[1]olive
【レイトン教授と呪縛の魔国(幻の王国3)】
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のつづきです。
約100年ほどむかし、最大の繁栄をみせた二つの王国が、理由も不明のまま破滅した。
それを知るは、その国の民の僅かな末裔のみだった。
王国の破滅はいかにおきたか、それを探るべく、レイトン達はタイムマシンにのって過去へと調査にむかう。
ネグリシャムラの呪縛はいかなるものか
どこかでひっそりとうごめく闇
砕け散る運命のハグルマに
レイトン達は真実を見るか
そして
誘惑の先の目的とは…?
お楽しみに………
2010/08/17 23:50
[240]のなりい
毒薬・・・・。
はあ・・・なんだか怖いね・・・。
怖いけど・・・なんか悲しい?
んー・・・よくわかんないけど(おい!)皆、不幸になって・・・。
2011/04/27 01:27
[241]Ewota
のなりい
コメサンキュー!
最近返事できへんくてごめんよ……
確かに皆不幸へ下がって行ってるかも…[s:0358]
まあ、話上仕方ないけど;
この話の更新リミットは3日間!レイトン達は王国の最期を見届けられるでしょうか!?
2011/04/28 01:17
[242]Ewota
ザルシュはウィダード宮殿の小さな一室に隔離されていたが、やがて兄弟の死を知ると同時に一度広場に出された。
「もう降参以外道はないぞ」
大臣に諭され、ウィダード国民からは蔑んだ目で見られ、ザルシュはその場に座り込んだままだった。
サンステリ国民も、ザルシュの身を思って自尊心を捨てたらしく、「はやく降参の道を」と口々にさけんでいた。
「ザルシュ」
広場に、ロッパが現れた。
「まさか、こんなことにまでなってしまうとは…。私は酷いことをした」
こんなにやせ細ってしまって…。ロッパは呟きながら、頬を涙でぬらした。
「何故お前さんはどんなにウィダードの私に弾圧されても、私を処刑にしようとはしなかったんだ」
「………」
ザルシュは顔を上げた。
ロッパも白い粗末な服を着、手首をしばられ首を繋がれていたのだ。
「君ではなく、私はウィダードとサンステリの国民の手で処刑されるんだ。全ての責任をとってな」
ロッパがザルシュのひざ元に座り込むと、ザルシュの足元に雫が落ちた。
「ザルシュ?泣いているのか」
「………ししょお…」
ザルシュの口からその言葉がもれたとき、ロッパの顎をあとからあとから雫が伝った。
「…こんな私を、お前を苦しめた私を、まだ師匠と思ってくれていたのか…!」
ロッパは額をザルシュの額と付けると、最期に言葉を残した。
「……私の哀れなこと」
昼下がりの処刑場にたくさんの国民が押し寄せた。ロッパは最期まで偉大な英雄と反逆者でありつづけ、一言も言葉を発することなく逝った。戦を起こした張本人として。
ザルシュは降参の道を選んだ。
ただ、ウィダードの大臣にこう伝えた。
「私には弟がいる。かつておまえらがなきものにしようとした、ガルシュエル王子さ。
彼はウィダード国を憎んでいるよ。彼には気をつけることさ」
そして短剣を片手に、ふらりときえてしまったのだった。
2011/04/29 15:07
[243]Ewota
二人の別れ
2011/04/29 15:08
[244]Ewota
マークはやばい、と思っていた。
ザルシュが森に消えたということを大臣から聞いて、なにか嫌な予感がした。
最後にザルシュがガルシュの話をしたことも怪しい。奴は自分から、卍の正体を話したんだから。
慌てて森に人を引き連れた。
アイズィーはザルシュが森に消えたと聞いて、やはり何かいやな予感がしていた。
ザルシュはきっと、自分だけで全てを背負って消えてしまうつもりなんだわ。直感が冴えていた。
そう、その通りだった。
森周辺は戦で撃ち込まれた大砲の揺れの影響で、地下の鉱物の塊が今にも落ちてきてしまいそうだった。
塊は大きく、この辺りはひとつぶれだ。ザルシュは痩せた身体をなんとか引きずって、鉱物が落ちて自分が葬られるのを待とうとしたのだ。ザルシュは木陰に座り込むのに、力を使い果たした。
しかし。
足音が迫ってきた。若い者の足音はやがて自分に向いてきた。
ザルシュは動く気力がなかった。
「……ザルシュ!!!」
アイズィーの声だった。何故よりによって、ザルシュはふっと息を漏らした。
自分を危めようとしたくせに。
でも、ゆらゆら揺れて今にも落ちそうな鉱物の下に、彼女を置いてはいけない。ザルシュはそう一瞬思った。
右手に握る短剣を鞘から抜き、左手に持ち替えた。そして、彼女に向けた。
「………」
アイズィーは最初はためらいを見せていた。ザルシュもそのまま逃げろ、と安心した。
しかし、アイズィーはすぐにそれに構わず走り寄ってきたのだ!
