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レイトン教授と呪縛の魔国(幻の王国3)

olive

http://layton.g-takumi.com/novel_detail.php?bbs_id=23813
http://layton.g-takumi.com/novel_detail.php?bbs_id=24294

のつづきです。

約100年ほどむかし、最大の繁栄をみせた二つの王国が、理由も不明のまま破滅した。

それを知るは、その国の民の僅かな末裔のみだった。

王国の破滅はいかにおきたか、それを探るべく、レイトン達はタイムマシンにのって過去へと調査にむかう。


ネグリシャムラの呪縛はいかなるものか


どこかでひっそりとうごめく闇


砕け散る運命のハグルマに


レイトン達は真実を見るか



そして
誘惑の先の目的とは…?



お楽しみに………

2010-08-17 23:50:33


のなりい

お知らせに関しては了解^^

新しい小説も楽しみにしてます!!

おぉぉぉ~~・・・・ドロドロだぁ~~(笑)←
人間って金が絡むと恐ろしいねぇ~^^;

2011-03-06 01:13:50


Ewota

ほんとデロデロドロドロだああああwww
「先生、後味わるそうですね、この話」
「ああ」

カルロさんがうまれ、フォードの歯車は空回りしだした。
「アリシアに虐待されていたカルロさんは、アリシアが継母だと知ってからも彼女をうらんだんです。
カルロさんが生まれたころ、第二次世界大戦のはじまりでした。
やがて、弟マルコさんは養子に出て、父エルドマクさんは圧力をかけられたガードンに大戦用の毒薬をつくらされた。
二人が二度と仲良くなって、王国の秘密をさぐられまいとしたザルシュさんの計画でね」
でも、二人は和解していた。僕の瞼の裏に、二人が酒をのみあう絵がでてくる。
酔いながら、「お互い圧力には負けないように」と手を組んだ。馴染みだったから。

やがて、ザルシュが安堵のため息をついて手を抜いた時、世界にスネーク団の実態がばれてしまう。
彼らは力を合わせた。
事実を捻じ曲げた。スネーク団は処罰されて、リーダーであるエルドマクは死刑。そう世界に報道した。
ほんとうは、彼とその両親は身を潜めているだけだった。

一方、自分の命が短いと悟ったアイズィーは、夫ににて大嫌いだったカルロに王国の真実を伝える。物語としてだったけど、いつかそれが真実だと知って欲しかったのだ。
体は弱くて右足は不自由だったけど、頭はずば抜けてよかったからだった。
学問もtop。でも、彼女は彼をオクスフォード学校にいれたとき、隠居を決意した。
ずっと「彼、ザルシュを見ているみたいだったから、つらかった」
小さな声が、会場に鳴り響く。アイズィーさんの声だった。

そこで、カルロさんは彼にあった。
自分の曾祖父に。

2011-03-06 22:53:35


のなりい

うわぁぁぁぁぁ・・・・。
色んな人がいろんなことを・・・・・。

カルロさんが曽祖父に会った・・・。
それが前のイラストかな・・・。

う~ん・・・続きが気になる・・・^^

2011-03-11 14:11:47


Ewota

「そこでです」
僕が不可解に思っていることの中に、ヘッツイさんの存在があった。
スネーク団の一員で、マークのひ孫。そんな彼は、カルロに裏切られたとおもったらまた手を組んでいたりする。最終的に「もうやめないか」とカルロさんの肩を射抜いているのに、またカルロさんは暴走して今に至る。
また僕や警部の推理から、城での惨事は嘘とわかった。それをなぜヘッツィは知っているんだ。
ならば、ガードンの秘書スタニ―を、カルロさんが見せしめに変装していたのも変だ。スタニ―、本名タンスィ―は、あの惨事で死んだはず。
それのつじつまがあうには、たった一つしかなかった。
「ヘッツィさん、あなた、もしかして、カルロさんの計画をすべてしっていませんか?それどころか、逆に計画の立て主なんじゃ……」
この会場にいるのは確かだった。
「……おれがいるの、ばれた?」

2011-03-26 21:15:34


のなりい

ま・・・まさかの計画の立てぬし!?

い~や~~~っっ!!←
頭が・・・頭がついていけないorz
なんか皆賢すぎだよ~・・・。←←

2011-03-27 00:54:20


Ewota

のなりい
こいつら、私より頭いいです。
のなりい、あと少しですかっとするよ~~!!


