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レイトン教授と螺旋の泉

星三輪

皆様初めまして。
この度作品を一つ、投稿させていただきます。

更新はまばらになるかもしれませんが、どうかよろしくお願いします。

さあ、レイトン教授達と一緒に

不思議な世界へ

旅立ちましょう

2014-05-10 20:06:46


星三輪

お詫び

章タイトルが抜けていました

正しくは、オドクロック村は~の部分に[第一章 オドクロック村]が入ります

大変失礼しました

2014-08-27 10:16:44


t・o

オルコットさんって変人なんだ!
ルーク「だれかさんにそっくりですね。」
え? なに? ぜんぜんきこえなーい!
って研究所があるなんて意外と楽に会えそうですね。
更新楽しみにしてるよ!

2014-08-27 13:21:49


いよいよオドクロック村に到着ですね!

オルコット氏の名前を出しただけでざわつく店内。

彼の根城には何が秘められているのか気になります^^

お互い更新頑張りましょう☆

2014-09-21 21:55:38


星三輪

翌日。レイトンたち三人は、オルコット博士の孫が居城を構えているという、村はずれの小山へと向かった。

時折感じる視線にルークが振り返ると、人々が怪訝そうな顔でこちらを見ていた。

よほど、オルコットというのは変わり者らしかった。 

道なりは小山といえど流石鉱山の町、というべき岩だらけでとても歩きづらかった。

村までの道のりも決して楽とは言い難かったが、今度は傾斜もあるためその比ではない。

だがそれでも、歩き続けるしか3人に選択肢はないのである。

登山を始めて数十分後。 

いい加減岩と砂だらけの景色に飽きてきたころ、前方から3人の男がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。

一人はいかにも資産家といったお世辞にも趣味がいいとは思えない服装の小太りの男で、耳飾りだらけの顔を真っ赤にして、遠目からでもわかるほど憤慨していた。

残りの二人は黒いスーツを着ていて、その男の部下ということがわかる。

レイトンたちが思わず足を止めていると、男はぶつぶつと文句を言いながら速足で歩いて来た。

「ちくしょう!このボクがこんなド田舎で一銭の価値もないような埃だらけの場所にわざわざ来てやったというのに!応じるどころかコケにしやがって!!」 

よほど怒っていて周りが見えていないのか、レイトン達には目もくれず、顔から流れる汗を部下に拭き取らせながら山道を降りて行った。 

ルークとレミはしばらく呆然としていたが、レイトンの「行こう」という声に促され、再び歩みを進めた。 

さらに数分歩くと、目の前に目的地である小さな小屋が見えてきた。

ルークはようやくこの険しい道が終わると思うと、自然に笑みがこぼれる。

 しかし、レイトンが扉を見てから言った言葉に、その笑みは瞬く間に消えていくことになる。

「いや、どうやらそう簡単に会わせてはくれないようだ。扉にナゾが仕掛けられているよ」

2014-10-14 22:11:26


星三輪

ナゾ №2 数字の迷路

1 5×5の数字が書かれたパネルがある。

左上の1から始めて右下の13でゴールするまでに、1~13の数字を全て通ってほしい。

数字の順序はどうなっても構わないが、条件がある。

1、 タテかヨコのみ進める。ナナメには進めない 

2、 同じ数字を通れるのは1度だけ 

3、 一度通った数字は通れない 

さあ、このナゾを解いて、オルコット博士の孫に会いに行こう。

(180度反転させてください)

