[1]閻鬼
【ルーク少年と黄昏の約束】
初めまして。キョウの親類の閻鬼(エンキ)と申します。以後お見知り置きを。
さて、こんな見るからに駄作そうな小説をわざわざクリックして頂き、誠にありがとうございます。
他サイトでも書いているのですが、キョウの提案により、こちらでも書かせて頂く事になりました。
こんな駄作でもご愛読して頂ければ幸いです。
(この小説はキョウと合作しております故、たまにキョウ自信が来る場合もありますが、その時は生暖かく迎えてやってください[d:0163])
2009/09/22 17:53
[41]lily
勢いがすごいというか、更新されるの早いですね!!
やっぱり不思議…
頑張ってください!!
2009/09/22 21:18
[42]閻鬼
勢いがあると言うか・・・原作(他サイト)からコピってるだけですからねw
多分この先は更新遅くなると思いますよ;
もう不思議すぎて訳わかんなくなってますがね^^;
2009/09/22 21:26
[43]閻鬼
「そう。彼女が家に帰れるよう、手伝いをする事だね」
*
それから幾日か、僕は先生の事務所に泊めてもらう事となった。
彼女と出来るだけ一緒に入れるように、1日でも早く仲良くなれるようにね。
しかし少女は一向に僕達と向き合おうとはしなかった。半開きの瞳には何も映らず、ただ空を見上げているだけ。
彼女が何を思い、何の為に空を見続けているのかは、依然分からなかった。
時折見せる僕への微笑みにも、何の意味が込められているのでさえ、分からないまま……。
最初は少し間を置いていた。人ならぬ気配を発する彼女に怯えていたのかもしれない。
だが時が経つにつれ、その警戒は和らいでいった。
寧ろ彼女に同情を覚え始めていたのだ。
先生は言っていた。
彼女は自身が何者なのかも、大事な身内の事でさえ忘れているのではないか、と。
拾われた以前の記憶が全く無いのではないかと予測していた。
僕は少女に何を感じだのだろう。同情以外に何かが芽生え始めていた。
これだけは確かだ。
僕と少女の壁が、少しずつ消え始めていた……
2009/09/23 00:37
[44]にし
ルーク!
もしかして君は…!!
いえ、なんでもないです。
気にしないでください^^;
続きを楽しみにしています♪
2009/09/23 20:58
[45]閻鬼
にし先輩
あ、ありがとうございます[d:0162]ルークがこれからどう発展([d:0159])するかはお楽しみ…と言う事で[d:0146]←
2009/09/23 21:51
[46]閻鬼
第七章 ライ
それはある日の昼下がり。彼女が初めて好意を抱いた日だった。
「ねぇ、君」
僕はいつものように少女を呼ぶ。名前が分からない以上、身勝手に呼ぶ訳にもいかない。
少女がゆっくりと此方に振り返った。紅き瞳に淡い好奇心が過(よ)ぎる。
彼女は「何?」と問い掛けるように瞬(まばた)きした。
午後のお茶を楽しんでいた先生も訝しげに視線を向けた。
「君の名前……僕が考えてもいいかな?」
彼女をいつまでも"君"と呼んでいては一向に進展しないと感づいた僕は、少女に仮の名を付けてやろうと提案した。
勿論本来の名前だってあるだろう。
しかし彼女はその本来の名だって忘れているのだ。
これは彼女の為であり、僕達の為だってある。
すると少女は驚いたように目を丸くさせた。
「……何故? 貴方はいつも何故そうも優しく接するの?」
「えっと、それは……」
僕は彼女の問い掛けに口を詰まらせた。いざ言われると上手く説明出来なくなってしまったのだ。
こちら側の作戦を詳しく教える訳にもいかない。
「うーん……どう言えばいいんだろう……。えっと――」
僕は散々頭を捻らせた末、たった一言
「君ともっと仲良くなりたいんだよ」
と答えた。
少女の目に嬉しさと驚きが入り混じった奇妙な色に変わった。
この時の僕は真っ赤になっていただろう。
普段口に出さない大仰な台詞を言ってしまった自分に、得も言われぬ恥ずかしさを感じたのだ。
「ルーク、彼女の名前は何にするんだい?」
場の静けさを破るように先生が言い出した。
見たところ先生もこの意見に賛同したようだ。
その瞬間、窓から柔らかな風が入り、僕達の肌をサッと撫でた。彼女の髪が午後の光を受け黄金に輝く。
「……ライ」
僕は優しく呟いた。
「ライ?」
「はい、彼女の髪の色――黄昏《トワイライト》にあやかって」
僕は少女の隣に腰を下ろすと、最高の笑顔を向けた。
「ライ、これからも宜しくね」
「……ありがとう」
初めてライが心からの笑みを見せた瞬間だった。
2009/09/28 18:52
[47]蘭花
凄い長い文章+上手な文章……。
完璧ですね……さすがキョウ様のお友だち様です。
私も元々ここにいた方に紹介をいただき来ております。
キョウ様ならご存知かと思われますよ。
蘭花です。以後お見知りおきを(まね)
頑張ってください!