確かに、ヘッツィさんはいた。
ただし、今まで僕らが見たことのない人格のヘッツィさんだった。ひょうきんなカメラマン……とはいかないようだ。
「あなた、もしかして、カルロさんと一緒に計画を練ったんじゃないですか?自分が裏切られるってのも、もしかして……」
「教授さん、きみの弟子は凄い。なんでこんなことまでわかるのかなあ。
そうさ。僕たちは一心同体。一緒に計画して、実行した。
なんたって、僕たちは幼馴染なんだもの!」
「幼馴染……」

「僕は何だって知っているよ、あいつのこと」
ヘッツィさんは目を細めて、腕組しながら話をしだした。
「1937年うまれの23歳。A型で、さそり座」
「そんなことはどうだっていいんだ!!」
クラウスさんがいらただしげに呟いた。
「まあまあ。
あいつ、ほんとは泣き虫なんだぜ?いっつも冷静…つーか通り越して冷酷を装ってるけどさ」
泣き虫……。
「たしかに弟子さんの言うとおり、あんまりカルロは先がないね。第一、アンネちゃんとこいつが会った時、こいつひょっろひょろだぜ」
「そうだった」
アンネさんがぼそっと言ったのを、この中で聞いたのは僕だけだった。
「俺がそれをしったのは、4、5歳かな」
「えっ!?」
「村がちっちゃかったから、学校とかみんな一緒なわけ。そろそろイタリアが連合軍に負けるって時だから、うん、それぐらい。
知り合ってね、はじめてあいつの家にお邪魔したんだ。
泣き虫で内向的なあいつが友達連れて来たって言うから、みんな歓迎してくれてさ。
そしたらね、遠くに離れて暮らしているひいじいちゃんが
「ヘッツィのことだったのかあ!!」
って走ってくるわけ!!あははは」

「……」
「そしたら、兵士が『マーク隊長のひ孫さんですか!!これはちょうどいい!』ってさ。大人に取り囲まれて、『今から話したいことがある』ってさ!!こわいだろ。

そこで知ったんだ。カルロの血筋や、病のせいであんまり長くないってこと。
『彼には、アイズィーさまの怒り(ザルシュに似ていること)にふれたのもあって、孤独だ。サポートしてくれる人物が欲しかった』
と、そう伝えられた。
だから、俺は知っているよ。全部俺達の計画だもの」
「それって、かわいそうだ」
ディミトリーさんが悲しげにいった。
「ザルシュが王子、マークさんが護衛。末裔も同じ道をたどっているんだよ。
君は、護衛をして一生を終えるのかい?」
「それももうじき終わるからさ」
カルロさんの目はふわふわ浮いているようだった。
「ぼくらね、一緒にザルシュのいる村にでかけてんだ。アイズィーさまには秘密でね」
ヘッツィさんがいった。

2011-03-31 16:08:49


Ewota

「なにもかも、自分が圧力をかけたって、詫びられたんだ。
それが、ザルシュさんだと思う。
カルロがおお泣きしていたのを思い出す」

「ほんとなんですね!?僕がどうしてこんなにアイズィーに嫌われているか、なんでガードンや父上がもめあっているのか、全部、あんたがしかけたものなんですよねえ!?」
「お、おちつけ!!」
「すまないな」
「すまないだあ!?こっちはそのせいでろくにうっかり本名もいえやしないぜ」




「でもそこで、カルロがまた、とんでもないこと考えたんだよ」


「あれがもし全部、あの老いぼれがやったんていうなら、僕だってやれるに違いない。
ヘッツィ、もし自分たちが上層部に圧力かけられたら、それほど凄い事はない」
「なににやけてやがるんだ、カルロおお」
「あいつに、

世界相手に、騙しあいってどう??」

2011-03-31 16:37:46


Ewota

ヘッツィさんが、カルロさんの全てをばらしてしまった。
「なんで全部いっちまったんだ」
「……いいじゃない、そんなことさ」

カルロさんは一度宙を見、目を閉じた。そのまま「うそだうそだ」と呟きながら、ふらつき二、三歩さがり、崩れ落ちた。途中、なにかに躓いてクルリと力なく旋回した。
どこまで真相がばらされたか探しているようだった。
でも、これ以上は僕の頭ではわからなかった。真相が分かったのはここまで。

「ごめんな、でも」

「ここまでだ」
ヘッツィさんの声をさえぎったのは、べつの誰かだった。
「みごとにやられた。でもカルロ、ここまで来て、遂にやられたな」

カルロさんが顔をあげた。

観客席から、人影が下りてくる。
「あのひとがいちゃ、おしまいだぜ」
ヘッツィがにこっと笑った。

2011-03-31 16:56:36


Ewota

次回  

再会と出逢い

実は、影塗ってないんスよ;

