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レイトン教授と暗幕パーティー

たかなし

はじめまして!
たかなしと申します。

初書きなので緊張してますが、が、がが、頑張りたいです、どきどき。

注意
・波更新
・ぐだぐだ
・ナゾなんてない
・トリックなんてない
・唐突に始まる
・ぐだぐだ(大事なことなので二回言いました)
・時間軸?何それ美味しいの?
・文才?ああ、煮物にすると美味しいよね
・その他何かいろいろ酷い

以上です。
それでも大丈夫!という方はどうか暖かい目で見てやってください。

2012-05-19 20:32:21


たかなし

「頭を負傷しているようなのであまり触れないでください!」

先生は使用人さんに注意をして、アルクインさんに駆け寄るとすぐに脈の確認をする。そして使用人さんに救急車を頼むとそっと腕を戻した。
どうやらまだ息はあるようだ。よかった…。

僕は胸を撫で下ろす。すると、また誰かの声が聞こえた。今度は聞き覚えのある声だ。

「君たち、どきなさい!」

「どくであります」

嫌な予感は当たると言うもの。
声の主はあのおとぼけ刑事のチェルミー警部とバートンさん。
何故、こんなところに?

「何だ、また君たちかね!」

「チェルミー警部こそ、何故ここに?」

「何故?忘れたのか?あの宝石強盗を誰が捕まえたのかを?」

先生です。
ふふんと得意げなチェルミー警部にそう言ってやりたかったがここは我慢だ。
でも、チェルミー警部は犯人に手錠をかけただけですよね!?解決まで導いたのは先生ですよね!?

「むっ!?」

そんな僕の心情に全く気づかないチェルミー警部は、倒れているアルクインさんの姿に気がついたのかすぐさまアルクインさんに近づいた。そして近くの灰皿を掴むとそれをまじまじと眺め始める。
ちらりと血痕らしき赤が見えたからこれが凶器なんだろう。

「間違いない、これが凶器だ!」

「流石であります、警部!」

思わずがくりと崩れそうになる。
誰がどう見てもそれが凶器ですよ!

「バートン、これを指紋検査に…」
「あの、多分無駄だと思いますよ?」

警部がバートンさんに灰皿を渡したが、ナナさんがそれを止めた。…何かナナさん顔が青白い。

「手袋つけてるだろうし…」

「ならすぐに持ち物検査だ!」

「いやぁ、持ってても不思議じゃないっていうか…ほとんどの人、手袋付けてますよ?」

まあ、それもそうだろう。何せ今日はパーティー、ドレスやタキシードの人でいっぱいだ。しかも、そのほとんどの人がお洒落として手袋を付けている。
うん、やっぱりナナさん目だけはいい。観察力があるな。

「ん!?そうだ!
被害者は殴られた直後、名前を言っていたな?」

そうだ!そういえばダヴィさんの…!
ということは、ダヴィさんが?

「ダヴィ、ここにダヴィという名の人物は」
「あ、ダヴィは僕です」

素直に名乗り上げたダヴィさん。すると、警部はダヴィさんを取り押さえた。

「よし、事件解決だ!」

「ええ!?」

「なんだ?被害者から直接指名されたじゃないか」

ああ、ムチャクチャだ。
でも、アルクインさんがダヴィさんの名前を言っていたのは事実だし、やっぱりダヴィさんが?

ううん、と首を捻るが何も思い浮かばない。

「違います」

ダヴィさんの後ろにいたアリサさんがそう言うと、警部はダヴィさんを離してアリサさんに尋ねた。

「何がだね?」

「ダヴィさんじゃないです、犯人」

そう言ってアリサさんは手探りでダヴィさんを見つけると、ダヴィさんの右手を左手で優しく包み込んだ。

「私とダヴィさん、ずっと手を繋いでましたの」

こうやって、と繋いだ手を見せるアリサさん。
ああ、ずっとそうしていたからなあ。やっぱりダヴィさんは犯人ではないか。

「ね?ダヴィさん?」

「あ、ああ、そうだったね」

「む、君たちの関係は?」

「夫婦です」

「怪しいな!庇っている可能性がある!」

しかし、と言葉を止めるチェルミー警部。それから一人でぶつぶつと何かを呟くとこう豪語した。

「一人ずつ事情聴取だ!」

警部はすくっと立ち上がるとバートンさんを連れてどこかに行ってしまう。多分、事情聴取の部屋を借りにだ。
この中の一人一人を事情聴取って、多分気が遠くなる作業だと思うな…。

2012-05-22 08:05:19


たかなし

Dropsさん>
う、嘘ですって…!ドンガラガッシャン←
いえいえ、私は嘘なんて一つも…あ、でも実は文才、煮物にしたことないんです、佃煮ならしたことがあry

もうなんかムチャクチャですが、宜しくしてくださると嬉しいです…!

