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レイアとクラウスの最後の願い Ⅱ

茜星

こんにちは、茜星です。
この話はタイトルの通り「レイアとクラウスの最後の願い」の続きです。
400レスぐらい行ってからⅡを立てた方がいいのかもしれないと思ったのですが、ちょうどきりがよかったのでこうしました。

この話は、私の2作目〜4作目からつながる四部作となっています。でもどの話から読み始めても大丈夫のように書いていますので大丈夫です。

読んでくださるだけで嬉しいのですが、コメントもどしどし書いてくださると嬉しいです!やる気になります。
待ってます!

2011-07-28 14:56:55


茜星

Shinshiaさん、コメントありがとうございます!

>Shinshiaさん
大丈夫ですよ!私も忙しいので全然来られてません。

もうすぐクライマックスの予定です!お楽しみに。

2012-02-03 21:15:34


茜星

2日更新できなくてすいませんでした…更新。
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「もう一度言う。ロスト、銃を下ろしてくれないか?」

クラウスが言った。

その言葉を聞いて、私は覚悟した。



終わったな、復讐も。




結局私は、何がしたかったんだろう。




私は、手を開いた。

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2012-02-03 21:28:27


茜星

では更新。
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誰も口を開かない中で、銃は静かに落ちた。



乾いた音がした。



「終わったんだな、何もかも」

私はつぶやいた。

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2012-02-05 06:18:09


茜星

更新がめちゃくちゃ止まってました・・・
すいません!
では更新。
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<第二十三章 終幕>
~レイア~

事件は終わった。

何もかも、終わったんだ。


美しい左右対称だった街は崩れ、時計台は沈み、街の人もちりぢりになってはしまったけれど。

「ロストを、どうするんですか」

アロマが先生に訊いた。

クラウスさんはこちらを向いて言った。

「しかるべき罪は償わなければいけないからね」

「ロストさんは、悪くないですよ…」

ミナがぼそりと言った。

「いや。私は間違えていたんだな。ただ、この世界が変わることを願っていただけなのに、こんなことをしてしまって」

ロストさんは続けた。

「私は、いやミナは、こんなことを願ってはいなかっただろうな」

あたし達は何も言えないでいた。


あたしは考え込んでしまった。


あたしの願いって、なんだろう。

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2012-02-15 19:07:44


茜星

前のレスでちょうど280レスでしたね。
だからといって何もないのですが。

では更新。
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頭の中に、あたしの家族が浮かぶ。

何かがおかしくなりかけていた村を、先生が救ってくれたことも。


あたしは、あたしの村みたいな所を救うために、救えるようになるために、村を出た。

先生の助手となったんだ。


「あたしの願いは…」



始めから、決まっていた。

村を出た時から。




あたしの村のような村を、救う。それがあたしの願いであり、夢なんだ。

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2012-02-17 18:35:28


茜星

では更新。
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「これから、どうなるんですか」

ルークが先生に聞いた。

先生は少し帽子をつまんで言った。

「すべて、終わったんだよ…すべてね」

ゆっくりと、街に響き渡るように、言う。

その言葉は、この事件の終幕を告げた。


ミナが街を見つめ、つぶやいた。

「これから…ここはどうなるの?」
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2012-02-18 10:49:14


チョコ

終わった~…今回も一件落着ですね。
レイア、これからどーするんでしょう…?
更新楽しみにしてます!

2012-02-18 23:17:12


茜星

チョコさん、コメントありがとうございます!

>チョコさん
終わりましたよ~今回も一件落着(?)です。

レイアがどうするのかは…最初を読んで貰ったら明らかだと思います。だけど、そこを上手く書けるようにがんばりますね!

2012-02-19 10:11:46


茜星

よし、更新!

