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レイトン教授と罪人の晩餐

KOKUA

初めまして、KOKUAです。
初めて小説を書くので、
変になるかもしれません。
よろしくお願いします。

2011-05-08 14:04:07


KOKUA

どうも、KOKUAです。
新章スタートの更新を始めます。

-第5章- 決意の友情
「レミさん、お早う御座います。」
「お早う、ルーク。・・・あれ、教授は?」
レミは、欠けている物に直ぐ気付いた。
「先生、昨日 泣いていたんですよ。」
「えっ・・・。」
流石にレミもかなり驚いた。
しかし、ルークの方が驚いていたのだ。
「だから、少し休ませています。」
「・・・なるほどね。確かに、教授の
様子は『奇跡の仮面事件』以来 おかしいからね。
たまには、息を抜かすのも悪くないわね。
よし!ルーク、二人で調査を始めましょう。」
「はい、レミさん!」

ーーーー二人は、朝食を兼ねた結果発表の前に
ブルーマンが撃たれ死んだ地下室に向かった。
重たい鉄の扉を開けると、血の臭いが漂った。
「うぅ・・・。床が血で一杯だわね。」
「そうですね・・・。」
レミは、電灯スイッチを直ぐ入れた。
「レミさん、弾丸が遺ってます!」
「一発で殺したのね・・・。」
しかし弾丸以外に証拠が、遺っていない様子だ。
すると、ルークがある事に気付いた。
「通気口から布が垂れてませんか?」
「あら、本当だわ。」
丁度レミの身長で見る事が出来るようだ。
「ちょっと覗くわね。」
レミは通気口に近付いた。
「あっ!こ、これは・・・。」
通気口の中には、『絢爛なる伯爵』の
衣装と仮面、黒光りする拳銃があった。
勿論 どれも血に塗れている。
しかし、レミはある事で悩んでいた。
「これは重要証拠ね。・・・だけど、
警察がいないから回収は難しいわね。
カメラで、収めときましょう!」
「そうですね。」
レミは愛用しているカメラで、
証拠をきっちり収めた。
「よし、収めたわよ。」
すると、静かな部屋全体にグゥーという音が響いた。
「うぅ・・・。お腹が空きました・・・。」
「あら、もうすぐ朝食の時間よ。
ホールに行きましょう、結果発表もあるからね。」
「そうですね、レミさん。」

ーーーー「あっ!」
ホールのテーブルに、優雅に紅茶を
楽しんでいるレイトンがいた。
「やぁ、ルーク、レミ。」
「先に来ていたんですか?」
「あぁ、そろそろ大丈夫だからね。」
「そういえば、教授!
とんでもないものを見つけましたよ!」
「そうか。・・・その前に、二人共。
バイキングがあるから朝食を取りに行きなさい。
その後、話を聞こう。」
「そうですね、お腹が空いちゃいました。」
「早速行きましょう、ルーク!」

次回もお楽しみに!

2013-03-16 20:30:09


KOKUA

どうもKOKUAです。
更新を始めます。

「これは・・・。」
「『絢爛なる伯爵』の衣装と見て、
間違えないでしょう。」
写真には血塗れの衣装が、写っていた。
「拳銃もこの現場に遺されていたのか。」
「羽毛も付着しているので、間違い無く
ブルーマン氏の殺害に使われた物と見れます。」
「先生、何故『伯爵』はこの場で
衣装と仮面を剥いだのでしょうか?」
「恐らく、ホールに急いで帰って来ても
バレないようにする為だろう。」
「だけど、おかしくないですか?
ショーの最中は、誰も入らなかったと
見張りのホテル従業員が言ってましたよ。」
「!」
「先生、どうしましたか?」
「ウィッチの社員だったら可能なのではないか?」
「待ってください、教授!それだったら、
ベンソンさんや劉さんも犯行可能なのでは?」
「その可能性もあるよ、二人共。」
「これで絞れてきましたね、教授。
容疑者は、ロビン・クルーザー、
スーザン・レイチェル、劉波児、
ジョニー・ベンソンの4人になりますね。」
「レミ、確かにこの4人も容疑者に含まれるが
私はこの写真と容疑者の数が
矛盾していると思うんだ。」
「あっ!まさか消音に使った枕ですか!?」
「そう。だから容疑者は、レミが言った
4人とジャック、セットン・ロット、
ウィルソン社長の3人だ。」
「その中に、犯人がいるんですね。」
「ああ、クラリスは準備もあって犯行不可能だ。
恐らく犯罪が行われたのはショーの
開催前と考えられる。」
「そうですか・・・。」
「枕は、鍵になりましたね。」
「少しずつ分かっていくと、
とても良いんですけど・・・。」
「そうだね。おっ、そろそろ発表のようだ。」
「あ、本当ですね。」
3人共は、司会者の方を向いた。

次回もお楽しみに!

2013-03-18 22:11:30


KOKUA

どうも、KOKUAです。

訂正があります。
第5章の文面の容疑者の中に、
フランソワ・シャンソンが
ありませんでした。
あと、ユウ・ラストの正体であるレミは
事件発生の一ヶ月前にイギリスに
帰ってきたという設定にしております。
申し訳ありません。

では、次回もお楽しみに!

2013-03-29 21:07:03


KOKUA

どうもKOKUAです。
更新を始めます。

「では、結果を発表致します。
結果は、『ウィッチ』の満場一致です。」
会場は、拍手で包まれた。
それに乗じてウィルソン社長が立ち上がった。
「皆さん、有難う御座います。
これからも『ウィッチ』を宜しく御願いします。」
ウィルソン社長は、『クレオパトラ』の
常務と笑顔で握手をした。
『・・・』
シャルソンは憎しみを感じていた。

ーーーー「このパスタ、美味しいわね!」
「モチモチとしていますね、レミさん!」
ルークとレミは、美味しい料理に
和気藹々と食していた。
「皆、よく頑張ったわね。でも
明日はプレミアムショーをホテルで行うから、
気は抜かないように。」
「はい!」
「あっ!」
スーザンが使用しているフォークが、
床に落下してしまった。彼女は急いで
そのフォークを拾い、お絞りで拭き取った。
「スーザン、お前 換えればいいじゃねぇか。」
「えぇ?面倒臭いんだもん〜。」
そしてその拭き取ったフォークで、
パスタを蜷局のような形に巻き取った。
「味なんて大して変わんないからさぁ。
別にいいじゃないの、クルーザーさん?」
「ハァ・・・。大きなお世話だ。」
そしてパスタを、一口で頬張った。
「・・・!!?」
再びスーザンは、フォークを落とした。
「もう、スーザンったら!
またフォークを・・・、す、スーザン?」
クラリスは、異変に気付いた。
「・・・がはっ。」
スーザンの口から、血が垂れた。
それと同時に涙も垂れた。
「く・・・、くら・・・りす。
た、た、たす、・・・けて。ぐ、ぐはっ!!!」
溢れんばかりの血が、口から飛び出した。
「きゃあぁぁああぁあぁぁ!!!」
二度目の毒殺が執行されてしまった。
そして4人目の被害者が出てしまった。