2012-05-22 08:15:09


たかなし

それから暫しの時が流れ、アルクインさんは病院へと搬送された。
そしてチェルミー警部が終わるか分からない事情聴取をしている間に事件を解決してしまおうということになった。まあ、チェルミー警部がいたら邪魔されてしまうから当然か。

「あの、レイトン…さん」

弱々しい声を出したのはナナさんだ。まだ青白い顔をしていて、くいくいと先生の服の裾を引っ張っている。

「どうしたんだい?」

「私、見たんです」

「?何を?」

「犯人…」

「え、ええ!?」

いきなり事件解決の予感!?
というか、何故ナナさんはあの暗闇で犯人を?ああ、分からない!

先生も驚いているようだ。

「犯人って…誰ですか!?」

「………ぃ」

「え?」

「ゆう、れい…お化けだよ、人魂!」

「はあ!?」

急に身を乗り出して先生に詰め寄るナナさん。それには先生もたじたじだ。
でも、そんなのお構いなしにナナさんは続ける。

「こう…青白くてもやっとした何かがひゅって…!遠くのほうだったけど、間違いないです!
何せ私の視力は2.5ですから!」

レイトンさんもそう思いますよね!?とさらに詰め寄るナナさんを先生は落ち着かせようと肩に手を置く。ナナさんはまだまだ興奮し続けているようだ。

「夢じゃないですか?ほら、暗かったし」

「暗いとすぐ寝るってか!?人を子供みたいに言うな!」

ナナさんにキッと睨みつけられた。でも僕にはそうとしか…。

「レイトンさんは信じてくれますよね、ね?」

「ううん、まだ調べてからじゃないと…」

「先生、ナナさんの妄想に付き合う必要はないですよ」

「妄想じゃない!」

ぎゃあぎゃあ騒ぐナナさんの幽霊騒動は後にし、僕たちは調査を開始することにした。
本当なのに…なんてしょんぼり肩を落としているが、ま、まままさかそんな非科学的な、ね!

2012-05-22 12:14:26


チョコ

チェルミー警部…、相変わらず強引なおっさんだな(笑)
ナナちゃん…、あんたは何を見ちゃってるんだ(゜∀゜)
でも霊はいると思うなうちは。身近にそういう子がいたから尚更…(・ω・)
更新頑張ってねーヽ(^o^)丿

2012-05-22 16:59:40


たかなし

チョコさん>
警部は忠実に再現した……つもりです。
あの我が儘で強引なところ、私嫌いにはなれないな。

あ、私の友人にも霊感ある子いるみたい。あと、私も少しだけ霊感あるって言われました。
うーん、前に足を掴まれたし、そうなのかな?

とりあえず、七恵が見たものが霊なのかは、まだお楽しみってことで!え、楽しみじゃない?

ありがとう、更新頑張りまーす。

2012-05-22 20:54:34


たかなし

ダヴィ・アルクイン、アリサ・アルクインの証言

「まさか父さんが……え?誰かに恨まれていたか?
……僕は心当たりはないですね。
別に金に欲もなかったし、使用人に対しても傲慢な態度を見せませんでしたし、慕われてたように見えたけどなぁ。
…アリサはどう思う?」

「私も特には…お父様はこんな私にもとても優しく接してくれましたし…本当の娘のように扱ってくれましたの」

どうやら大らかないい人だったらしい。二人とも本当に悲しそうな顔をしている。
アルクインさん、助かるといいな…。

「では、急に電気が消えた件に心当たりは?」

先生がそう聞くとダヴィさんはあっけらかんと答えた。

「あ、あれですか?あれは僕がやったんですよ」

「そうですか………え!?」

若干流しそうになったが、これは重要なことだ。ちゃんと聞いておこう。

「何か理由が?」

「ええ、父にサプライズをしようとしてたんですよ。
電気を消している間にプレゼントを父さんの前に用意するんです。
ほら、僕が父さんを見つけた後、手を上げたじゃないですか。あれは近くのメイドへの知らせなんですよ。
それからメイドがブレーカーを落として、プレゼントを運ぼうと…」

「でも、なかったじゃないですか」

「予行練習でもしておけばよかったですね…」

「ダヴィさんったら上手くいくって聞かないから…」

僕の言葉が心に刺さったのか、ダヴィさんは酷く落ち込んでしまったようだ。どうやら暗すぎてプレゼントを運ぶことは難しかったらしい。
まあ、そうだよね。

「もう一つだけいいですか!?」

続いてナナさんがはいはいと手を上げる。何かいやな予感が…デジャヴ?

