[1]olive(YK)
【レイトン教授と幻の王国†2†】
私の小説、ついに5作品目です。
今まで読んで頂き、有難うございます。
約100年も昔の事でした……
この世界の何処かに、とても栄えた王国がありました……
その名前は、ウィダード王国といいます…
しかしこの王国は、約100年を境に、この世からぱたりと姿を消しました…
今は何処にあったのか、何故消えたのか……
何も分からなくなったのです………
そう……たった一人の生き残りと、その一族のみは…………
時はロンドン事件から5年後…
そんな王国の場所を探しもとめ、王国消滅の理由を探るべく、レイトン教授達は立ち上がったのです!
完成したタイムマシンに乗って…
「僕は皆に手紙の配達をするよ。
でもね…
その傍ら…」
幻の国、ウィダード王国と
謎の配達人…
「私は彼方様をずっとまっておりますわ!」
悲劇の姫君。
「全て恨み呪ってやる…!」
過去と残された跡継ぎ…
幻の王国の真実とは……!?
お楽しみに………
前作「幻の王国1」
http://layton.g-takumi.com/novel_detail.php?bbs_id=23813
2010/04/20 23:48
[58]olive
カルロさんは立ち上がると、
「おい」
と声をかけた。
フニャフニャの顔のまま、ロチェスさんは振り向き
「ああ?」
その声ができらないうちに、カルロさんはロチェスさんの胸倉をぐいっと掴んだ。
自分に引き寄せる。ロチェスさんの身体は、カクンっとなった。
カルロさんのほうが、背が高い。顔はロチェスさんのほうが大人っぽいんだが。
「な、なにを」
「…僕がそういうのを言うときは、ふざけてるか、相手がそんなんなときだけだ。
………最低だなお前」
「てめえに言われたくはないが」
「ははははは、…アンネ」
いきなり呼ばれて、アンネさんははっとしたようだった。
「すこし、こいつ」
カルロさんは足をかけ、ロチェスさんを転ばす。その場にロチェスさんはひざまずく形となる。
「……教えてくる」
「………ウン…」
アンネさんは知っていただろうに、シラーマさんをむいた。
シラーマさんは号泣だった。
アンネさんはその肩に手をおき、優しく話し掛けた。
「…あいつに、ぎゃふんといわせましょう」
「貴方も金髪青目よ」
「古いしきたりなんて、覆せばいいのよ」
「………でも」
「貴方のお母様が金髪に青目、お父様が明るい栗毛に琥珀の目ね。だからね」
「………」
「私に聞かせて。私を信じて」
2010/05/01 22:14
[59]olive
「同情はいらぬ」
「なら、同情と…騙されたとおもって」
「…ならば、私の部屋に」
シラーマ姫が細りと呟いた。
「姫さまが…心をひらいた…」
大袈裟に、老中が肩を震わせた。
相変わらず向こうから、ぐはっとか、げふっとか、助けて〜とか聞こえるが、僕は耳をふさいだ。
†††††††††††††††††††
2010/05/02 07:38
[60]olive
アンネ目線
私はいわれるがまま、シラーマ姫についていった。
「……そなたは、何故わたしの容姿に…」
「私も貴女もブロンドですわ。瞳も爽やかな色をしている」
「嫌にはならぬか」
「…ええ。まあ、私の国では、ブロンドが美しいとされていますし」
「私もそなたの国にいきたいな。そういえば、そなた」
「アンネ・エクスレラ。まだカルロとは結婚してませんから」
「………か、カル…?」
「カルロですわ」
「私の国には、珍しい名前だ。カルロ…むつかしいから、シグラと言うよ」
「なぜ、シグラなんて?」
「シグラはこの国の富裕層にはポピュラーな名前だからね。シグラの名前はカルロ・ヘル・シグラ・フォードだろう?」
「ええ…みたいですね」
「シグラは間の名前をかくしていたか」
「ヘル・シグラはここで初めて」
「ヘルは、『フォードの血筋』、シグラはきっと、まあ外国に住んでいても、伝統としてこの国の名前をつけたんだろう」
「カルロはイタリアという国の出身ですわ」
「カルロというなまえは、イタリアにある名前か?」
「それほどではないけど、ありますわ」
「ならば、シグラというのは、この国専用の名前か」
ああ、だからカルロは、
「ジョルジョの名前に、アンネの苗字からとって、エクスをつけよっか。
エクスなら、通じるだろうな」
といったんだ。
2010/05/02 08:11
[61]olive
「着いたぞ」
彼女の声で、私はシラーマ姫の部屋に入った。
ピンク色に塗装が施された、なにもおかれていない、ただただ広がるだけの部屋。
唯一おかれたドレッサーに、化粧品と香水が点々とおかれていた。
シラーマ姫はすこしだけカーテンをあけて、ベランダにでた。
こぢんまりしている。
「お茶をだそうか?」
「ありがとう」
彼女は私に向いている。
彼女はきっと、こうしてお話ができる人を探していたんだわ。
温かく、香しい(かぐわしい)ミルクティーを啜りながら、私はさりげなくシラーマ姫の髪を撫でた。
繊細な金髪だった。
そのまま髪を結んでいたリボンを解き、化粧をおとした。
2010/05/02 08:29
[62]シフォン
はじめましてシフォンと言います。
小説、拝見させていただきました。
イラストも物語りも上手ですね!