ーーーー「おぉ、レイトンか。
やっと除雪作業が終了した。
あと、言われた事を調べたぞ。」
「そうですか、有難う御座います。
ただ先程の出来事なのですが、
スーザン・レイチェルが毒殺されました。」
「何!?」
「パスタを食べていたようです。
フォークかパスタに、毒が付着している
可能性があります。アーモンド臭が
したので、青酸カリを使用したに違いないです。」
「そうか、分かった。明日には、
私とバートン、検死官のユークリフ共々
現場に駆けつける。」
「分かりました。」
「そして調べた事を、報告しようと思う。」
「メモの準備は出来ましたので、お願い致します。」
「えっと・・・、・・・はい。
書き切りました。『まさか・・・。』」
「何か手伝う事は無いか?」
「・・・では、・・・。」
「分かった、約束通り連れて行く。」
レイトンは、電話をゆっくり切った。
『まさかと思った。でも、事実なんだ。
誤解を解くには、彼も必要だったんだ。
大半はやっと解けた、けど何故だ?』
レイトンは、苦悩した。
「先生、どうしたんですか?
昨日から少しおかしいですよ。」
「昔の事だ、ルーク。」
「先生、悩んでいるんだったら
僕にも言ってくださいよ!
一人で何を抱えているんですか!?」
ルークは、様々な思いをぶつけた。
ジャックもベンソンも、少し俯いていた。
振り向いたレイトンは、涙目だった。
「昔の事が、また振り返されるのは
とても嫌だったんだ・・・。
デスコール、ブロネフ、クレアの事も。
とても苦しかったんだ。」
「あと、あの爆発事件もな・・・。」
ジャックが口を開いた。
「そう、この事件も苦しかった・・・。」
ベンソンも重々しく口を開いた。
「あれから、いや大学生時代こそ
全てが変わってしまった・・・。
ルークが、知るべきではないんだ。」
「何でそう言うんですか!?
僕は先生の一番弟子ですよ、
悲しみも共有します!僕だって、
先生を助けたいんです!!」
「!」
レイトンは、ルークの肩を強く握った。
「ルーク・・・。」
レイトン、ジャック、ベンソンは、
肩を物凄く震わせて泣いていた。

有難う・・・。
真実に近づく勇気を得たよ。
ルーク、約束して欲しい。
どんな時も、強い絆で結ばれていよう。
はい、先生!

『エルシャール』
ジャックと、ベンソンは笑顔で泣いていた。

次章も、お楽しみに!

2013-03-29 21:24:47


KOKUA

どうも、KOKUAです。
新章スタートの更新を始めます。

-第6章- 『伯爵』の正体
夜明けの朝に、パトカーのサイレンが
空に響き渡る。やっと、チェルミー警部達が
事件現場にやって来たのだ。
「チェルミー警部、お待ちしてました。」
「ふぅ・・・、やっと除雪作業が終わったからな。
さて、早速だが現場に案内してくれないか?」
「分かりました、チェルミー警部。」

ーーーーホールには、毒殺された
スーザン・レイチェルが悍ましい表情で
横たわっていた。検死官のカルロッタ・
ユークリフは、厳戒態勢で調査をしている。
しかしユークリフの顔は、あまり良い顔では
無かった。寧ろ焦っているように見えた。
そしてゆっくりと立ち上がり、
「毒物の検査が終了致しました。」
そして、レイトン達に歩み寄った。
「検査をした所、パスタには毒物の反応は
あまり見られませんでした。寧ろ、毒物は
フォークとお絞りにベッタリと付着してました。」
「何!?」
レイトンは冷静にユークリフに対して、
「つまり、元々はお絞りに毒が仕込まれた。
それをスーザンさんは知らずに、落とした
フォークにベッタリと毒を塗っていた。
という事になりますね。」
「そういう事になりますね・・・。」
現場は、静かな空気に変わった。
レミはある疑問を呈した。
「じゃあ、どのタイミングで毒を付着
させたんですか?だって、ホールには
沢山の人達で溢れていたんですよ。」
ユークリフはレミの疑問を喰うように、
「僕もそう思います。」
レイトンは、お絞りが入っていた袋と
目が合った。よく見ると、針で開けたような
小さな穴が見受けられた。
「チェルミー警部、ユークリフ検死官、
テーブルを見て下さい。袋に何か穴がありますよ。」
「ん?・・・あっ、本当だ。小さな穴があるぞ。」
「!先生、もしかして・・・!?」
「ルーク、気付いたかい?これが
犯人が遺した決定的な証拠になるかもよ。」
「本当ですか、先生!?」
レミも続け様に言って来た。
レイトンは、まるで確信に至ったような
顔立ちになっていた。
「まだ確信には至ってはいないけど。」
少し裏切られた気分になった。
「えっ?レイトンさん、もしや少しずつ
犯人像が見て来たでありますか?」
初めてバートンが口を開いた。
「バートン!俺が言おうとした事を、
言うんじゃないよ!!」
チェルミーは、バートンに突っ込んだ。
「決定的な証拠もあるんです、しかし
まだ確信に至れない事が解決してないんです。」
「それって、何なんだ?」
「トッド社長の毒殺は本当に失敗なのか、
エリックの殺害したのは誰なのか、
はたまた遺体を捨てたのは誰なのか・・・。
それさえ解決すれば、全てが見える筈です。」
「・・・レイトン、エリックの遺体が
入っていたバックに微かにだが、
クラリス・ジンジャーの指紋があったのだ・・・。
花瓶については、正当防衛にはなるが・・・。
・・・すまないが、クラリス・ジンジャーには
死体遺棄の容疑で取り調べるぞ。」
「・・・え?」
レイトンの瞳には、闇しか写らなかった。

ーーーークラリスは、廊下を歩いていた。
後ろにナイフを持ったシャルソンが
忍び寄っていた事も知らずに・・・。

次回もお楽しみに!