2009/09/29 19:31
[48]閻鬼
蘭花 様
初めまして蘭花様。えぇ!? 完璧!!?
それは(絶対)ありませんよ。うん、無い無いww
キョウとは関係ないかもしれませんよ……?
あいつただのヲタだし…(溜息
そうなんですか?では明後日奴にきいてみます……。
ありがとうございます!今後ともよろしくお願いします。
2009/10/03 20:05
[49]閻鬼
第七章 月下の逃走
「……腹、減ったなぁ」
退屈そうに呟く青年が一人。本来真っ白なはずの白衣には赤い血痕が飛び散り、錦鯉(にしきごい)のようになってしまっている。それでも彼は不満どころか大いに気に入っていた。
彼の声が虚しく響き渡る。誰も居ない監獄なんて、本来俺の居るべき場所ではない。
早くここから脱獄して、そして――
「……何すんだっけ?」
壁のしみにそう尋ねたが、勿論返答など返ってきやしない。だが、
「ゼロの暴走を止めるんでしょ。もう、しっかりしてよ」
と半ば呆れた感じの声が返された。男がキョトンと鉄格子の外側を見やると、青年と同じ年頃の女が銀の盆を持ちながら、溜息をつくところであった。
「グウィネス……お久しぶりだね」
青年はにっこりとグウィネスに微笑んで見せた。だが力一杯殴られた痕跡がズキッと痛み、頬が引きつった。そして小動物のように鼻をひくつかせ、格子ににじり寄った。
「飯!? おぉ、サンキュ!」
彼が勢いよく手を伸ばして盆を掴もうとしたが、寸前のところで取り上げられてしまった。
「まったく貴方って人は……。人があんだけ心配したにも関わらず、女より飯を取るのね!」
グウィネスは眉間にしわを寄せながら青年のやせ細った手に平手打ちをかました。「イッ」と小さな悲鳴を漏らし、後ろにのけ反る青年。青白い肌にくっきりと跡が残った。
「仕方ねぇだろ? こっちは少なくとも三日間何も飲まず食わずないんだから。そりゃ綺麗な女が居たって命を優先しなくちゃ」
「……私は三日間泣きまくったのよ」
青年はその時初めて彼女の泣き腫らした顔を見つめた。ずっと自分のことを気遣ってくれていたのだろう。美しい蒼の瞳が未だに潤んでいた。
「悪かった。お前がそんなに心配してくれてるとは思ってなくて」
「……シキ、私……貴方を信じてるから」
グウィネスはそれだけ言うと、今まさに流れようとしていた涙を拭った。そしてパッとひまわりのような笑顔を見せてくれた。否、今のシキにはそう見えた。
「サッ、しっかり食べて。話はそれからよ。――あっ、私の晩御飯まで食べないでね!?」
シキは貪るように味気のない飯を食べだした。冷たい飯はあまり好かないが、この際贅沢など抜かしてられない。だが……何故だろうか。今日の麦パンはやけに温かく、塩辛かった。
2009/10/05 21:54
[50]閻鬼
*
「で、どうすんのよ」
グウィネスが自分の晩飯〈どうしても譲らなかったメインの塩肉〉をちまちまと食べながら訊いた。シキが炭水化物を頬張りながら目を丸くさせた。
「え、何が?」
「『何が?』じゃないでしょ。これからどうするのって訊いてるのよ。ゼロの手掛かりも無しに……」
「ちょっと待った。まず脱出を試みねぇか? ここは"アイツ"の本拠地。生半可じゃ出るどころかあの世送りにされちまうぜ」
すると彼女は目にかかっていた前髪をサッと上げ、慣れた手つきで縛り直し始めた。
「私を無能だと思って? ちゃんと策ぐらい練ってるわ。……少々危険は伴うけど」
グウィネスは懐から用心深く取り出した物を青年の前に差し出し、不安気に言った。鈍く光るそれを目にすると、青年はみるみるうちに血の気が引き、絶句した。
「な……何を考えてるんだ! 君まで一緒に――」
「ねぇシキ、言ったでしょう?」
動揺する青年を宥めるように少女は目を見開いた
。凶器を慎重に胸へと埋める。彼女は微かに震えていた。
「私は貴方を信じるわ。シキと一緒になら何処へだって行く。だって私は――」
最後の台詞を言いきる前に、制止を求める合図が見られたので、彼女は仕方なく口を閉ざした。
「分かってるさ。お前は俺の一番頼れる助手だもんな。上司を心配するのも当然だ」
満面の笑みを見せるシキ。グウィネスは深い溜息をついて諦め、いつもの相槌を打っておいた。
『シキ、貴方って人は……』
さっきの溜息は安堵の溜息だったのかもしれない。
長い間牢獄に監禁せれていても、シキはシキだった。
それが妙に嬉しく感じさせたのだ。
その夜、白々しい夜道を二つの人影が横断して行った。
2009/10/06 18:50