「こっちきちゃ駄目だあっ!」
思わず大きな声をだすと、アイズィーは一瞬凍りついた。
「…ザルシュ」
「こっちにきちゃ、駄目だ」
「なんで!?」
お構い無しに質問してくるアイズィーに、ザルシュは苛立ちを覚えた。
だが、
「ここは危険だよ。なんで俺がわざわざこんな所にいるのか知ってるの?
……あの上の鉱物が、多分、俺を」
声を出すのがやっとになり、必死に息を喉からだすだけになった。
「…ザルシュも危ないではないか!
…あたし、ザルシュがいないと無理なんだ」
「……じゃあ、なんで……」
「あの時は……。私もおかしくなっていたんだ。だから」
アイズィーは躊躇いの表情を消すと、ザルシュの左腕を取って引っ張りだした。
「……はやく、逃げよう?」
涙をいっぱいためて。
「…いや」
ザルシュは短剣を振り回した。
アイズィーの髪束がざくっと切れた音を聞くまで、ザルシュは抵抗を続けた。
束が落ちて短髪になったアイズィーは、瞳をゆっくりと閉じて、やがてザルシュに抱き着いた。
長い間。
ザルシュもこのまま居たかった。
しかし、ザルシュの視界がもやもやと暗くなっていった。まずい、もう持たない。ザルシュは上を見た。
その時だった。
上でかろうじて地下天井にあった鉱物が、音をたてて落ちてきた。
ザルシュは力を精一杯振り絞り、とっさにアイズィーを突き放した。
「きゃっ!!」
ふらついたアイズィーをさらに突き飛ばし、「ザルシュ!」と叫ぶ「彼女」に言い放った。
「早く地上にいくんだ!」
アイズィーの目の前で巨大な鉱物の結晶が崩れ落ち、その振動で周りの木々が倒れた。アイズィーの目の前は、一瞬にして鉱物の山になっていた。
ザルシューーーッ!!
そうさけんでも返事はなく、ザルシュが居た場所には赤い液が飛び散っていた。
アイズィーは二、三歩ふらつくと、その場にかじりつくように座り込んで、ひとしきり泣きつづけた。
ザルシュが、自分を守ったせいで死んでしまった。ザルシュは最期まで報われない人生をおくったものだ!