2013-07-17 10:01:48


KOKUA

どうも、KOKUAです。
更新を始めます。

シャルソンはどう宥められようとも、
「ウィッチ」に対する殺意は止まなかった。
狂気に歪んだ瞳は、獲物を確実に捉えていた。
そして勢いよく飛び出したシャルソンは、
クラリスに気付かれてもナイフを向けた。
「きゃあ!!」
クラリスは急いで避けたものの、
腕を少しだけ切り裂かれた。
「痛っ!・・・あ、あなたは!」
「やっぱり憎い!どうしてもアンタ達が憎い!
だからアンタに刃を向けているのよ!!
報いを受けるのは、「ウィッチ」よ!!」
再びナイフをクラリスに向けたが、
ジャックが見事な手捌きでナイフを落とし
顔に怒りの鉄拳を喰らわした。
殴られたシャルソンの鼻からは、血が吹き出ていた。
「何していやがる!そんな事をしても、
アンタの所のお偉いさんは還って来ねぇぞ!!
分かったか!?」
「うぐっ・・・。」
シャルソンの瞳は、再び狂気に歪んだ。
ジャックも、狂気に歪んだ瞳になっていた。
それと引き換えに、クラリスの腕からは
血が滲み出してきた。
騒ぎを聞いたルーク達は、急いで廊下に向かった。
「クラリスさん!大丈夫ですか?」
「What was there?(何があったのですか?)」
劉は英語で疑問を呈した。
クラリスはとりあえず、血を抑えて
状況を説明した。

ーーーー「そんな事があったんですか?」
ルークは、顔から冷や汗が吹き出た。
チェルミーは冷静に、
「ジャックさんは暴行行為となります。
しかし、シャルソンさんは立派かつ明確な
殺意があったと判断できますね。
よって、シャルソンさんは殺人未遂となります。」
「・・・すみません、つい・・・。」
ジャックは相当落ち込んだ口調で言ったが、
次の言葉はさらにジャックを陥れた。
「まぁ、後でジャックさんは罰金を払って
頂きます。そしてシャルソンさんは殺人未遂で、
クラリスさんは死体遺棄で署に連行します。」
「・・・は?」
レイトンも、全く同じ気持ちだった。
二人共、屍のような状態で立ち尽くしていた。
「・・・ごめんなさい。」
クラリスからは言えたのは、その一言だった。
ジャックは抵抗すらままならなかった。
『先生・・・』

ーーーーレイトンとルーク、レミは
スコットランドヤードに到着をした。
レイトンは取調室に、特別に入る事を許された。
『クラリスに、総てを聞かなくては・・・。』
そんな決意を胸に、扉を開けた。
そこには疲れ果てたクラリスが座っていた。

次回もお楽しみに!

2013-08-02 15:37:46


KOKUA

どうも、KOKUAです。
更新を始めます。

レイトンは緊張した面持ちで、
鉄パイプの椅子にゆっくり腰掛けた。
クラリスは、ある種の緊張から解き放たれても
表情は哀しみに満ちていた。
「クラリス、君がエリックの遺体を
捨てた犯人だったのかい?」
「・・・そうなんです。・・・咄嗟に
怖くなって・・・、海に捨てました。」
痩せ細った声で、事実を認めた。
「チェルミー警部からは、『壺で頭を
殴った事については正当防衛となった。』と
聞いたけど、もしかして彼が襲ったのか?」
「ええ。後ろから着いてきていて、
部屋で暴行されたから・・・つい・・・。」
「でも、その後 彼の遺体からは
殴打の痕跡もあったが刺し傷も残っていた。
犯人は、別にいる事になるね。」
「・・・警部さんから、聞いた・・・。」
「私はその行為に及んだ者こそ、
この一連の犯人だと考えているんだ。
もう少しで、手掛かりが見つかりそうだけど。」
「・・・本当?」
「可能性は、否定出来ない。
早く見つけなくては、意味が無いからね。」
「・・・」
クラリスは、顔を俯かせた。そして、
手で顔を覆い隠した。
レイトンには、泣き声がハッキリ聞こえた。
「ごめんなさい、レイトンさん・・・。
ずっと隠していて・・・。私が
エリックの遺体を捨てたから、こんな事が起きた。
・・・だから、言うわね。」
「?」
レイトンは慰めようと思ったが、
今の一言で一気に興味を惹いた。
すかさずレイトンは、
「教えてくれないか?その意味を・・・。」
と問い質した。クラリスは、頷いた。
「・・・遺体を捨てた時に、実は
『絢爛なる伯爵』つまり犯人に撮られたの。」
「!それで、あまり元気が無かったのか・・・。」
付き添いに居たチェルミーも、
この供述には驚いていた。
「・・・クラリス、もしかしたら
犯人は君を利用したんじゃないのか?
遺体を捨てる為に、君を・・・。」
「えっ!?」
「もしかしたらエリックは君を
追ってきたが、犯人はエリックを追って
部屋に侵入したんじゃあないかと私は思うんだ。
隙を見て刺し殺し、隙を見て部屋から逃げた。」
「レイトン!そういえば、防犯カメラに
不審な人物が映っていたぞ!
・・・まさか、それが・・・。」
「そう、殺人罪を犯した犯人です。」
「そして、私が遺体を捨てる所を捉えた。
・・・そういう事なんですか?」
「ああ、あくまで推論だが・・・。」
「レイトン、防犯カメラにクラリスさんの
部屋を入っては出た所が映っていたぞ。」
少しずつ希望が、垣間見えてきた。
「・・・だから、心配しないでくれないか?
私達が、必ずナゾを解いて見せるから。」
「・・・。」
クラリスは、涙ぐんだ瞳で唯々頷いていた。

ーーーー「先生、どうでしたか?」
レミが問い質すとレイトンは真剣な面持ちで、
「もう少しだ、ナゾが解けるまであと少しだ。
だからもう一度 現場検証をするよ。」
「・・・分かりました、教授!」
『先生・・・』
ルークの顔は、少し明るくなった。

ーーーー「クラリスさん。」
チェルミーは、取調室に入って来た。
「罰金、払って下さいね。代償は、
それだけで充分ですから。」
領収書を見ても、クラリスは
少し希望を肌身で感じ取っていた。
彼女は、微笑んだ。

次回も、お楽しみに!