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あたしはミナをぼんやりと見つめた。

ミナとあたしは、少し似ている。


「それはミナ達が決めるの。これからの未来はわからない。ここは、絶対、時の狭間の街なんて事はないんだから」

アロマが答えた。

ロニーの街は、これから始まるんだ。

「そう、だね…」

ミナは納得したようだった。

これからの街は、ミナが引っ張っていくんだろう。

実質的に街をまとめていた星さんがいなくなって、ミナは、一人でやっていけるのかな?

まだ、あたしよりも小さいのに。




だんだん街の人達が帰ってくるのが見える。

ポールさんがもう大丈夫、と呼んできたみたい。

街の現状を見て、皆驚いているというか、言葉を失っている。


ポールさんは先生の車も持ってきてくれた。


鍵がないのにどうやって持ってきたのか、謎だけど。

「じゃあわしとクラウスはロストを送って行くからな。またどこかで会おう、とレイトンに言っておいてくれ。言葉もなくいなくなるのがわしじゃ」

ポールさんはルークにそう言って、いなくなった。

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2012-02-19 10:41:15


グラタン

どこかで読んだなこのフレーズ・・・・と思ったら、小説の最初のやつだったよ^^

最初への繋がり方がとても自然で驚いたよ。ラストまで応援してるよ!

2012-02-20 00:10:30


茜星

グラタン、コメントありがとう!
>グラタン
そうです!やっと最初につなげられました~。

結構つじつまあわせるのが辛かったんだ…そう言ってもらえて嬉しいです!
最後までがんばります!

2012-02-21 17:06:03


茜星

では更新。
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「じゃあそろそろ私たちは帰ろうか」

先生は車のドアを開けた。

ルークはそれを聞いて、車に向かって走って行き、いちばんに乗り込んだ。

アロマも歩き出した。



あたしは、どうしたらいいんだろう。



―――このまま帰っていいの?


そんな言葉が頭の中を巡った。

車に向かって踏み出そうと思っても、心のどこかが反発していた。



「どうしたんですか、レイアさん…」


ルークの声で、あたしの心は決まった。


「あたし…帰らない。ここに残る」

「え、どうしてですか!」

ルークが驚いたような声を出した。
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2012-02-21 17:17:55


茜星

では更新!
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それは、当然だろう。

これまで、あたしはそんなことを誰にも言っていなかったから。

もちろん、先生にも、ルークにも、アロマにも。

「あたし、この街を立て直す。立て直してみせる」

「どうしていきなりそんなことを」

先生が言った。

「あたし、このままじゃ帰れません!」

「別に良いんですよ。そんなことしてくれなくても」

ミナが声をかける。

あたしがミナだったら、やっぱりそういうふうに言っただろう。

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2012-02-22 14:38:11


茜星

更新。
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「あたしの生い立ち、先生とアロマは知ってると思うけど…ミナに似ているんだ」

「同情はいりませんよ」

ミナがぴしゃりと言った。

あたしはミナの方に向き直った。

「同情じゃないよ。これはあたしの夢だから」

「夢?」

ミナがきょとんとした顔をする。

「あたし、自分の村を救ってもらったの…先生に。それからずっと先生の助手やってた。何の考えもなく、自分の村を飛び出して。お世話になった人からの帰ってこいっていう手紙も無視して」

誰も話そうとしない。

あたしは続けた。

「それで、この街に来て、わかった。あたしみたいな人がいなくなるように、救いたいって言うのがあたしの夢なんじゃないかってね」

「そういうことなんだね、レイア…」

先生があたしの方を向いて言った。

「それで、この街を救いたいということなの?」

アロマが言った。

たぶん、違うな。

さっきは同情じゃないって言ったけど、ちょっとは同情が入っているのかもしれない。

「救う、なんて大仰なことはできない。ただ、ほおっておけないだけ」



ミナは少し下を向いた。

「ミナ、お願いできないかな」

数秒の間ずっと、ミナは下を向いたままだった。





「頼ってもいいんですね。途中でいなくなったり、投げ出したりしたらだめですよ」

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2012-02-23 13:32:12


茜星

更新!
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「もちろん!あたしはこの街がたてなおって、乃木星さんがいたときみたいな街に戻すまで、一緒にいるよ」