2014-10-14 22:21:40


t・o

オルコットさんは謎解き好きなんですね!!
そんなナゾの答えですが

1 6 12 8 4 3 11 9 5 10 7 2 13
であってます?
頑張って解いてそれなりに自信あるんですが。

2014-11-03 15:36:49


星三輪

t・oさん正解です。やっぱりレイトンユーザーはすげーや<m(__)m> 

2014-12-02 13:22:22


星三輪

レイトンがパネルを指でなぞると、ガチャリと鍵が開くような音が聞こえた。3人は顔を見合わせ、取っ手に手をかけ扉を開いた。 

「・・・えっ?」 

開かれた扉の先を見て、ルークは思わず声を上げた。

そこには、オルコットどころか家具も機械も何もない、ただの木の部屋だった。

「そんな・・・!ここがオルコットさんの研究所じゃなかったんですか?」

「いや、ここのはずだよ。しかし、これはいったい・・・」 

そう言ってレイトンたちが部屋の中へ一歩入った瞬間。 

開いていたはずの扉が突然大きな音を立てて閉まった。 それと同時に、レイトンたちが立っている部屋が轟音を立てて大きく揺れだす。


レミとルークは悲鳴を上げてレイトンにしがみついた。

いったい何が起こっているのか。

それを理解しようとするまもなく、揺れは収まり再び静寂が訪れた。

と、思いきや。レイトンたちの前に、先ほどはなかったはずの鉄製の扉が現れた。

度重なる不思議な現象に呆然とするルークとレミに反して、レイトンは微笑みを浮かべる。

「・・・なるほど。この部屋はここへ私たちを運ぶエレベーターというわけか。こんなものを作れるとは・・・実に興味深い」

そしてレイトンたちは現れた鉄製の扉に手をかけた。

いよいよ、オルコット博士の孫と会える。いったいどういう人物なのだろう。

期待と不安が入り混じった複雑な感情を抱きながら、ルークは手をかけるレイトンの背中を見つめていた。

2014-12-02 13:23:54


星三輪

第二章~オルコット

扉の中の光景を見て、レイトンたちは絶句した。

部屋の壁には奇妙な機械やコードが所狭しと取り付けられ、床は本や紙や工具などが散乱し、足の踏み場もない。
そして部屋中にはオイルの匂いが漂っていた。

とても、人が住んでいるような場所とは思えない。

「こ、ここが・・・」

目の前の光景を凝視し、彼らは村での出来事を思い出していた。 

――奇人!変人!偏屈の三拍子!それがオルコットさ 


あの時はそこまで信じてはいなかったが、いざ目の前のありさまを見るとそれが真実だったということが分かる。

「す・・すごいですね、教授」

石のように固まっていたレミが、絞り出すようにそうつぶやく。

ルークも心の中で「先生の研究所よりもすごいかも・・・」とつぶやいていた。

しかし、部屋に気を取られてしまったが肝心のオルコット博士の孫の姿は見えない。

留守だろうか。
しかし明かりはついているし、心なしか人の気配もする。

ルークが辺りを見回すと。

彼の目にとんでもないものが飛び込んできた。

部屋の隅には天井まで届きそうなほどの大量の本が山になって佇んでいた。

その山の中腹あたりで。

人の腕のようなものが奇妙な形で生えていた。

いや、それは確実に人の腕であった。

「せ、せ、先生!!!」

ルークの悲鳴に近い声に、レイトンとレミがすぐに駆けつける。

「ひ、人が・・・人が埋まってます!!」

震える声と手で指をさすと、二人の顔色が瞬時に変わった。

慌てて掘り出そうとする二人を、レイトンが静かに制す。

「いや、闇雲に掘っては危険だ。私とルークで少しずつ本をどかすから。君は少しずつ引っ張り出してくれないか」

「わ、わかりました」

レミが頷くとレイトンはルークに合図を送り少しずつ本をどかしていく。

本の一冊一冊はそれほど重くはないが、これほど大量に積み上げられては相当な重さのはず。

焦る心を必死で抑えながら、ルークはレイトンと共に本の山を崩していく。
レミも、それに合わせてゆっくりゆっくりと腕を引く。

やがて、本がだいぶどかされもう一本の腕もようやく見えてきたころ。

「今だレミ!」

「はい!」

まるでその言葉を待っていたかのように。レミは二本の腕をつかむと、思い切り引いた。

本がわずかに動いたが、崩れることなく腕の主が引っ張り出される。

だが。

「・・・ええ!?」 救出が成功した喜びは、レミの驚いた声によってかき消された。

レミが引っ張り出した腕の主は。  



あどけない笑みを浮かべながら小さく寝息を立てている、

少女だった。

2014-12-02 13:45:56


t・o

うおお!エレベーター現れた!!なにそれうちらの学校にも欲しい!!
ルーク「どさくさに紛れてなに言ってんですか!!?」
ってオイルの匂いがただよう散らかった研究室…、どんだけ変人なんですか…。
って少女が現れた!!?
ルーク「ええ!僕らもびっくりしましたもん!」
そんなオイルの匂いがする部屋なんかでよく寝られるね!?
ルーク「そこかい!!?」