「あの停電の中で人魂を見たんですが、心当たりないですか?」

「ひ、人魂…?いえ、特には…」

「青白い光なんですけど…」

「青白…………あ、」

ダヴィさんが何かに気づいたようだ。
ナナさんがダヴィさんに詰め寄るが、ダヴィさんは何でもないとの一点張りで目を合わせようともしない。

「そういうのは僕の弟に聞くといいですよ、オカルトマニアでしてね」

「弟さんがいるんですか?」

「ええ。マティって云うんですけど…気をつけてくださいね?」

マティさんか、どんな人なんだろう。なんだかダヴィさん、苦い顔をしてるけど、マティさんってそんなに難しい人なんだろうか?
……怖い人だったら嫌だなあ。

「と、いうか!人魂の話は後でってことになったじゃないですか!」

「い、いいじゃない!どうせダヴィさんの弟さんにも話を聞くことになるだろうし、一石二鳥一石二鳥!」

ああ、強引な人だなあ。





**
ちょっと余談。
この話終わったら、クラウス出そうか迷ってます。
とりあえず、この話を時間旅行から一年後にして、クラウスは執行猶予をつけての釈放にしてあげようかって…。
でも、クラウスがやらかした事件は懲役三年どころの罪じゃないですよね…。あれで死人ゼロは考えられな…げふんげふん。
まあ、そこはレイトンマジックで死人なしってことで、同情の余地があるのと精神問題で懲役三年に収めてもらうことにしよう、そうしよう。
仮出獄にしても刑期の三分の一は牢屋にいなくちゃいけないし、一年後の話なら結局は懲役三年ってことになるし、同じだから執行猶予にしてあげよう。
というか、これは日本の基準だから、イギリス関係ないよね!
私イギリスに死刑制度がないってこと以外法律知らないし、関係ないぜ!

あ、長くなりましたね、すみません。
多分ぐだぐだすぎて、説明下手すぎて私以外分からない。
そして間違った知識かもしれません。

2012-05-22 21:10:27


たかなし

七恵描いてみた。しかし、絵心はないです。

トンチンカンなナゾを出して、
「彼女は金づちなの」
って説明してるとこ?とりあえず、見にくい、醜い。

2012-05-22 21:48:30


チョコ

ダヴィとアリサ…、リア充だな(*゜▽゜)ノええのう。
ナナちゃんのその勇気をある意味見習いたい(笑)
あー、クラウスかぁ。確かにクラウスの罪は確実に重いよね。でもそれだと都合が悪いから、レイトンパワーでみたいなね(笑)
うちも法律はよく知らないけど、まぁ大丈夫でしょ(o゜▽゜)o
おっ、ナナちゃんイラスト!可愛らしい(^^*)

2012-05-23 19:59:58


たかなし

チョコさん>
そうだね、ダヴィとアリサ、始終一緒にいる気がする…、末永く爆発しry
まあ、無駄に勇気はあるね、七恵。度胸はないけど(笑)
この事件でずっとレイトンに付きまとうよ!

もうレイトンパワーしかないよね!
きっと、法律に、詳しい人、は、いないと、信じて、い、る…!

ありがとう〜。
凄い雑になっちゃって貼ったのに後悔してたんだよ…。
七恵は一応、こんな感じをイメージしてます。

2012-05-24 09:53:27


たかなし

マティ・アルクインの証言

ダヴィさんの弟、マティさんは自室でゆったりと本を読んでいた。自分の父親があんなことになったというのに呑気な人だ。
マティさんはタキシード姿のダヴィさんとは違ってラフな動きやすい格好。ダヴィさんと同じダークブラウンの髪、ダヴィさんと同じぐらいの髪の長さだが、何故か花柄のピン留めを付けている。
弟、だよね?