2013-08-10 13:06:39


KOKUA

どうも、KOKUAです。
更新を始めます。

レイトンとルークは、警備室の数多の
防犯カメラを見ていた。
「先生、本当にトッド社長はそんな
理由で殺されたのですか?」
「分からない。真相は、犯人が握っている。
今はブルーマン副社長が殺された日の
皆の行動をチェックしよう。」
「分かりました、先生」
防犯カメラの映像は始まったばかりで、
あまり変化は起きてない。映像を早送りに
すると、やっと変化が起こった。
生前のスーザンが、携帯片手に何処かに
行く姿が見受けられた。トイレに行く様子だった
ようで、出入りの姿も確認出来た。
少し遅れて、生前のブルーマン副社長の
姿も確認した。犯行現場に向かっていたようだ。
しかも防犯カメラがその部屋には無い為、
深くは探れない。するとレイトンは、
あるホテルマンに目を付けた。
黒いアタッシュケースを持っており、
殺害現場に向かっていた。しかし、
風貌を見る限り見た事が無いホテルマンだった。

レイトンはベンソンを呼んで、
防犯カメラに映る謎のホテルマンを
チェックしてもらった。するとベンソンは、
「あー、この人は従業員のカルロスさんだ。
今日は風邪で休んでると聞いたけど・・・。」
「カルロスさんも、ホテルマンの
格好をしていますよ。」
「このホテルは、制服を統一しているからね。」
レイトンは、絶えずカルロスを見ている。
「エルシャール、カルロスさんが
どうかしたのか?」
「ベンソン、カルロスさんに連絡してもらえるか?」
「えっ?いいけど・・・。」
ベンソンは黒電話でカルロスに連絡しようとする、
待つと留守だという事が判明した。
「寝ていて気付いて無いのかな?」
「ん?先生、何をしているんですか?」
レイトンは、ブルーマン副社長が殺害された時の
映像と全く違う日の映像を照らし合わせていた。
すると何かに気が付いたようだ。
ーーーー「そうか・・・。」
「先生、何か解ったんですか?」
「ああ、ブルーマン副社長の殺害のナゾは解けた。」
「本当か、エルシャール!?」
「本当だよ、ベンソン。もちろん容疑者の
行動を照らし合わせたから。後は、
トッド社長の殺害動機のみだ。」

レイトンは、大広間で紅茶を飲んでいた。
そこにウィルソン社長が、姿を現した。
「あら、教授さん。休憩中かしら?」
「ええ、もう少しでナゾが解き明かされますから。」
「そうですか・・・。」
ウィルソン社長は少し黙ると、
「トッドは、何故殺されたのかしらね。」
と謎めいた発言をした。
「どういう事なのですか?」
「彼は確かに性格は悪くて評判だった。
けど、ウチの社員と衝突するような事は
一度も無かったわ。」
ルークは間を置いて喋った。
「・・・もしかして、邪魔で殺した?」
「うん、そんな気がしたの。でも、犯人の
計画に無関係だとしたらレイチェルも
殺すんじゃないのかしら?」
「・・・ウィルソン社長、それも
もしかしたら犯人の計画では無いでしょうか?」
レイトンの意見に、ルークとウィルソンは
かなり驚きを見せた。

ルークはこの瞬間、レイトンがまた
謎を一つ解き明かした気がした。

次回もお楽しみに!

2014-10-08 13:13:29


KOKUA

どうも、KOKUAです。
更新を始めます。

ホテルは夜を迎えていた。
部屋は静かで、不穏さを奏でていた。

一室に、ウィルソンが寝ていた。
心地良さそうな顔で、夜を過ごしていた。
すると鍵の音が、部屋を突き刺すように
鳴り響く。黒い影が、忍び寄る。
そして忍ばせていたナイフを、
静かに取り出した。月明かりで
美しく輝いていた。既に笑みを浮かべている
仮面から、こもった声が響いてきた。
『絢爛なる伯爵』は囁くように言った。
「・・・これで終われる。」
伯爵は、振りかぶるようにナイフを挙げた。
すると突然、部屋の明かりが一斉に光った。

2014-10-09 16:20:56


t・o

はじめまして!t・oといいます!
タイトルがいいですねー!まだ全部は読み切れてませんが、とても面白いです!
更新頑張ってください!

2014-10-09 17:44:39


KOKUA

どうも、KOKUAです。

t・oさん、コメント有難う御座います!
応援よろしくお願いします。

2015-02-08 19:08:39


KOKUA

どうも、KOKUAです。
更新を始めます。いよいよ、
犯人が分かります!

伯爵は驚いた様子で、辺りを見回した。
すると玄関からレイトン達がやって来た。
ウィルソンはゆっくりとベッドから離れ、
レイトンの所へと走って行った。
「そこまでです、『絢爛なる伯爵』!」
「・・・そんな!」
レイトンの言葉に、伯爵は震えていた。
そしてその衝撃で、ナイフを落とした。

ーーー「では、これからあなたの行った
犯罪を暴いていきます。まずは、第3の殺人事件、
つまりスーザン・レイチェルさんの
毒殺事件の全容です。」
「!」
「スーザン・レイチェルは、まず
パスタを食べようとしました。その時、
フォークを落としました。本来、
あなたは別の方法で殺害するつもりで
おしぼりに毒を盛ったのでは無いでしょうか?」
「なっ・・・!」
その場は騒然とした。すると、
容疑者候補の一人は、「じゃあ、フォークを
落としたのは、伯爵にとって偶然訪れた
幸運だったってことですか!?」
「その通りです。恐らくあなたは、
毒を盛ったおしぼりで口を拭い、
ワインを飲ます手口を使いたかった。または、
パンにでも付着させたかったのでしょう。
しかし、レイチェルさんがフォークを
落としたことで幸運を得たということです。」
「そういうことだったんですね、教授。」
「ああ、その通りだ、レミ。毒を盛るために
使った道具は、後で処分できるからね。」
ウィルソンの部屋は、ザワザワとした
様子で騒然としていた。すると容疑者候補の
一人が、「しかし、皆が立ち上がっていたの
だから怪しまれるのではないですか?」
と疑問を呈してきた。
「確かに、筋が通らなくなるぞ、レイトン。」
チェルミーは怪訝そうな顔をしたが、
レイトンは顔色を変えずに伯爵に近づいた。
「それはそうですが、犯人は出来たのですよ。
その場で毒を盛ることが。」
そして、ゆっくりと伯爵の仮面を掴んだ。
「トッド社長、シノハラさん、
ブルーマン副社長、レイチェルさんを
華麗で哀しき怪人の如く
犯罪を遂行出来る人物・・・。」
伯爵は震えていた、成し遂げる前に
分かってしまうのは伯爵にとって
屈辱の極みだった。ルーク、レミ、ウィルソン、
警察、容疑者も緊張をしていた。
そしてレイトンは、仮面を剥がした。
「それは、あなただ!」
仮面の素顔は、男の人だった。
クラリスとウィルソンは絶句をしていた、
そこにいたのはロビン・クルーザーだった。

次回、新しい章で真相が明らかになります!