2011-03-31 18:44:59


Ewota

「観客の方ですか。
申し訳ないが、今は着席ねがいますよ。
なんたって、この状況ですからね」
「その必要はありませんよ。すみませんね、迷惑をかけるようですが」
その男性は、ゆっくりと階段を下りてくる。
時間が長く感じられる。

男性はかなり背がたかい。
白髪。
声からして、イングランド人ではない。
遂に、胸まで暗がりからライトに照らされ見えたころ、右腕の袖がからっぽで揺れているのが分かった。

男性は見覚えのある仮面をつけていた。やがて、ゆっくりとステージに上がった。
「……」
「見覚え、ありますか?」
言葉を選ぶように彼が話すと、アイズィーが僕の前を横切って走って行った。
「ザルシュッッ!!」
そう言いながら、胸元に飛び込む。

「あなた、生きていたのね……。
あの時、もう……」
目から涙がぼたぼたとながれる。
それを、ザルシュは抱き返さなかった。
きっと、燃え上がる憎しみを感じ取ったからだった。

2011-03-31 20:37:29


のなりい

影がついてないことなんて、言われなきゃ気づきません←
だって、絵のクオリティーが高すぎるんだもん!(笑)

お、ついにザルシュ君登場だね~。
この物語はどんな結末を迎えるのかな~←まだ終わりまでいってない
気が早いんです、ハイ。

2011-04-02 01:58:02


Ewota

のなりい
絵??へたくそだけど!?
私はアマですからww
ところでのなりいの気、そんなに早くない気が…orz

お知らせです。
この小説が終わってしまうのはいっていますが、リアルに話すと……
4月中に話がおわってなくとも、更新は4月でとめます。
あしからず!!

にしの小説で、カルロさんが謎ボーイになってたよ!!かっこいいね、にしカルロの方がww一生コインいじってろカルロww


更新!!
アイズィーがザルシュをひしと抱きしめているのに、ザルシュはそのアイズィーを抱き返さない。硬直したまま、感動的、歴史的再会への拍手に包まれていた。
「アイズィー」
重い口が開き、ザルシュは一言一言をゆっくりと話した。
「たがいに変わってしまったな」

それをアイズィー、観客、レイトン先生達は考え間違えた。
「時間なんて取り戻せる」
「そうです、やり直せます」
「そうだそうだ!!」
「二人、戦に引き裂かれた時間をゆっくり取り戻しましょう。
ほら、あそこにいるのが、あなたの息子。あなたの師匠の名前をとって、ロッパよ」
「あなたがメディチ※の分家の末裔ですか」
「すばらしい!!」
周りがそういうのを遮るように、ザルシュは首をふりながら「いいや」といった。
「そういうことじゃない……!!」


「と、もうしますと」
観客の一人が尋ねた。

2011-04-09 22:54:55


Ewota

※メディチ
イタリアの富豪。
実際は家系はとうに途絶えており、マルミゲラ家がつかえていた、というのはフィクション。
マルミゲラの立ち位置として、メディチのスパイ、護衛的な立場にいた様子。


更新!!

向こうで、カルロさんが座り込んでいる。
それを、ザルシュさんはちらと見やった。

「たがいに生き方が変わった、と言いたいんだよ。アイズィー、君もこの月日のせいで、何か自分の人間としての変化があったと思わないかい?ひねくれた、と」
「……私にはわからないわ」
「君は、あの子が目に入らないとでもいうのかい?」
「…………」

カルロさん。

ヘッツィさんがよたよたと歩み寄り、ずっとカルロさんの背中をさすっている。
やがて、カルロさんのすすり泣く声が響き渡った。
「初めてじゃないか、彼がすすり泣くのをみたのは……」
レイトン先生が悲しそうに呟いた。
「彼が、一番の被害者だ。
君は、私に似ている彼を毛ぎらって、ぞんざいな扱いをしたそうじゃないか。違ったかな」
「……」
「私も君を守ろうとする気持ちが暴走して、君たちを圧力で抑え込むことになってしまったよ。
まったく哀れ、本当に酷い事をした。
それは、詫びたい」
「そんなこと、もういいの」
「彼のこともかい」
「……カルロのことは、別じゃなくて」
「……」
そうだ。
カルロさんはアイズィーさんに嫌われていた。でもアイズィーさんは世間では、ひ孫の幸せを願っているかのような発言を繰り返している。
カルロのしたことをみとめたくないのか、それとも……。
世間的な顔をきにしているんだろうか。
きっと、そうに違いない。
それを察したカルロさんは、
「どうせ、この世が回る歯車の油には、金と快楽と話題性とその飽和な幸」
といったんだ。