2014-12-04 22:33:42


星三輪

t.oちゃん>感想ありがとーo(^-^o)(o^-^)o
なかなか更新できなくてごめん(((^_^;)

いよいよ物語が動き出すので、もうしばらくお待ち下さいませ

2014-12-29 16:44:32


星三輪

「お、女の子!?」

レミが、全員が抱いた疑問の言葉を思わず口にする。

引っ張り出された少女は、そばに人がいるのを知ってか知らずか幸せそうに眠っている。

年は10代前後だろうか。
ハニーブロンドの短い髪は埃とゴミでぼさぼさで、着ているのはあちこちがしわだらけの作業着。

どう見ても眠れるような服装と部屋ではないが、彼女はそんなこともお構いなしに寝息を立てている。

この少女が何者なのかも気になるが、何より本来の目的を忘れてはならない。
だが、足元で幸せそうに眠る少女を無理やり起こす気にもなれない。

どうしたものだろうか。

レイトンたちがそう思っていた時。

突然、少女の目が何の前触れもなく開いた。

「わっ!!」

彼女を間近で見ていたルークは、思わず悲鳴を上げる。

少女はそんな彼に気づいていないのかそのまま起き上がると、頭をかきながらぶつぶつと何かを言い始めた。

そして、呆然としているレイトンたちをしり目に、壁に設置してある謎の機械をいじりだす。

余りの事にしばらく言葉を失っていたレイトンたちだが、ふと我に返るとオルコット博士の孫についての事を尋ねようとした。

すると

「閉めて」
「えっ?」
「入口。この子たちはこの時期の風を嫌うの」

彼女はこちらを振り返りもしないまま、淡々と言った。

レミは慌てて開け放たれていた扉を閉める。

少女はしばらく作業をしていたが、やがてひと段落したのか手を止めると、初めてレイトンたちと向き合った。

薄く緑かかった瞳が、レイトンたちをゆっくり映す。
心なしか、右目の方が少し色が薄い気がした。

「で、なんなの?あんたたち。人の家にずかずか入り込んできて、挨拶も無し?」

少女は不機嫌そうに顔をしかめながら、吐き捨てるように言った。
ルークは何か言いかけたが、レイトンがそれを制止し一歩前に出た。

「失礼しました。私はエルシャール・レイトン。ロンドンで考古学教授をしています。こちらは弟子のルークと助手のレミ」

それぞれが自己紹介をすると、少女は3人を品定めするように眺めた。

「で、そのロンドンの教授サマが、こんなところに何の用な訳?」
「実はある人の頼みで、人を捜しておりまして。オルコット博士、という方をご存知ですか?」

レイトンが尋ねると、少女の眉根が一瞬ピクリと動く。

「我々は、彼のお孫さんと名乗る方を探しているのです。村の方々にここにその人がいると聞いて。何か、ご存知ですか?」

少女はしばらくレイトンの顔を見ていたが、やがて小さくため息を吐くとポツリと言った。
「知っているも何も、オルコットってあたしだもの」
「え?冗談、ですよね」
「冗談も何もないわ。あたしがオルコットよ。シスカ・オルコット」

そう言って少女、シスカはうんざりしたように頭を振った。

2014-12-29 17:06:19


t・o

少女がオルコットさんだったか…キーマンだろうとは思ってたけど。
ルーク「ちったぁおどろけよ!?」

“この子たち”ってだれだろう?気になるぜ!
更新頑張って!

2014-12-29 18:31:34


本の山から救出された少女が、オルコットさんだったとは…

しかも、彼女が言っている「この子達」とは?
人を指しているのか? それとも本を差しているのか?

彼女から何か聞けるのでしょうか?