「はじめまして、マティさん。
私はエルシャール・レイトンと云う者です」

「ん?はじめまして。
で、俺に何か?」

「お父様についてなんですが…何か心当たりはありませんか?」

「……ああー、父さん?
心当たりって言われてもなぁ…人当たりはよかったんだ、あいつ。
………あ、心当たり、か」

遠くを眺めるように思考を捻らせていたが、急にぽんと手を叩くマティさん。心当たりが見つかったのかもしれない。
そのことを尋ねればマティさんは悪戯っぽく笑って答えた。

「メイドなら何か知ってるかもな」

「メイド…、しかし、使用人の方は沢山いますよね?」

「一番キャラの濃いメイドが一人いるんだよ。ま、電波さんってやつかな」

面白いことが聞けるかもよ?とマティさんはニヤニヤと笑う。なんか、裏がありそうな笑い方…。
また人捜しかあ、とぼんやり考えていたらナナさんが再び挙手をした。
ああ、また…。

「ここって幽霊とか出ますかね?」

「ああ、出るけど?」

さらりと返したマティさんにナナさんがえぇえぇえぇぇ!?と大声を出した。ちなみに僕も声は出ないものの驚いている。

「な、なななな」

「俺、霊感あるからさ」

「れ、れれれれ」

「この世に生を受けて初めて心霊現象に出会ったのは、確か小学生の頃だ。俺は自分の部屋で寛いでいたが、何か視線を感じる。ふと、視線の先を見たら壁に小さな穴があったんだ」

「い、いいうえいいですよ、話さなくても!」

ナナさんが先生にしがみついて抗議をするが、マティさんは全く聞き入れる気がないようだ。
ニヤニヤとナナさんの様子を観察しながら続きをつらつらと言っていく。

「誰かいるのかと覗き込むが真っ暗で何も見えなかった。だから、俺は壁に向かって言ったんだ、『誰かいる?』って。
そのあと壁に耳を澄ましたが声は聞こえない。その代わりにノックが一回、聞こえた。
俺は分かった、相手は話すことが出来ないのだと。だから、相手に条件を与えた。
自分のする質問にはいならノックを一回、いいえならノックを二回しろとな。するとノックが一回、聞こえた。承諾のはいだ。
俺は性別を聞いた。とりあえず男なのかと尋ねれば、相手はいきなり静まり返る。そして数秒沈黙が続いた後、控えめに三回ノックが聞こえた。あれ?って思ったね。
そして複数いるのかと尋ねればノックが一回、聞こえた。
俺は小さかったこともあって好奇心旺盛だ。そこで引っ込めばいいものをさらに言ったんだ。
『中にいる人数をノックの数で示せ』ってな」

「そ、それから…?」

き、緊張してきてしまった。ナナさんもごくりと唾を呑む。しかし、抗議の声は止んだみたいだ。怖いもの見たさってやつかもしれない。

マティさんは僕たちの反応に感情のない瞳で俯くと、口を開いた。

「ドン……ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンッ…!!!」

「ひやああああ!?」

先生にしがみついていたナナさんが奇声を上げる。その時に無意識に力を入れたのか先生が微かに呻いたのが分かった。実は僕も声にならないほど恐怖している。
一方、マティさんはというと、ケラケラとお腹を押さえて爆笑していた。
ああ、ダヴィさんの忠告はこのこと………先に言ってほしかった……。


「あ、あああの、じゃあああ、人魂、は…!」

「人魂?」

「真っ暗、なった、とき」

「あ、あの停電?あれは吃驚したよな」

首を傾けたマティさんにナナさんは何度も何度も頷く。

「人魂な、ないこともないけど、俺は見てねえ」

「え?だって、吃驚…」

「急にブレーカー落ちたら驚くだろ?しかも、今まで家で停電とか起きたことないし」

「え、じゃあ、人魂は……」

「分かんないってこと」

そんなあ…、とナナさんが嘆く。霊だったと言えば叫ぶし夢だったと言えば叫ぶし。めんどくさい人だ。

「収穫なしですね…」

はあ、とため息を吐くと、先生が横から僕に言った。

「いや、案外そうでもないよ」

「え!?」

「さあ、次はマティさんの言っていたメイドさんに話を聞こうか?」

ナナさんを腰に張り付けたままマティさんの部屋を後にする先生。ナナさんは怯えすぎじゃないかな?

多分さっきの意味を聞いてもまだ教えてくれないんだろうな、と若干諦めを感じた僕でした。

2012-05-24 10:03:47


たかなし

廊下ですれ違った少年の証言

「ナナさん、何時まで先生にしがみついてるつもりですか?」

「それは勿論人魂の正体が分かるまでさ!このままじゃ寝れない!」

時刻は午後8時を回る。そろそろ切り上げの時間も近いかもしれない。今日はこの屋敷に泊まることになっていたが、大丈夫だろうかと不安になる。
とりあえず、メイドさんを探さなくちゃいけないのだが、何せ人がいない。まだ会場に残っているのだろうか?