この世はどうせ、面白いことがあったらそれにつられる。金で動く。偽善がまかり通る。メディアもどうせは話題性をもとめていて、ちっとも真実を言おうともしない。
いろんな圧力におさえこまれたザルシュの、訓戒とでもいうものをカルロは聞いた。
それをカルロさんはいったんだ。

「カルロさんはザルシュさんがかけた圧力を利用したんです」
カルロさんは高校にいきながら、スネーク団の遺族をまとめ上げて、毒薬を開発するチームと見せかけた。
そのかたわら、昔病死した幼馴染のタンスィ―の名を利用し、双子の姉にスタニ―という名前でガードンにはりこませた。
ガードンを監視し、その動きによって臨機応変に計画をねろうとしたのだ。
実際実家にはガードンの刺客は来ていないが、世間を騙すために城の使用人とこっそり城を改革したのだ。それが、僕の瞼の裏でみた工作だった。
やがて大学にいき、タイムマシンで曾祖父母の実態を調べるために、タイムマシン作成に力をかしはじめた。
そこで、アンネさんにあった。

ガードンが偽善者なのを利用して、政治家に成りあがらせておきながらも発言を支配したり、(圧力にはよわい)エルドマクを悪人とするようなことをいって世間を騙した。
一方、こっそりと地下の王国の所有権をえるために金をつんでいたのだ。
カルロさんは偽名を使ったり、弟のマルコと同一人物(ブレッド)をつくりあげて、レイトン達の推理をつじつまあわないものにした。
レイトンが、メディアに取り上げられやすいことぐらいつかんでいたのだ。だから、王国の研究にも「タイムマシン責任者補佐」として乗り込んだ。彼に、自分たちの代わりにねつ造情報をながしてもらおうとしたのだった。

すべては、世間を騙して自分の存在を世に知らしめるため。
人をだまし、ザルシュと賭けをするため。
そして、

「このようなもつれを生じさせて、二つの王国の名を広め、また同時に真実を解明し、



アイズィー、ザルシュを再会させるため。

きっとカルロさんは、何も真実を知らないままたがいの生存もしらずに、死んでいこうとする二人がいたたまれなかったんです。
自分は病のせいでながくない。
だから、せめて……」
僕は、推理を話し終えた。
「このような大騒ぎがおきなければ、タイムマシンは作られなかった。
王国の真実は埋もれ、名はさびた。
フォードの人は、ザルシュの圧力を正体もしらず恐れたままだった。
マルコは、金のために養子先に利用されつづけた。
ガードンとエルドマクは和解できなかった。
なにより、
愛し合う二人の再会はなかった」

「……!!」
ザルシュさんはそれを聞くと、ゆっくりカルロさんを見やった。
そして、アイズィーさんの腰に手をまわし、ゆっくりと抱きしめた。
「そうだったのか……」
「……」
アイズィーさんも真実に驚き、涙が頬をつたった。

「僕の推理、あっていますか??」
カルロさんのすすり泣く声のなかに、たしかに

「そうさ」



ときこえた。

2011-04-10 00:02:20


Ewota

次回


マリンの正体

アンネとカルロ

2011-04-10 00:04:50


のなりい

なぬっ!!
四月で終わりか~・・・・。ちょっと寂しい。
この小説が終わるまで、応援してます!頑張ってね☆

はぁ・・・賢い人の考えることは違うね~←
なんて壮大な計画なんだろう・・・。

アイズィーさんとザルシュ君が真実を知ることができて良かった・・・んだよね?
こうやって再開できたんだもん。

2011-04-13 02:21:36


Ewota

携帯から更新できるようになりました[s:0316]
多分、速度が少し早まりますよ[s:0308]

のなりい
そうなんです、もう終わり近いんです…
多分二人は、その一瞬は幸せなんだろうなあ…[s:0034]



更新[s:0308]
二人はひしとだきあったまま、ずっとその手を離さなかった。しかし、何をかんがえたのか、その手はゆっくりと解けていった。
「カルロ」
アイズィーさんが、カルロさんをみたままゆっくりと話しはじめた。
「お前さんは…こうして私達をあわせたあと、どうするつもりだったんだ」

「気になるかな?」
カルロさんはアイズィーさんにも、意地悪げな顔を浮かべて話しかけた。
しかし、頬には涙の跡がかすかに赤くなっている。

「最初はそんなつもりはなかった。
本当に騙すつもりだったのさ」
「……」
「だけど、計画を立てているうちに気づいた。うまく運ばせれば、もしかして二人は再会できるかもしれないとね」