今年も宜しくお願いします。
お互い更新頑張りましょう^^

2015-01-04 20:55:37


星三輪

「あ、あなたが、オルコットさん!?」
「だから何回もそう言ってるでしょ。全く。どいつもこいつも、オウムみたいにおんなじこと繰り返すんだから」

シスカはうんざりしたように言うと、再び機械をいじりだした。

確かに、オルコットの孫という情報はあったが、それがどういう人物であるかは明確にはわかっていなかった。
ましてや子供、しかも少女だったとは。

ルークとレミは呆然としたまま、シスカの背中を見つめていた。

だが、レイトンだけは違った。

「私たちはシュレーダー博士の依頼で、あなたを捜していました。オルコット博士の研究を引き継いだということですが、よろしければお話を聞かせていただけますか?」

レイトンの言葉に少女はしばらく無言だったが、やがて工具を置くと3人に向き合った。

「シュレーダー?」
「はい。私の恩師で、オルコット博士の古い友人だと聞いています」

シスカは小さく名前を何度か呟くと、何かを思い出したように手を打った。

「あ~あ~。要するに、あの人に血縁者がいないのになんであたしが孫と名乗っているのか知りたいってことね。全く、どいつもこいつもくだらないことばっかり知りたがるわね」

シスカはそう言うと、薄緑色の瞳を細めてレイトンを見据えた。

「確かにあの人、ヘルメス・オルコットとあたしは血縁関係はないわ。でもそれは、親のいない私をあの人が孫として引き取ったから。あの人の研究を引き継いだっていうのは全くのでたらめ。そもそも、あの人の研究はとっくに打ち切られたはず。それをわざわざ引っ張り出して今さから研究するバカがどこにいるの?」

「そ、そんな言い方・・・あなたのおじいさんでしょ?」

ルークが、我慢できずに叫ぶと、シスカはじろりと彼を見て吐き捨てるように言った。

「あんなくだらない研究のために、家族も仲間も。挙句の果てには自分の命までも捨てるような人間の研究を、誰が引き継ぎたいなんて思うかしら」

まるで機械のような無機質な声色に、ルークとレミは思わず体を震わせた。
だが、レイトンには、その少女が何かに耐えているように見えて仕方がなかった。

「わかったでしょ?これが、あんたたちが知りたがってたこと。あんたたちが解明したかった謎のすべてよ。ほら、わかったのならさっさと帰って。この子たちのメンテナンスで忙しいの。この時期は、湿った空気でみんなが傷つきやすいんだから」

「で、でも」

なんだか納得がいかないレミが何かを言いかけようとすると、シスカは再び冷たい目を向けて言った。

「死にたくなければ、これ以上あたしに関わらないで。それと、心に傷を残したくなければ、今日中にこの村から出ていくことね」

それだけを言うと、シスカは3人の背中を乱暴に押して扉の外へ追い出してしまった。
3人が振り返ると、扉はひとりでに閉まり、エレベーターが動き出した。

たちまち、3人は元の木の小屋の中へ戻ってきてしまった。

2015-04-12 11:55:08


星三輪

誤字がありましたので訂正を。

私→あたし
今さから→今さら

です。申し訳ありません

2015-04-12 11:58:05


t・o

成程!!オルコットさんの義理の孫だったということか!!
それにしても研究を引き継いだのもデタラメだったなんて何か裏がありそうですね!
シスカの物言いに何か裏が感じられますね。
「死にたくなければ」がどういう意味なのか気になりますね!
更新頑張ってください!

2015-04-14 18:18:12


星三輪

仕方がないので、三人は小屋を出て村へ向かって歩き出した。
だが、やはり不満が爆発したのかレミが突然大声を上げた。

「ああーっ、なんなんですかあの子の態度は!?」
「まあレミ、落ち着きなさい」
「落ち着いてなんかいられません!腹が立って腹が立って・・・」

憤慨して声を荒げる彼女を、レイトンは優しく抑える。

「でも先生」ルークがおもむろに口を開いた。
「どうします?その・・・僕たちの求めてた『謎』はもう解けてしまったようで」

オルコット博士の孫の存在を確かめる。
確かにレイトンたちの目的はそれだった。
結果としては、孫は存在したが、血の繋がりのない義理の孫シスカ。
そして、彼の研究はとうの昔に打ち切られ、彼女が研究を引き継いだというのはでたらめだと本人の口から告げられた。

だが。

「いや、実は二つ気になることがあってね」
レイトンはそう言うと、考えるような仕草をした。
「でたらめ、と彼女は言っていたが、もしそうなら何故そのような噂がったのか」
「そうですよね。火のないところに・・・とは言いますから」
「そして」と、レイトンはつづけた。