一旦会場に引き返そうかと先生から提案が出た時、廊下の奥に人影が見えた。それをジッと見ていると分かるのが、相手が僕より幼い子供だということ。クリーム色の癖のついた髪。少し眼鏡をかけたその姿は女の子みたいだが、どうやら男の子のようだ。
可愛い顔をしてる……って言ったら自分もだろって指摘されそうだけど、可愛い。

少年は僕たちに気づくと駆け足で近づいてきた。そしてナナさんの目の前でピタリと立ち止まると、にこりと微笑む。

「やっと見つけた!」

「え?」

「これ、返そうと思って!」

こてんと首を傾げるナナさんに少年はあどけない笑みを浮かべたまま背中に背負ったリュックを下ろす。整頓されていないリュックの中身をごそごそと漁り、中から茶色の財布を取り出した。それを見たナナさんが「ああっ!」と声を上げた。

「これ、私の!」

「あ、例のスられた?」

「うん。少年、ありがとう!」

あれ、スられたのに何でこの子が持ってるんだろう?
その疑問に答えるかのように少年は元気に言った。

「ううん、お礼を言われるようなことしてないよ!
だって盗ったのも僕だもん!」

ここに入れたのもお姉さんの招待状のお陰だよ!と少年は笑う。
爆弾発言だったと思う。ここにいる誰もが皆、動きを静止させた。

そして、暫くの沈黙の後、ナナさんが動いた。

「何でこんなことしたのかなぁ?」

「い、いたたたたっ!痛いよ、お姉さん!」

少年のコメカミに拳をグリグリと押し当てるナナさん。言葉は優しいが行動は厳しい。
少年は涙目で叫ぶ。

「も、もー!お姉さんには教えてあげない!」

「はあ?餓鬼に教えてもらうことはないよ」

「人魂!犯人!教えてあげない!」

「は…」

またもや爆弾発言だ。
少年の言葉にナナさんの手が止まる。それをチャンスだと思ったのか少年はナナさんから距離をとった。
今の言葉を聞かされちゃあ流石に話に入るしかない。

「君、犯人って…」

「あの人を殴った犯人」

そのまま少年はスッと目を細める。何だか、雰囲気がガラリと変わったような。

「不思議だよね、人間って…心の中を覗かなきゃ、考えてること全然分かんない。一見穏やかな人こそ、闇に埋もれたりしてるんだよ」

「それは、どういう?」

先生が少年に尋ねると少年はまたあどけない笑みを浮かべた。
やはり、雰囲気が違う。

「やだよ!お姉さんにだけは教えてあげようと思ってたけど、やっぱり教えてあげない!」

少年は此方に向けて軽く舌を出して廊下を走る。
そして声がギリギリ聞こえる距離まで離れると、くるりと向き直った。

「七恵お姉さん!レイトン先生!ルーク!」

「は?」

「ん?」

「え?」

少年はそれぞれの名前を呼ぶと大きく手を振る。
おかしい。僕たちは名乗っていないはずなのに…。

「僕の名前はトオゲツ!覚えてて!!
じゃあ、また、ね?」

再び廊下を走るトオゲツを僕たちはただ呆然と見つめるしかない。
一体、彼は……。

「というか、僕だけ呼び捨て!」

「ちっちゃい子同士だからいいじゃない」

「よくないです!」

だって、僕のほうが年上だもの!

「もっと詳しい話を聞きたかったのだが…」

「不思議な子でしたね、トオゲツか…変わった名前」

トオゲツ…、何故か、何故かまた出会う気がした。
これは僕のただの勘。




あと二人ほど登場人物兼犯人候補いるから!

