[1]閻鬼
【ルーク少年と黄昏の約束】
初めまして。キョウの親類の閻鬼(エンキ)と申します。以後お見知り置きを。
さて、こんな見るからに駄作そうな小説をわざわざクリックして頂き、誠にありがとうございます。
他サイトでも書いているのですが、キョウの提案により、こちらでも書かせて頂く事になりました。
こんな駄作でもご愛読して頂ければ幸いです。
(この小説はキョウと合作しております故、たまにキョウ自信が来る場合もありますが、その時は生暖かく迎えてやってください[d:0163])
2009/09/22 17:53
[11]閻鬼
第二章 目覚の時
「ごめん……な……」
誰も居ないラボに、自分の声だけが響きわたっていく。ひんやりとした冷気が頬を撫でる。
この部屋には必要な物以外何も無い。
有るのは大きな円柱状の水槽だけ。
永遠の時を生きるとまで称された彼女が眠っているだけ。
男は水槽に手を当て、養液の中で眠り続ける少女を見上げた。
無表情な寝顔、来たるべき時を静かに待っているのだ。
「ゼロ……俺はどうすればいいんだ?」
勿論返答は無い。それでも彼は続けた。
「お前はいずれ目覚める時が来るんだ。狭い檻から出て、自由になれる日がな。しかしそれが俺の生きている間とは限らない。
だから俺は禁忌を犯す! 許してくれ……ゼロ……!」
男は何を思ったのか、次の瞬間には水槽の真上に立っていた。
少しでも身を乗り出せば危険な液体の中に溺れかねない。だが、男は怖いとは感じなかった。
“恐かった……"。
しばらく水槽に見入った後、彼は白衣からキラリと光るカッターを取り出した。
それを人差し指にゆっくりと押し付ける。柔らかい皮膚を切った感触の次に、鈍い痛みが全身に巡った。
傷口から真っ赤な液体が滲み出る。自分の血が、こんなにも鮮やかな色をしてるんだと半ば感動したのはこの瞬間だった。
男は怪我した人差し指を突き出し、傷口を下に向けた。
一滴の鮮血が滴り落ちていく。
血は養液にじんわりと溶け、その姿を消した。
ドクン……!
鼓動が始まる。
ドクン…!
空気が冷たい。
ドクン!
音は次第に大きくなり、
ドクン!!
目覚めの時。
「止まっていた時間が……“動き出す"。」
2009/09/22 19:36
[12]閻鬼
第三章 セピアの夢
ここはどこなんだろう。
意識をとりもどした時、自分がどこにいるのかわからなかった。
まるで古ぼけた写真のような草原。そこにぽつりと立ちつくす少女。
夜でも昼でも無い、赤褐色の空。透き通った風が髪をなびかせた。
すると、突然誰かに手を握られた。少女が顔を向けると、そこには自分と同じくらいの子供がほほ笑みを浮かべてた。
見覚えのない顔立ち、それなのに酷く懐かしく感じる。
「誰……?」
しかし応答はない。自分の声がひどく悲しげに聞こえる。こんなにも小さな声なのに、こんなにも広大な空なのに、声は響いていった。
彼は誘うように手を引っ張る。ついて来てほしいのだろうか。
彼の指さす向こうには、黄金の花畑が一面に咲き誇っている。
こんなにも見事なひまわり畑は初めてだ。
何もかもがセピア色の世界で、それは光輝いていた。
少女は初めて微笑んだ。
誰なのかもわからない彼に向けて。
そのまま歩き出す。
ふんわりとしたワンピースが揺れる。
そのままどこまでも走って行ける気がした。
そう……この時までは――
2009/09/22 19:37
[13]閻鬼
第四章 蒼白のゼロ
パリーン!!
突如ラボ中にガラスの割れる音が響き渡った。
ある部屋に向かって大勢の研究者達がかけて行く。
天井の赤いパトライトが忙しなく周り、人々の気持ちを一層高ぶらせた。
「まさか目覚めたのか!?」
「そんな馬鹿な……」
「しかしそれ以外にありえないだろう!」
研究者が口々に呟く
急ぐ人々の中、一人の女が他者よりも不安げに走っていた。
(シキ……あなたがやったの?)
冷や汗が頬を伝った。
自動ドアがひとりでに開き、人々が研究室へとなだれ込んだ。誰もが唖然とする。
室内はついさっき嵐が起こったかのように騒然としていた。ガラスの破片が四方に飛び散り、不気味な色をした液体が床一面を濡らしている。
目を覆いたくなるような惨事の中に、彼女はがっくりと倒れこむ人影を見つけた。
「シキ!」
「グウィネス、今はダメだ!」
飛び出そうとした女を周りの人々が引きとめた。
その時、周りの空気が一瞬にして氷点下に凍りついた。壁に霜がはっていく。
グウィネスはハッと前を見上げた。
周りが静まりかえる。
突如体中が痺れたように動かなくなった。小指一つ動かすのも難しい程だ。
次々に起こる不気味な現象に研究者達は驚きを隠せず、中には怯え出す者もいた。
(何?何が起こっているの!?)
