らは身構えて、その敵を待った。
「そんなに大きな声をださんでも。私だ、用も終えたので帰ってきた」
その声は、頭に直接響き渡るように聞こえた。
「ししょー!」
ショーは飛び上がり、草影に飛び込んだ。そして、一人の男性を連れて来ると、はにかみつつ挨拶する。
「…よーこそ、お疲れ様でございます!……へへへ、元気そうでなにより、本当よかったですっ!」
「ああ」
その男性はショーの頭をわしゃわしゃと撫でながら、こちらをむいた。
「お久しぶりです、ロッパさん」
「ええ」
2010/09/23 17:58