2012-05-24 14:24:03


たかなし

アルクイン家のメイドの証言

トオゲツが走り去った廊下の先、大空が描かれた絵画の前で箒に跨がる女性を見つけた。
ひらひらとスカートを翻して何かを唱える女性は、格好から推理するとこの屋敷のメイドだろう。
そして、その不可解な行為から推理すると…。

「絶対あの人がマティさんが言っていたメイドさんです。行動が電波過ぎる」

「不思議ですね、やっと見つけたのに全く話しかけたくない」

「失礼だよ、君たち」

「あらー、レイトン様にルーク様、それに七恵様ではないですかぁー」

僕たちが話している間に近づいてきたらしいメイドさんにぴくりと肩が揺れる。
セミロングの髪を赤い紐で結い、メイド服を軽く着こなしたメイドさん。手には先ほどの箒が握られている。
あれ、この人も僕たちの名前…。

「何で私の名前を?」

ナナさんも気になったのかメイドさんに質問する。するとメイドさんはあらあらと微笑み、答えた。

「会場に入る前に名簿に名前をお書きになられましたよねぇ?そこに私もいたんですよー」

「いや、だからって…」

「あらあらー、私、会場に入られたお客様の名前とお顔は全員覚えましたのー」

「え!?」

軽く百人は越えてましたよね!?それが本当なら驚くべき記憶力の持ち主だ。
……あんなことしてたのに。

「じゃ、じゃあ、さっきは何で箒に…?」

「うふふ、人が箒に跨がる理由は一つしかありませんよぅ」

「え?」

「お空を飛ぶために決まってるじゃないですかー、七恵様ったらお茶目さん」

「………そうデスね」

あ、凄い。あの七恵さんをここまでどん引きさせるとは…マティさんの言ってたことは正しいらしい。

先生は苦笑いを零すと本題に入る。

「あの、少々お尋ねしたいことがあるのですが…えっと、」

「ああ、私、アリスって云います。アリス・フローリー。
可愛い名前だと思いませんかあ?」

「ええ、とても素敵な名前だと思います」

「うふふ、レイトン様ったらお上手なんだからぁ」

そして機嫌のよくなったアリスさんは何でも聞いてくださいと先生に笑った。

「まあ、犯人に心当たりはって言うか犯人様は分かっているのですがー」

「えぇ!?」

犯人が分かってる!?
もう!ナナさんといいさっきのトオゲツといいアリスさんといい、一体何なんだ!

「教えてください!」

「やあですよぅ。私、謎解きとか興味ないんですー」

「いや、興味とか関係なく…!」

じゃあ、何故発言したんだ!

「……では、質問させてもらいます。
ナナが見たらしいのですが、青白く光る人魂に心当たりは?」

「せ、先生!?」

「青白く光る……あ、ああ!
あらぁ、七恵様も見たんですかー」

「もってことは…」

「私も見ましたのー」

ま、まさかの、人魂の目撃者!?先生も一体何を考えて…。

「私、ダヴィ様にブレーカーを落としてくるように命令されましたの。でも、その時会場の真ん中にいたものですから時間がかかると思って、私走るの苦手ですし…。だから後輩に頼んでそのまま会場にいました。
その時の位置が丁度旦那様の正面でして。ブレーカーが落ちた、うーん…旦那様が襲われる直前に旦那様の背後に青白い光を見ました。一瞬だけですけどね」

「ま、まさか本当に…」

ちらりとナナさんを覗き見る。が、ナナさんな何か腑に落ちない顔をしていた。

「どうしたんです?」

「……いや、私が見たのは会場の真ん中じゃなくて、もっと奥だったと思う」

「?じゃあ、アリスさんが見たのはナナさんが見た後に移動した人魂ってことに…」

「いや、時間的には同じなんだ。私もアルクインさんが襲われる直前に見たから」

「七恵様は勘違いをしていらっしゃるんですよぅ」

アリスさんがくすくすと笑う。勘違いって…やっぱり夢だったとか?

「確かに、あの会場に青白く光るモノは二つありましたの。でも、私たちが見た光は同じモノ。
七恵様はある『思い込み』によってあの光が遠くにあるものだと『勘違い』していらっしゃるんです」

「思い込み?勘違い?一体何ですか?」

「それは後々レイトン様が教えてくれますよー」

ね、レイトン様?と可愛らしく首を傾げるアリスさん。先生は真剣な表情をしていた。

「それにしても、凄いですね。アリスさんって」

「うふふ、マティ様にも褒められますの。お前はアホだけど頭だけはいいなって」

「それ、違うと思います」

「レイトンさんも頑張らないと!先を越されてしまいました!」

「うふふ、それは違いますのよ。
レイトン様は鍵をまだ持っていないだけですの。私は最初から鍵の正体を知っていただけでして」

くすくすと笑うアリスさんは鍵について聞いてもきっと教えてはくれないだろう。
もう、皆個性が強すぎます!