2015-02-08 21:37:11


t・o

どっしぇーー!!犯行を遂行できる人物を指差す瞬間!!まさにクライマックスですね!
毒を飲ませるトリックもよくできていてすごいです!
真相が楽しみです!

2015-02-10 16:05:41


KOKUA

どうも、KOKUAです。
新しい章の更新を始めます。
前回 書き忘れたのですが、毒は注射器を
使用して盛ったという手口があります。

-第7章- クルーザーの復讐劇
伯爵の姿をしたクルーザーは、
苦しい顔でただただ立ち尽くしていた。
クルーザーは、言い逃れできないと
強く感じたのだろう。まさかの正体に、
周りの人々は青ざめた顔で見つめていた。
クラリスは声を震わせながら、
「そんな・・・。クルーザーさんが、
私の脅していたんですか・・・?」
と問い質したが、クルーザーは黙っていた。

ーーー「では、続いてはこの残忍な事件の
前夜のことです。クラリスは、我々が
ホテルに集まった前夜、エリックが
クラリスを襲う事態が起きました。
クラリスは花瓶を頭に叩きつけてエリックを
うずくまったようですが、実はその後
エリックは刺されて死亡しました。
・・・クルーザーさんの仕業ですよね?
クラリスを脅すために・・・。」
ジャックは驚いた表情でいた。
「だから、クラリスはずっと暗い顔していたのか?
・・・でも、何でそんな?」
「まずクルーザーさんは計画を遂行するために、
エリックの弱みにつけ込み、クラリスを
襲うように命令を下しました。そして
クラリスの部屋の前にいたあなたは、
エリックの行動を監視していました。」
「・・・。」
クラリスとクルーザーは、下を向いたままでいた。
ジャックは、二人の顔色を見ながら
困惑した表情でいた。
「そして、エリックがクラリスの部屋で
うずくまっている所を襲撃した。
そして部屋で隠れながらやり過ごし、
遺体を捨てるためのバッグを探している隙に
逃げ出した。そして捨てる瞬間を監視していた。」
「・・・くっ。」
「クルーザーさん、私を襲ったのは
やはり犯行を阻止されると思ったからですよね。」
クルーザーは、黙って頷いた。
ベンソンがここで初めて口を開き、
「もしかして・・・。」と呟いた。
レイトンはその意味を理解しつつも、
次の犯行について説明をした。

ーーー「続いては、第1の殺人、トッド社長の
殺人事件です。」
「・・・!」
シャルソンは、口を強く噛んでいた。
「まず、セレモニーにてワイングラスの口を
スピーチ中に毒を盛ったタオルで拭います。
ここで一番疑われるのは、ソムリエの劉さんと
ホテルマンのベンソンさんですが・・・。」
「・・・それも、作戦だったのか。」
劉が初めて我々が理解できるような言葉を
発したので、周りは少しざわついた。
「そう、しかしあなたはスピーチ中を
狙い、まず毒を盛りました。」
「(・・・あんなに警戒したのに・・・。)」
クラリスは、まんまと騙されたと思い返した。
「そして、あなたは下戸だから飲めないと
言って、トッド社長に飲ませる誘導行為を
行いました。」
「・・・では下戸というのは、嘘なの?」
ウィルソンは疑問に感じると、クルーザーは
小さな声で「・・・下戸というのは、本当だ。」
と主張をした。ウィルソンは、
「そうよね。前、急性アルコール中毒で
搬送されたことがあるわよね・・・。」
と事実を話した。
「ある意味、あなたの弱みを巧みに使い
トッド社長を殺したということになります。」
シャルソンは震えていた。

次回をお楽しみに!

2016-08-02 23:23:53


KOKUA

どうも、KOKUAです。
新しい章の更新を始めます。

「そして、本来はここでブルーマン副社長の
殺人へ移行する予定でしたが、シノハラさんが
いち早く真相に気付くと思ったあなたは
シノハラさんを殺すことにしました。
そして、私と同じような目に遭わせようと
しました。あなたは、失敗を恐れていたはずです。」
「!」
クルーザーは、俯きながら驚きを隠していた。
ルークは「どういうことですか?」
と、疑問をぶつけました。
レイトンは、傷ついた腕を抑えながら
「この地域特有の風が、あなたの
殺人計画を一部狂わせたのです。」
「風?」
チェルミーは、何のことだか分からなくなった。
すると、ベンソンが風について説明をした。
「この地域は、特殊な風が吹くのです。
特に夕方辺りが酷く吹き、夜はほとんど
風が吹くことはないのです。・・・これが
なかったら、死んでいたっていうことかい?
エルシャール・・・。」
「ああ。まず、現場検証を警察にして
もらいました。・・・バルコニーに、
血は付着していましたか?」
バートンが「はい!鑑識の結果、判明したで
あります!」と、チェルミーが言うはずの
言葉を言ってしまった。
「バートン!」
「も、申し訳ありません!」
改めて、レイトンは見解を話し始めた。
「シノハラさんは502号室の客として
宿泊しました。」
「確かにそうですね。」
「もちろん、部屋には血の跡が残っていて
飾り物の黒曜石で殴打されました。しかし、
問題はここからです。」
クラリスは何となく、ホールの像に関する
事なのではないかと感じた。
「私はこのホテルに初めて来た時に、
クルーザーさんに突き落とされました。
幸い、像が持つ剣の先をかすっただけで
済みました。しかし、シノハラさんは運悪く
像の剣に刺さってしまいました。
この二つの出来事には、この地域の夕方に
発生する突風が鍵を握っています。」
「突風?」
セットンは驚きながら、疑問を呈する。
レイトンはゆっくり頷くと、クルーザーの
顔を見始めた。
「あなたは私に計画の邪魔をして欲しくないが
故に殺そうとした。しかし、私が落ちた時に初めて
突風の存在を知ったのではないでしょうか。」
「!」
クルーザーは、目を見開き顔を上げた。
「そ、そんな・・・。あっ!という事は
あの騒動がなければ撲殺で済ませていたのですか?」
ルークは困惑の感情で聞くと、レイトンは
はっきりと頷いた。
「そして、シノハラさんを殺害すると同時に、
あなたは疑われない為にわざわざ伯爵の衣装を
着させて自殺と見せかけたのです。」
最終的に衣装は、ブルーマンが殺害された時に
通気口に置いていたので、部屋に置いてあると
思っても意味がないとレミは悟った。
「あの時に衣装を脱がせて、隙を突いて
取り返したんですね。でも、その後はどこに
衣装を隠していたのでしょうね?」
レミが聞くと、レイトンはすぐに
「クルーザーさんとスーザンさんは、衣装
ケースは衣装部屋にある事を伝えられました。
そのケースは黒いアタッシュケースで、
夜中に作業の最中で取り返して戻したのです。」
と語り出した。その時、ルークは気付いた。
「あっ!その黒いアタッシュケースって、
まさか・・・。」
「そう、そのまさかだよ。」
クルーザーは、冷や汗をかきまくっていた。
「では、第三の事件に行きましょうか。」