「もう一つはシスカが言っていた『心に傷を残したくなければすぐにこの村から出ること』の意味だ。それに、死にたくなければかかわるなという言葉」
「まるで何かを隠しているような、そんな感じがしますね」
ルークの言葉に、レイトンは笑顔でうなずいた。
「どうやら、彼女の語った言葉以外にも、ここにはまだ我々が知らない何かがあるようだ」
「なるほど!その謎の解明をするな、とは言われていませんもんね」
レミがそう言うと、レイトンは少し困ったようなしかし楽しそうな笑みを浮かべた。

「そうと決まればまずは村へ戻りましょう。何かわかるかもしれない」

新たな目的を得た3人は、期待に胸を躍らせてオドクロック村への帰路についた。

―――何者かが、その背中に視線を向けていることに気づかぬまま・・・

2015-08-29 09:37:29


t.o

先生たち新たな目的を見つけましたね!
新たな謎も気になります!
そして視線を向けている者が何者なのかも見離せませんね!
更新頑張ってください!

2015-08-30 14:07:23


星三輪

レイトン達が立ち去った後。

少女シスカは一人、彼女が『この子達』と呼ぶ機械たちを丁寧にメンテナンスしていく。

この時期の空気は湿気を含むため、水分に弱い機械には辛いものだからだ。

だが、シスカはふと手を止め顔を扉に向けた。

(まさか鍵を解除してここまでくる人間がいるなんて、正直驚いたわ。確かロンドンの教授の・・・レイトンって言ったっけ)

問題が簡単すぎたかしら?と、少し自嘲気味に笑う彼女を心配するように、後ろの機械が蒸気を吹いた。

「大丈夫よ、心配しないで」と、シスカはまるでわが子のように優しく語りかける。

「あたしにとって大事なのはあなたたちだけだもの。もう誰も、頼ったり、信用なんてしないんだから」

そう言って柔らかい布で機体を磨き始めるシスカ。
その表情は優しく、心なしか少しさびしそうだ。

すると、机の上に掲げられた大きめの機械が激しい警告音を鳴らした。

(今度は誰なの?)

先ほどまでの表情から一転。心底うんざりしたような顔で、シスカは外の様子を監視できるモニターに視線を向ける。

そして、そこに映っていた人物を見て彼女は思わず舌打ちした。

――今日は厄日かしら?

そんなことを考えながらも、シスカはしぶしぶ受話器のような形の機械を手にした。

「・・・何?あたしは今とっても忙しいんだけど?」

シスカはいら立ちを隠すことなく、棘のある声で応対する。

『そうか、それはすまなかったねミス・オルコット。こちらも急いでいるのでね、確認を怠ってしまった』

そうは言ったものの、電話の向こうの声は申し訳なささを微塵も感じない声色だ。
それにシスカはさらにいら立ちを強くする。

「で、用件は?もっとも、あんたの用なんて一ミクロンほども聞くつもりはないけど」
『相変わらずつれない人だ。だが、我々も学習しないわけではないのでだよ。貴女が探しているかもしれない【部品】を持ってきている』

その言葉にシスカの肩がわずかに揺れる。
それを見抜いたのか、声の主は畳み掛けるように言った。

『どうかね?悪い話ではないはずだが。貴女が我々に協力をしていただければ、部品はお渡ししよう。ずっと探していたはずだ。あのヘルメスでさえたどり着けなかった――』

「それ以上言わないで!!!」シスカの金切り声が部屋中に響いた。

「あんたが何者か知らないけれど、あたしはもうあの人とは何の関係もない。血の繋がりも、何もかも。だからもう、あたしに関わらないで。直ぐにこの場から消えて!」

最後はほとんど悲鳴のような彼女の言葉に、声は小さく『わかった』と告げた。

『だが、一つだけ忠告しておこう、ミス・オルコット。貴女が【オルコットの孫】である以上、この宿命からは逃れられないと』

声はそれだけを告げたきり、それからは一言も発しなかった。
シスカがモニターを見ると、人影も消えている。

(オルコットの、孫)

シスカはふらりと倒れ掛かっている本棚の後ろに視線を向けた。

そこには小さな額縁があり、何やら文字が書いてある紙が入っている。

見たことのない文字が並んだ、何かの暗号文のようだ。

「どうして、あなたはあたしを孫にしたの?どうして、あたしだったの?」

――教えてよ、おじいちゃん

小さく呟いた言葉は、機械たちの音にかき消されていった。


第二章、完

2016-08-18 20:38:24


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