「レイトン様、一つだけ教えてさしあげます。犯行が可能な方を」

「犯人候補、ですか」

「ええ、まずこの屋敷の人間でしかありえません。この犯行が突発的なものだとは思えませんから。
それを踏まえると絞ると三人になりまして、その中の一人だけ教えて差し上げます」

「…ふむ、その一人はあなた、ですよね?」

「!!」

アリスさんが初めて笑顔以外の表情を見せた。これは焦りか、驚きか、僕には分からないけど。

「え、ええ、そうですの。私はブレーカーが落ちる寸前に旦那様を見てましたし、旦那様の位置を把握してました。私にも犯行は可能です。
何だ、教える必要はなかったみたいですね」

「ええ、ご協力感謝します」

はいー、とぺこりと頭を下げるアリスさん。そして顔を上げたとき、ちらりと目が合った。


「……昔、全然流行らない小さな宝石商があったとします。それが大きな宝石商の存在で潰されたら、小さな宝石商の娘は大きな宝石商の社長を恨むと思いますか?」

「…さあ、どうですかね」

「もし、その娘が成長して、社長の下で働いているとしたら、その娘は何を考えて生活をしてると思います?」

「………」

「あ。あらぁ、あんなところにゴミが落ちてますのー。
それでは、レイトン様。私はこれで」

足早に立ち去っていくアリスさん。
多分、マティさんの心当たりはこのことだったようだ。



「どう、思いますか?」

「あれは、もしもの話だよ」

「でも、あの話が本当なら…」

アリスさん、何を考えて今まで生きてきたんだろう。

恨み?妬み?憎しみ?

あの笑顔の裏では相当、苦しんできたのかもしれない。




少し長くなった…。
皆さんは犯行が可能な人物、分かりましたでしょうか?
一人は一応ちらっと登場しましたが…。

ああ、中身が薄いので何かもう…←

2012-05-24 17:10:57


チョコ

な、なんか妙なのが2人でてきたーーーーヽ(゜Д゜)ノ
2人共犯人知ってるのか…?
どっちかと言えばアリスの方がおかしい気がする…(-- )
気がするだけかもしれない(笑)

2012-05-24 20:04:35


たかなし

チョコさん>
個性が大切かと思って、てへぺろ←

ふふふ、一番怪しい奴に限って実は言うと全く関係ないといry
一応皆怪しいようにはしてたりするんですけどね、一応。
でも、アリスさんは犯行が可能で動機もあるだけだから!(十分怪しい)

2012-05-24 21:55:20


たかなし

「先生、次はどこに行くんですか?」

「ふふ。勿論、もう一人の犯行可能な人物のところさ」

「犯行可能な人物!?先生は既に分かっているんですか!?」

「犯行が『可能』な人物はね」

「それは一体!」

「よく思い出してごらん?
アリスさんには犯行が可能だった。それは何故か?被害者の場所を特定できたからだ。
そうすると、もう一人アルクイン氏の近くにいた人物がいるよね?その人物にも犯行は十分可能だったはずだ。
何せ、隣にいたんだからね」

「隣…」

引っ込みそうだった記憶を引っ張り出す。
ダヴィさんがアルクインさんを見つけたとき、アルクインさんは話に夢中で此方には全く気づかなかった。じゃあ、誰と話していたか。

「……あ、もう一人使用人さんがいました!」

「そうだね。
たまたまアルクイン氏がダヴィさんの名を呼んでいたから直視はされなかったが、論理的に言えば、彼が一番犯行をしやすい位置にいた」

「じゃあ、犯人は…」

「ふふ、ルーク。
客観的にだけでは捕らえられないこともあるんだよ。
とりあえず、彼の下に向かうとしよう」





登場人物後一人!
そしたらぐわって終わる、はず。ぐわって。

2012-05-24 22:03:41


たかなし

アルクイン家の執事の証言

「おや、これはこれはレイトン様ではありませんか。
先程はお見苦しい姿を見せてしまい、申し訳ありません」

屋敷の中庭、そこで物思いに耽る使用人さんを発見し、僕たちも中庭に踏み込んだ。
確かにアルクインさんと話していた男性だ。青っぽい黒髪を風に靡かせている。
すると、先生の姿に気づいた使用人さんのこの言葉。恐らく、アルクインさんが襲われた後のことを言っているのだろう。とても慌てていたからなあ。