次回もお楽しみに!

2016-08-07 00:06:28


KOKUA

どうも、KOKUAです。
新しい章の話の更新を始めます。

クルーザーの様子が変だと、クラリスはふと
思っていると蚊の鳴く様な声で呟いていた。
「黒のアタッシュケースが・・・証拠だって
言いたいんだな・・・。もう駄目か・・・。」
もう自分が犯人である事を認めていた。
レイトンは聞こえなかった様で、ブルーマンの
殺人の過程を話し始めた。
「あなたはまず、このホテルの制服を事前に
作製しました。そして、ショーの最中に用が
あると言って抜けました。ホテルマンに変装を
したクルーザーさんは、血まみれの衣装と
拳銃、消音用に持ってきた枕が入ったケースを
持ち、ブルーマンさんが来る前に部屋に入った。」
「なるほど。枕が幾ら探しても無かったのは、
事前に同じ物を持ってきていたからか。」
チェルミー警部は納得していた。
「そして殺すと、ホテルマンに再び変装し、
ショーの会場に戻ったのです。」
「じゃあ、何でカルロスさんの名札を付けて
いたんだ?」
ベンソンが問いただすと、我慢の限界だったのか
遂にクルーザーが口を開き始めた。
「会話を聞いたんだ。カルロスさんは風邪で
休んでいる事と、名札を忘れていた事を。だから、
夜中に盗んで付けたんだ・・・。」
ベンソンは納得したが、話し始めたので
レイトン以外は驚くしかなかった。
「という事は、クルーザーさん・・・、
犯行を認めたという事ですか?」
「・・・ああ。確かに、四人を殺した
『絢爛なる伯爵』は俺だ・・・。」
クラリスとウィルソン社長は、開いた口が塞がらず
驚いていた。そして、間を空けてジャックが
詰め寄って全ての疑問をぶつけた。
「何で、こんな事をしたんだよ!」
「・・・ミズリー・ガブリエルを知ってるか?」
「え?」
「あの人は、俺の姉だ。」
レイトンは全て知った為に驚かなかったが、
ウィッチの人間は驚愕していた。
「・・・俺は、ウィルソン社長にわざと拾って
貰って入社した身だ。復讐の為に、服飾の
勉強をしたんだ・・・。」
『まさか、ステイル刑事の息子なのか!?』
ジャックは密かに感じていた。
「俺の本当の名前は、ロベルト・ガブリエルだ。」

次回もお楽しみに!

2016-08-07 00:45:24


KOKUA

どうも、KOKUAです。
いよいよ最終章に突入しました。

-最終章-ホテルに残された言葉

クルーザー、いやロベルトは過去について
淡々と語り出した。
「俺は、小さい時に母さんを亡くしたんだ。
だから、姉さんと父さんと共に暮らしていた。
あの時は、本当に楽しかったよ。」
レイトンやクラリス達は息を飲み始めた。
「だけど、生活の負担は大きくて、結局は
伯父さんに預けられたんだ。それでも、時折
姉さん達は逢いに来てくれたし、伯父さんも
凄く優しかった。」
「弟の存在を話さなかったのは、弟の
あなたを守る為だったのか。」
「多分、離れたから弟の存在を明かさない様に
したんだと思う。」
レイトンに対しても、静かに答えた。
「そして、姉さんが大学生の頃に、刑事だった
父さんはエリックの兄だか弟だかに爆殺された。
俺は、悔しかったよ。だから、姉さんと
どうしても再会したかった。でも、エリックが
発狂した事で姉さんも失った。・・・俺は、
エリックを死ぬ程 恨んだよ。」
孤児となったロベルトの心の内は、闇に染まったの
だろう。
「そこで、俺は、エリックを殺す為に必死に
服飾の勉強をしたんだ。そして、社長が入社を
しないかと誘われた。復讐を成せると思ったら、
嬉しかったよ・・・。・・・だけど、もうとっくに
退社していた。」
ウィルソン社長は、怯えながらも聞いてみた。
「なら、どうやってエリックの居場所を見つけ
出したの?」
生気を失った顔で、ロベルトは振り返ると
「そこにいる探偵のセットンに頼んだんだよ。
まさか、クラリスの浮気調査の経験があったとは
思わなかったけど、その報酬としてこのショーに
誘ったんだ。」
セットンは、非常に驚いていた。
『ワシも、必然的に呼ばれていたのか!』
そう思っていると、また語り始めた。
「で、新入社員歓迎会の時に、その事件の話が
出たんだ。そこで・・・、ある事を聞いて
しまったんだ。」
劉は何だろうと思うと、少し声色を変えて
話し出した。
「・・・姉さんが、いじめられていた事をだよ。
その時にスーザンと副社長は嘲笑っていたんだ、
スーザンは元々性格が悪い事を知っていたけど
副社長を含めて半数が姉さんの悪口を言いだした。
・・・俺は、殺意が一層増したよ。」
ウィルソンは、違和感に気付いていた。
するとジャックは
「だったら、クラリスを巻き込む必要性は
無かったんじゃあねぇのか!」
ロベルトは無表情で
「・・・クラリスは同級生だったし、気弱いし、
巻き込んで姉さんの恨みを刻みたかったんだ。」
ジャックは怒りではなく、恐怖で震えた。
クラリスも同じ様な反応をしており、
「私に生き地獄を味わわせようとしたの?」
とか細い声で聞いた。ロベルトは頷く。
シャルソンはふと思い返した。社長である
トッドは、ミズリーを批判しており、彼女の
美貌を敵として見下していた事を。
『社長は利用されたのね・・・。』
その瞬間、殺意は一気に消失した。
「だから、笑った奴を裏で虐めてやったよ。
特に、蔑んだ二人はこのショーで殺して、
最初に一番恨んでいたエリックをこの手で
復讐したんだ。まあ、邪魔なシノハラとかいう
奴もいたけどね。そして、俺はそんな出来事を
ずっと見なかった事にした社長を殺そうと
この部屋に忍び込んだんだ。」
レイトンは下を向いていた。ルークは、その
行為を見て何を考えているか分からなかった。
レミは、ある事を聞いた。
「『絢爛なる伯爵』は、何なの?」
ロベルトはこう答えた。
「単に、好きだったんだ。孤独の雰囲気が
かっこ良く見えて・・・。」
ロベルトは答えると、溜息を付いて、再び
ナイフを持ち始めた。
「・・・劉やベンソンも、ある意味利用したんだ
けどね。殺すつもりはないけど、俺は社長を
殺す事で全てを終わらせる事が出来る・・・。」
劉、いや、リュークは
『ミズリーを虐めていたら、僕も殺されて
いたのか・・・。』
と震え出したが、ナイフを取り出したのを見て
レイトンとレミ、ジャックはハッと気付き、
走り出した。
「責任を取れよ、社長!」
ロベルトが振り向いた瞬間、ウィルソンは
勢い良く枕をぶつけた。ナイフが飛んだ事に
気付いたが、チェルミーが急いで拾い上げ
回収されてしまう。
「くそっ!何するんだよ!!」
「私は見過ごしてなんかいないわ!」
ウィルソンははっきりとした意志で、否定した。
レイトンやクラリスは、その表情に驚いた。
「私は、ミズリーのモデルの才能を見出した
のよ!だけど、私はそれから自由に行動が
出来なくなったのよ!クレオパトラの件だって
そうよ、あんなの私は望んでいないわ。」
「え?」
ウィッチの社員達はポカンとしていた。
「私は、長年、ブルーマンとスーザンに
見えない糸で拘束されていたのよ。」
ウィルソンは、ロベルトの誤解を解く話をし出した。