尊敬しちゃいます! 更新頑張ってください!
2010/05/02 08:49
[63]olive
シフォン様
ありがとうございます!
小説から、イラストまで褒めていただいて…
私こそ、光栄です!
…私に尊敬なんて、にあいませんよ[s:0360]
2010/05/02 17:00
[64]olive
彼女は…美しかった。
綺麗で、私とはまた違う、鮮やかなブロンド。
爽やかで、香るような緑の瞳。
やせ細っているけど、綺麗なライン。
「嗚呼、貴女はもう少しふくよかになれば、美しいものなのに」
「…いやよ。金髪に緑目、ああ、厭わしい!!褐色の髪が欲しい。艶のある黒目が欲しい……」
「…そんなしきたりや常識、覆せばいいのよ。金髪と緑目をよいものに。それにね」
私はドレッサーの上の瓶をとって、中の化粧品をだした。
「化粧は使い方次第で醜くなるわ」
「…ほんと?」
二人の間の口調がかわる。
「美しくなろ、ね」
「………ええ!」
「でも、その前に聞かせて。貴女は、時のとまった姫といわれている。それは嘘でしょう?」
「…………」
「何故貴女は、そんなに美しくなろうとしたの?」
「…それは」
「それをいえば、時の狂った服をきなくていいわ」
「……美しくなりたくて、可愛いドレスをきたのに」
「それを周囲の人間は、時のとまった姫、なんていったのね。
真意は、可愛くなるため。
では何故、そんなに可愛さにこだわったの?年齢にそぐわないドレスなんて」
「………それは、舞踏会のことよ」
シラーマ姫の目に、涙がひかったわ…。
2010/05/02 21:13
[65]olive
「私は、その頃は」
12、と指文字で彼女は呟いた。
「漆黒のドレスをみに纏った、お色気姫だった」
「…舞踏会も?」
「ええ。母親の趣味でね」
彼女はさらさらと髪に当時の自分をかく。
「舞踏会は大嫌いだった。威張り散らした金持ち達が、自慢話を繰り広げる。
子供はまるで人形のように、椅子にくくり付けられて」
「…私の体験した舞踏会はたのしかった」
「この話の次にはなして」
「…ええ!」
「ある日も嫌で嫌で、膨れっ面だった」
2010/05/02 21:33
[66]olive
「でもね、私に話し掛けてくださった方がいた…」
†††††††††††††††††††
「はじめまして、シラーマ姫。私はロチェス・マルミゲラといいます」
「…え?」
「一応許婚みたいなんですが、やっぱり、こういうのもいいかなあ〜〜っなんて」
「……面白い方」
「でしたら、笑われたらどうです」
「え」
『そんな漆黒の服を着ないで、歳相応の可愛らしい服をきて、貴女の素敵な可愛らしい笑顔を表にだして』
「私は醜く汚いわ。色の薄い髪に、まるで葉っぱみたいな目なのに!」
「素材がそうでも、工夫次第で」
「………あ……」
†††††††††††††††††††
「彼もまた、12歳だった」
やっぱり、ロチェスさんはもとからデリカシーのないかたなのね。
「私、それからロチェス様と仲良くなって、何回もお会いしたわ」
2010/05/03 09:51
[67]olive
「でもね、幸せはつづかなかった」
「………」
「彼の父親、すなわちサンステリ王国国王は、ウィダード王国の侵略をはかった。
私とロチェス様は離れ離れに…」
†††††††††††††††††††
ウィダード王国の城、思い出のバルコニー……
「私はそろそろ行かなければ」
「ロチェス様、本当に私達は敵になるの?」
「そうなりますね。仕方がない。父親の考えている事はわからない」
「……そんな」
「でも」
「……?」
「また、会えますよ、きっと」
「………私は、貴方を…最高の姿で待っています。あなたの好きな姿で…」
「え?」
「私は…
私は彼方様をずっとまっておりますわ!」
†††††††††††††††††††
「その何ヶ月かあと、ロチェス様が死んだ報告があった。私は泣き崩れた。
だけれど、いつかまた会える時に………………………………………美しくいようとしたのよ」
「………」
「次は貴女の番よ」
シラーマ姫の顔は何故か、自信に満ち足りた哀しい顔だった。
2010/05/03 10:23