「執事さんまで何でレイトンさんの名前を?」

「旦那様からよく聞かされましたもので…。
おっと、申し遅れました。わたくしはクリフ・エルフォードと申します」

優雅に一礼するクリフさん。仕草の一つ一つにも丁寧さ含まれており、流石、としか言いようがない。

「では、クリフさん。
アルクイン氏の様態は…」

「…死を招くような危険な状態ではないようでございます。
しかし、意識のほうがお戻りにならないのです」

「そうですか…」

でも、死に至るような傷ではないようで安心した。

クリフさんは一瞬悲しげな表情をした後、すぐに真面目な表情で先生に目を向ける。

「それよりもレイトン様。レイトン様はわたくしにそのような話をされに来たのではないでしょう?」

「…そうですね、少々伺いたいことがあります」

「そうでございましょうね。レイトン様はわたくしを疑っているのでしょうから」

「…すみません」

「気にしないでください。まあ、無理もございませんしね。一番犯行を行いやすいのはわたくしなのですから。
ですが、わたくしではございませんよ」

犯人は皆そう言うんじゃないかな、なんて思ったのは僕だけの秘密だ。
しかし、クリフさんはそれに気がついたのか、再び口を開く。

「わたくしには旦那様を殺害する理由がないのです。
わたくしは旦那様に抱えきれないほどのご恩があるのですから」

「恩…ですか」




長くなるので一旦切ります

2012-05-27 12:26:37


たかなし

アリサさん描いてみた。
ちょっとぽんやりしてる。

2012-05-27 20:40:35


Drops

更新がとても早いのにおもしろい小説を書くなんてすごいです!!
絵も上手で尊敬しちゃいますよ~

自分なんて絵下手くそ(最低)、
文才ない(ないどころかタイトルすら浮かばない)
ですよ。

更新頑張ってください~

2012-05-31 20:53:13


たかなし

「とても大きな罪………だから、わたくしが旦那様に手をかけることはないのです。
罪を、一人で背負って生きていくのはとても酷ですから…」

そう言って俯いてしまったクリフさんはとても苦しそうな表情をしていた。
僕は慌てて話題を変える。もう恒例としか言いようのない心当たりのある人物だ。
クリフさんは暫し顎に手を当て考え込んだ後、恐る恐る口を開いた。

「心当たり…ではないのですが、わたくしはダヴィ様ではないかと思っているのです」

「ダヴィさん、ですか?」

「それはアルクイン氏が名指ししたからですか?」

「語弊がありますが、簡単に言えば、そうです」

「語弊?」

「わたくしはただ単に旦那様がそうおっしゃったから言っているわけではありません。
あの暗闇でおっしゃったからそう考えたのです」

「??」

結局は同じ意味じゃないかな?と首を傾げる。ナナさんも隣で頭を押さえていた。どうやら混乱したようだ。

「あの暗闇では何も見えなかった。それなのにアルクイン氏は自分を襲った人物がダヴィさんだと分かった。即ち、アルクイン氏はあの時、暗闇にも関わらずその人物がダヴィさんだと分かる何かを見た…または聞いたのではないか。そういうことですね?」

「流石はレイトン様。その通りでございます。
あの急な停電ではわたくしも犯人はおろか、旦那様でさえも見失ってしまいましたから」

「急な、停電…ですか」

ぴくりと瞼の揺れた先生を見上げる。この顔は何かを閃いた顔だ。
まあ、何かは分からないのだけど。

「それが何か?」

「いえ、ご協力感謝します」

それでは、と軽く会釈をして中庭から立ち去る。すると、ナナさんが難しそうな顔をしていることに気づいた。

「ナナさん?」

「二人だけの重い罪を背負っている、なら」

「?」

「一人になれば、誰にも知られない…よね?」

「え?」

「もしも、その罪を知っている誰かがいないとして、その罪がクリフさんとアルクインさんだけ知っているものだとしたら、………いや、なんでもない」

苦虫を噛んだような顔をしたナナさんは途中で言葉を濁す、が、僕はナナさんの言いたいことが分かってしまった。
言わば口封じ、というやつだ。

「クリフさんはアルクインさんに多大の恩があるって言ってませんでした?」

「そう、なんだけどね」

「ナナさんって性格悪いですね」

「よく言われる」

2012-06-10 12:34:23


たかなし

Dropsさん>
最近リアルのほうが忙しくて更新できませんでした!すみません。

面白い、ですかね?照れます、てれてれ。
でも私、文才も絵心もなくてダメダメですよ。

これからあまり更新できなくなるかもしれませんが、気長に待っててくれると嬉しいです^^

2012-06-10 12:39:25


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