次回もお楽しみに!

2016-08-07 01:30:06


KOKUA

どうも、KOKUAです。
新しい話を更新します。

「私は、ミズリーと初めて逢った時 驚いたわ。
輝いていたの。モデルの才能を見つけたと
感じ取る程、強い魅力に惹かれていったの。
だけど、彼女は父親を失った事があったから、
仕事以外の顔は生気が無くて・・・。その話を
聞いた社員達は、裏で虐めていたの。虐めの
首謀者こそが、ブルーマン副社長よ。」
ロベルトは、眼を丸くして静止していた。
レイトンやルーク、クラリスも驚いた様子で
ウィルソン社長の話を聞く事にした。

ーーー「私は社長に就き立ての頃、その時はまだ
学生だったミズリーと逢ったの。憔悴した様な
顔をしていたけど、どこか華々しい輝きを放って
いる様にも見えたわ。こんな才能を手放したく
なくて、スカウトをしたの。」
『ねえ、あなた。』
『・・・何でしょうか?』
『私ね、ウィッチという会社で社長をしているの。
主に、服飾とかモデルを専門とした会社なの。』
『そうなんですか。』
『ええ。それで、あなた。凄くモデルの才能を
感じたのよ!驚いたわあ!もし良かったら、
私の会社でモデルをしてみないかしら?』
『・・・え?本当ですか?』
ロベルトは、困惑しながら聞いていた。
すると、ウィルソンは少し微笑んで、また語りだす。
「その時、ミズリーの過去も聞いたけど、
スカウトした瞬間は素敵な笑顔を見せたの。
仕事の合間ですら見る事はなかったけどね。」

ーーーそして、再び真剣な顔つきで話し出した。
「入社して上手く仕事をしていて、同級生の
エリック君とも交流をしていたわ。だけど、他の
人からは愛想の無い女性に見られていたの。
私は励ましたけど、ある時、ブルーマンと
スーザン、その取り巻きがとある情報を知ったの。」
レイトン達は、すぐにピンと来た。刑事の父親を
爆発事故で失ったという事実だ。
「それを知ってから、ブルーマンは私を脅かす
様に彼女に陰湿ないじめをしたの。そして、それを
知ったエリックは自暴自棄になってきて、全てが
狂い始めたの。その結果、ミズリーは撲殺される
最期を迎える結果になったの。」
ロベルトの身体が、震え始めてきた。そして、
後悔する瞬間が迫ってきたのだ。
「でもね、ミズリーの友達だった社員が勇気ある
行動をしたお陰でね、ブルーマンとスーザン、その
取り巻きは地位を崩壊させ謹慎を食らったの。
恐らく、その時に生まれたのがクレオパトラへの
左遷だったの。だけど、それは予め分かったから
敢えて乗って、論破させるつもりだった。だから、
あなたの計画は想定外だったの。」
「そうだったんですね・・・。」
クラリスを含め、ウィッチの社員は驚いた。
ルークも同じく驚いていると、レイトンが一瞬
扉の下側を見ていたのを見た。
『何だろう?』
と思いつつ、ウィルソンの話を聞く事に戻った。

ーーー「ロベルト。実はね、ブルーマンに操られて
殺しに手を掛けたエリックが退社した後、一度だけ
逢ったの。その時、涙ながらこう言っていたわ。」
『社長、俺は親友を手に掛けた。操り人形に
されたんだ。狂った俺は、絶対に許されない。
だから俺は、殺されても仕方ないから、悪に
徹しようと思う。』
「え?」
『どうして?あなたは悪くないのよ!』
『悪者になった方が、生きていて気が楽だよ。
だから誰かに殺されても、恨まない。だけど、
これだけは言いたい。俺の兄は残酷な事件を
起こしたし、俺も起こした。だから、俺を殺しても
いいけど、そんな事で狂わされないで欲しい。
ミズリーは望んでいない気がする。』
「・・・。」
『・・・分かったわ。でも、私はあなたの事、
そしてミズリーを心から愛しているわ。だから、
私もその意思を必ずや伝えるわ。』
『お願いします、社長・・・。』
「・・・・・・。」
ロベルトは意外な言葉に、眼を見開いた。
「・・・でも、姉さんは・・・。」
「殺して欲しいと思っていたとか言うつもり?
違うの。いじめを受けていた時、私はある言葉を
言われたの。」
『私、弟がいるんですよ。私の事、大好きで、
可愛い弟なんです。だから、この事を知ったら
何かして来ると思います。・・・私は、そんな
弟が、復讐なんてして欲しくないんです。』
ロベルトから、涙がわんさかと溢れ始めた。
ウィルソン社長の計画を真意まで知っていたらと
思うと、後悔の念が押し寄せてきた。
「だから、とても、残念なの。あなたが弟で、
復讐をしてしまった事を。止められなくて、
本当に申し訳無かったわ・・・。」
無念の表情を浮かべたウィルソンは、頭を下げて
謝罪を述べた。すると、クラリスも
「私も、見過ごしていたわ。ごめんなさい。」
しっかりとした口調で謝罪をし、リュークや
ウィッチの社員らは頭を静かに下げた。
『俺も、悪いよな・・・。』
ジャックも、同級生として心の中で謝った。

次回もお楽しみに!