ミナはあたしに駆け寄った。

やっぱり、心細いよね。

あたしは運転席に座っている先生に向かって言った。

「先生、そういうことなので、置いていってください!」

先生はあたしの目を見て、言った。

「レイア、少しの間だったけれど、助手をしてくれてありがとう」

アロマも窓から顔を出す。

「レイア、ありがとう。ホント、楽しかった…」

「がんばってくださいね、レイアさん。ロンドンですごした日々は楽しかったです」

ルークは少し下を向いて言った。



「この街に電車が通ったら、また先生たちを招待します。何年後になるかわかりませんけど」

あたしは先生にそう、言った。

「そうか。楽しみにしてるよ」

その先生の声と一緒に、これまでの思い出があふれてくる。

あたしの村の事件、そしてすごしたロンドンでの日々。



もっと、みんなと楽しい日々を過ごしたかった。

「これまで、ありがとうございました…っ」

涙が出そうになるのを必死でこらえた。
______________________

2012-02-24 13:11:52


茜星

更新。
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車はゆっくりと発進し、門から出て行った。



車はだんだん小さくなっていって、やがて見えなくなった。




「行っちゃいましたね」

ミナがぽつりと言った。


さあ、これからどうしよう。

そう思っていたところに、誰かから声をかけられた。

「レイア」

「はい」


振り返ると、そこにはロストとクラウスさんがいた。



どうして…?
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2012-02-25 11:23:10


チョコ

おぉ、最初とつながった!
すごいなー…なんか。←?
あれ、クラウスとロスト…脱出してきた?w
気になります、楽しみにしてます!

2012-02-25 23:14:55


茜星

チョコさん、コメントありがとうございます!

>チョコさん
最初とやっとつなげられました!

続きお楽しみに〜!

2012-02-27 14:03:04


茜星

更新。
なんかクラウスのしゃべり方が変です。
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「どうしてあなたがここに」

ミナが警戒しながら言った。

「いや、そんな警戒しなくてもいいんだ。レイアにちょっと言いたいことがあって。ちょっとポールさんには待っててもらってる」

クラウスさんが言った。

あたしに?

「もし先生と一緒にロンドンに帰っちゃってたらどうするつもりだったんですか?」

そういうと、クラウスさんは少し笑った。

「確かにそうだね。でもロンドンには帰らないんじゃないかって思ってた」

いったい、クラウスさんがあたしに何の用事だろう?

正直、クラウスさんとあたしの接点はほとんどないはずなのに。

「刑務所に面会に来てくれた時、言ってなかったっけ?思い出の人がいる、みたいなこと」

「はい」

あたしはこの帽子をかぶることで、いつか遊んだ子を探していた。

その話を、あたしは刑務所でクラウスさんにした。

「あれから少し考えてみたんだ」
__________________________

2012-02-27 14:20:00


茜星

では更新。
___________________________

考えてみた?

あたしはその言葉の続きを待った。


クラウスさんはゆっくりと言った。

「僕かもしれない。あの事故の前の記憶は本当に曖昧だから、断定はできないけど」

あたしは目を見開いた。

「そ、そうなんですか?」

「そういう感じの、蒼い帽子をかぶった子を、僕は何となく覚えているんだ。違う人かもしれない」

そう、なんだ。

「それでも、いいです。いつか再会したいなっていう、願いともいえない、妄想ですから。ありがとうございました。心の整理がつきました」

これでいい。
これでいいんだ。

自分の中で美化されつつあった記憶を整理することができて、良かったじゃないか。
はじめから、恋なんかしていなかった。

そう、心に言い聞かせた。


クラウスさんは、そうか、と小さい声で言った。

「レイアが良いなら、それでもいいけど」

クラウスさんは一旦言葉を切った。

「あと最後に一つ。また、レイアに会いにきていいかな?」
__________________________

2012-02-28 19:33:21


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