あとからあとから苦しみや後悔がわきあがり、泣き声に気づいてやってきたマークに宥められるまで止まらなかった。
しかしザルシュは死んではいなかった。
ザルシュは鉱物がおちる場所の後ろにある洞窟に突き飛ばされ、振動で落ちてきた岩々に右腕を押し潰された。そのときの傷の血が飛び散っていた。
2011/04/29 15:59
[245]Ewota
アイズィーはマークに、ザルシュの言葉を伝えた。
そして、地下南部の地下地上の出入口に向かっていた。
その時だった。
「…兄上が亡くなったとは、誠の話なのか…?」
今にも泣きそうなか細い声で、一人の青年がマークに擦り寄ってきた。
「…お前がガルシュエルか」
「私の質問に答えよ、兄上は亡くなったのか!?」
ガルシュエルはマークを揺すり、やがてアイズィーに気付くと
「…兄上はアイズィー嬢を守る為に亡くなったときいたが。アイズィー嬢、お前は兄上を暗殺しようとしていたじゃないかい。
兄上は非情な嫁をとろうとしたぜ」
とひとしきり呟き、
「兄上を守ろうとしたあんたを危められない……」と涙を流した。
「あんた、アイズィー様を殺すために待伏せていたのか」
ガルシュエル、かれもまた長い戦に心身ともに蝕まれ、傷だらげの身体を不気味な笑みをこぼしながら引きずっていた。
「サンステリの王族の朽ち方はひど過ぎる。なぜ皆こうも苦しみながら死んでいく」
マークはそう呟いて、旅行帰りの二人に死刑を告げた時の苦しみを思い出していた。
二人は覚悟していたのか、なにも言わずに処刑場にむかった。そして時がくると、なきもせず、ずっと笑い続けていたのだ。
ガルシュエルは「やはり死んだか」というと、目をがんと開けたままぼたぼたと涙をながし、マークの懐から剣を掻っ攫った。
「なにをする気だ!!」
「…私は兄上と、兄弟とただ平和に居たかったのに!もうその兄弟も兄上もいない…
私に生きる価値はないんだあああ!」
完全に判断力を失ったガルシュエルは、アイズィーとマークの目の前で剣を自らにさした。
「きゃあああ!!」
アイズィーの叫び声が響き渡った。
2011/04/29 16:30
[246]Ewota
ザルシュも、いやマルミゲラはもういない。シラーマは国の崩壊を察すると、国と共にきえるのを選んだ。
マークとアイズィー、ウィダード国民はとぼとぼと南部の地下地上出入口に向かい、新しい村を設けた。
救い出されたザルシュとサンステリ国民は北部の地下地上出入口にむかい、そこにもとからあった村に住みはじめた。
お互いに地下への入口を閉鎖し、王国の事を封印したのだった。
皆、その後王国の情報を一切流さなかった。そして時が経ちその存在さえも消えかけ、学者の中で「全てが不明な
幻の王国」
と位置付けられた。
これが、全ての王国の正体だったのだ。
2011/04/29 16:31
[247]Ewota
僕達は未来にかえるタイムマシンの中で、残酷な王国の最期にくるしんだ。
「最初にルーク、君を王国につれていくのを拒んだのは、これが理由だったんだよ」
レイトン先生はぼんやりといった。
「この世に解けない謎はない。
しかし、解けたからといって本当に幸せかは、限らないのだからね」
側でカルロさんが、ぼんやりとした目のまま煙草を吸っていた。
「幻の王国、か。
馬鹿馬鹿しいな。勝手にロマンを求めた学者の翻弄だよ」
「私達学者を敵にまわしたな。君も学者のたまごなのにね」
「これはロマンのある幻じゃなくて、ただの呪縛だ。ロマンなんてカッコイイ、ただの欲望の魔に縛られたね」
カルロさんはタイムマシンの中で、こう呟いた。
「僕の実家に出入口があります。いつもは部屋に封印されていますが、特別にあけましょう。バンダナに鍵がぬいつけてある」
「……そうだったね」
カルロさんが初めて、ふっと優しい笑みをこぼした。
「幻の王国は、解き放たれるべきなのですから」
2011/04/29 16:42
[248]Ewota
みなさん、有難うございました。
2011/04/29 17:03
[249]のなりい
完結おめでとうっ!!
どこまでも残酷で・・・物悲しくて・・・でも読まずにはいられませんでした^^;
やっぱりこれが文才かねぇ・・・。←
最後の最後まで素晴らしい絵が・・・^^
2011/05/01 01:50