パキン!
破片の砕ける音が静けさを取り戻した。
冷気の風が押し寄せた。
彼女のブロンドの髪がなびく。
さっきまで白い煙に隠れて見えなかった影が突如姿を現したのだ。人々はその神々しさと恐ろしさに息を飲んだ。
「ゼロ……」
誰かが呟いた。
*
……激しい頭痛にうなされ、俺は意識を取り戻した。
ゆっくりと開いた視界の先には、心配そうに覗き込む彼女が居た。
「グウィネス……?」
そう呟き、身体を動かそうとすると、全身に衝撃が走った。あまりの痛さに、顔をゆがめる。
俺が身動きしたのを感じ取ったのか、彼女がハッと目を見開いた。
「シキ! 大丈夫なの!?」
全然大丈夫じゃないが――
「あぁ、何とも無いよ」
と強気で笑う俺。
だが、彼女には分かっているのだろう。すぐさま「嘘おっしゃい!」と怒鳴られてしまった。
まるで迷子の子供をしかる母親のようだ。
「怒鳴るなよ。骨に響く――」
ふと、彼女の目に涙がこぼれ落ちそうになったのに気づき、俺の胸が一層苦しくなった。
グウィネスの顔を見ていると、徐々に意識がはっきりしてきた。
そして、俺が目撃したのは……
目を覆いたくなる惨状だった。
気がつくと、俺の体は血だらけで、肌の露出したところは切り傷だらけだ。
俺は自分の事よりも、"彼女"の姿が無い事を知った。
「グウィネス! ゼロが消えてるぞ!?」
部屋のどこを見渡しても、影も形も無い。
すると、グウィネスはふっと暗い顔をした。
「ゼロは……逃げたわ。力の暴走かもしれない。突然光ったかと思ったら、どこかに消え去っていたわ」
「そうか……逃げた…か……」
思いもよらない反応に、グウィネスは驚いた。
その時、彼女の後ろに研究員が立ちはだかったかと思うと、彼女を乱暴に吹き飛ばし、無理やり俺を掴み上げた。
「シキ! 何故ゼロは蘇った!? お前の話じゃまだ先のはずだぞ!?」
鬼のような形相で怒鳴る研究員。
しかし、シキは"笑っていた"。
「待ってくだせぇ旦那。こんな恰好じゃまともに話せませんよ。話を伺う時はそれ相応の態度ってもんがありましょう?」
涼しい顔で挑発するシキ。
「ふざけるな! 知ってんだぞ?"お前が目覚めさせた"ってなぁ!」
「……! シキ、どういう事なの!?」
黙って見守っていたグウィネスが突然叫び出した。
だが、またも周りの研究員達に抑えられる。
関ってはいけない……と……。
「……さすがだな。てっきり気づいてないんじゃないかと思ってたけど……。油断しすぎちゃったかなぁ」
へらへらと笑っていた彼の顔に、だんだんと黒い影が差して行った。緑の瞳が恐ろしい輝きを放つ。
「そうさ、俺が逃がした。ここにいつまでも閉じ込めておくのは可哀そうだからね……。今頃お外で遊んでるだろうよ」
「き、貴様ぁ……!」
拳が顔面に直撃し、シキの口から鮮血が飛び出た。
「いやっ! やめて!」
グウィネスが叫ぶ。
あぁ……また視界がぼやけてきた。またお眠の時間かな――
ちらつく意識の中、研究員達が騒ぎ始めるのが聞こえた。
「おい! この反逆者を地下牢に閉じ込めておけ!」
俺を取り巻く研究仲間達。
……お前等はそんな奴だったのか……。
「シキ! シキ!」
しきりに名を呼ぶ彼女に、俺は弱弱しくブイサインをした。
人の波に流されていく彼女を見送ること叶わず、無力な俺は、裏切られし仲間達に運ばれて行った――
2009/09/22 19:42
[14]ホピホピ
がんばって
2009/09/22 19:45
[15]閻鬼
ホピホピ 様
ありがとうございます^^
一言だけでも凄く嬉しいです♪
2009/09/22 19:46
[16]lemon
生態不明、ナゾの生物……? よく分からないですが、凄い展開になって来ましたね。これからも頑張って下さい☆
2009/09/22 19:48
[17]ホピホピ
そうですね
2009/09/22 19:49
[18]ホピホピ
あと、呼び捨てで、いいです
2009/09/22 19:50
[19]閻鬼
lemon先輩
あっ、ありがとうございます!!
はい。ゼロはそんな設定になっております^^
2009/09/22 19:53
[20]ー^v^-
面白くないし、もっといい小説かけないの?
ばっかみたい
2009/09/22 19:54