2016-08-29 23:21:14


KOKUA

どうも、KOKUAです。
新しい話を更新します。

「姉さん・・・、ごめんなさい・・・!」
姉のミズリーに対して涙ながらの謝罪を果たし、
ようやく反省したロベルトは、手錠を掛けて
貰おうと手を突き出す。しかし、ルークは気に
なっていた疑問をぶつけてみた。
「ロベルトさん、何でこのホテルで復讐を
しようとしたんですか?」
ロベルトは、一度突き出した手を降ろした。
この質問に、再び会場がざわつきを見せていた。
そして、罪を認めたロベルトはこう語った。
「・・・この場所は、俺が案として出した
場所だったんだ。俺は、姉さんと幼少期から
ホテルで暮らしていた。死んだ親父が作ったからね。
だから、姉さんが見ているかもと思って、この
ホテルで復讐を果たそうと思ったんだ。地域特有の
風は、あんまり知らなかったけどね・・・。」
ホテルマンのベンソンは、その事を知っていた。
それを教えられたレイトンは歩み寄って来た。
「ロベルトさん。少しだけ時間を頂いても
良いですか?見せたいものがあるのです。」
ルークとレミ、クラリス、ジャックは何の事やら
分からなかった。少し間を置くと、ロベルトは
「分かりました。」
と言い、丁寧にチェルミー達にも事情を話した。

ーーーレイトン達は、ワイン蔵へと来た。そして、
ベンソンは樽を退けて秘密の扉を開けた。
「こちらです。」
ベンソンを除いて、レイトン達は地下へと入る。
そして、囚人の部屋の様な場所に辿り着く。
「これは・・・。」
レミは感嘆の声を上げると、レイトンは全てを
語り始めた。
「ロベルトさん、私は事件の調査中、同級生の
ベンソンに紹介されてこの部屋に辿り着きました。
部屋を見た時、何も無いと思いましたが、この壁の
一部にある言葉が刻まれていた事を知りました。
それが、これです。」
指をさし、ロベルトは走って見に行く。そして、
さらに涙を溢れさせたのだ。そこには
『ロベルト この文字を見つけたんだね ありがとう
私は父親を失って悲しかったけど 私はモデルに
スカウトされて幸せだったわ 何が起きるか
分からない人生だけど ロベルトも幸せに生きてね
ミズリー』
この言葉はロベルトだけに向けられた言葉では
ないと、ミズリーとジャックは微笑みながら感じた。
レイトン、ルーク、レミはホッとした顔になった。

ーーー「さあ、行こうか。」
チェルミーに連れられたロベルトは、パトカーに
乗りスコットランドヤードへと消えた。さらに、
大量のパトカーが来ると、ミズリーのいじめに
加担した社員も逮捕された。ベンソンとリュークは
レイトンにお礼を言って、ホテルに戻った。
セットンはレイトンに「参った!」と述べると、
歩いて帰って行った。シャルソンは会社を辞める事を
宣言し、別の会社で歩む事を誓い帰った。

ーーージャックとクラリスは、レイトンとお別れの
時間を過ごしていた。
「悪かったな、エルシャール。凄く突っかかったり
したし、クラリスがいたから気が立っちまった。」
「いいさ。気にしてないから。また、どこかで
逢えると良いね。」
「ああ。クラリスと上手くやっていけるように
努力していくよ。」
「私も、ジャックと幸せに過ごすわ。」
三人共、笑顔で話していたので、ルークは安心した。
「じゃあな!エルシャール!」
「さようなら、ありがとう!」
夫婦となった同級生は、タクシーで帰った。
そして、レイトン達は荷物を整えて車に乗った。

ーーー立ち去る時、レイトンはふとバックミラーを
覗くと、雪の白さと陽の光で煌めくホテルを見た。

次回は、遂に最終回です!

2016-08-29 23:51:34


KOKUA

どうも、KOKUAです。
遂に最終回を迎えました!

-エピローグ- それぞれのその後
レイトンは大学で紅茶を飲んでいると、扉から
ルークが顔を覗かせてきた。
「ルーク、よく来たね。」
「先生、お疲れ様です!」
ルークも座り、レイトンが追加で汲んだ紅茶を
嗜む事にした。
「そういえば、先生。あの後、それぞれの
人達はどうなったのですか?」
「ああ、レミはまたどこか旅に出たのは
知っているだろう?」
『教授、ルーク!また逢おうね!』
レミは非常に穏やかな顔で、別れを告げた。

ーーーその他の人達は、ロベルトはもちろん
裁判待ちの状態で、ウィッチにとっては由々しき
事態だった。社員の少人数がいじめに関わっており、
辞職された。その為、ウィルソンはシャルソンを
スカウトし、新体制で会社の再生をしている。
ジャックとクラリスは晴れて結婚。ホテルは一時期
売り上げは落ちたが、ベンソンとリュークは
頑張って調子を戻している。セットンはカナダに
帰国し、探偵業を再開させている。関わりを
見せなかったユウ先生は、新作を発表した。

ーーー「・・・ようだよ。」
「皆さん、それぞれ頑張っているんですね。」
「ああ、私達も日々努力しながら生きないとね。
英国紳士としてね。」
「はい!」
ロンドンの昼下がりを、決意と共に過ごした
レイトンとルークでした。

【レイトン教授と罪人の晩餐】
全ての話が終了しました。読んでくださった
方々に、感謝致します。少し言葉のチョイスが
変になった部分もありましたが、最終回を
迎える事が出来ました。有難う御座いました!

2016-08-30 00:05:18


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