2011-04-13 23:46:02


のなりい

更新が早まると、この小説がどんどん読めるね~♪
私がこの掲示板にこれるかはわからないけど・・・orz

カルロさんが泣いても、きっとイケメンだから絵になるんだろうね~←←←

うまく物事が運び、二人は再会できたんだ~^^

2011-04-14 01:20:14


Ewota

返信なし更新[s:0308]

「カルロさんはもとは優しかったんですよ、きっと」
と、観客席から声があがった。
「いまは、そう考えるのが妥当かもしれないな」
チェルミー警部が頷きながら、カルロさんの肩に手を置いた。
「あんたは確かにやったこと自体は悪い。
だけと不器用なのであって、本当は二人のことをずっと思ってたんだろう?
違うかい?」
カルロさんは頷きも否定もせず、何もかもがなくなった抜け殻のようにしゃがみこんでいた。
やがて淋しそうに笑って、少しずつ話しはじめた。
多分これが、カルロさんの初めてきく本音だ。
「そこまで素直じゃないさ。
悪人も根は善人だなんて、そんな美しい話なかなかないぜ。
…世の中には、いっぱい悪人がいる」

「まあたカッコつけちゃって〜」
ヘッツィさんが冗談をいれたが、

「そんな奴のせいで、僕の生まれた環境は酷かった」
彼は返さなかった。

「……」

「何かも分からない圧力が日々のしかかってきて、ただでさえ自由のない生活。それなのにさらに、ネグリシャムラのフォードって名前を言うだけで恐れられる。
最初はなんでそんなに言われるのか分からなかった。
普通に友達といたかったし、……そうだな、性格もこんなにねじ曲がってなかった気がする。
唯一喋れたのは、結局自分の血筋の護衛の子孫なんて奴」
ヘッツィさんが苦笑いした。

2011-04-14 23:21:41


Ewota

「寂しかったな。
本当に虚しかった……。
なんで自分がこんな目に遭うのか、理解できなかったんだよ…」

きっとカルロさんは、自分の苦しみを一人だけではとても処理仕切れなかった。彼の本来の性格は、繊細で穏やかな性格だったのだ。僕はそう理解した。

「しかも聞いた話では、この圧力の正体は、自分の曾祖父が独占欲にかられて婚約者家族にかけたものらしい。
とんだとばっちりさ。悔しかったよ」

彼は処理しきれない悲しさを別の人格に処理させた。それが、世渡り上手で皮肉屋で、金で裏をひくような人格だった。
僕がまぶたの裏でみた、歯車に操られている人形は、仮の人格そのものだった。

彼は本来の人格を、決して人に見せなかった。ヘッツィさんは、それを十分に理解していた。
でもカルロさんは、
「大学で、本当に自分の性格をさらけ出せるんじゃないかという人に会った。
もしかして、彼女には血筋も性格もいっちゃっていいんじゃないのか。
だからあの時は、本当に楽しかったよ」

アンネさんがはっとした。

自分のことだと、確信したのだ。

優しかった彼が、本当の性格じゃないか。そんな考えが、アンネさんの頭を渦巻く。

「だけど、彼女とはそれっきりさ」

カルロさんは今だ、アンネさんに後悔の念を抱いていた。
ただひたすら横暴な家族を見返す為に、真実を捩曲げてきたカルロさんだった。そんなカルロさんは、アンネさんとの出会いを果たして目標をかえた。
ザルシュとアイズィーを再会させたい。幸せにしたい。自分の今のように。

だけどその自分が、アンネさんに血筋がばれたことで暴走した。悲しくて悲しくて。アンネさんが自分の血筋の情報を広げようとしていることを知って、封じ込めようとした。だけどヘッツィさんに咎められて、彼は別れを告げた。

彼は一度でも、彼女を危めかねない事をかんがえたのを後悔していた。

やがてアンネさんがレイトン先生に手を貸したのを知って、ひどく悲しんだに違いないだろう。

「カルロさん……」

やおら話しかけて、
僕はかける言葉を失って、唇を噛んだ。

「でしょ?サーシャ」

カルロさんがいきなり、聞き覚えない名前を呟いた。

「一先ず署まで来てくれないか。そこで詳細をきく」
警部が彼の背中をおすと、カルロさんは立ち上がりかけて、崩れこんだ。
僕が側にあった杖を差し出すと、彼は力なく握りかけて、ぼんやりと呟いた。

「だめだなあ。体に力がはいらないよ」


警部がため息をついた。ひとまず下の者に命令し、カルロさんを担がせた。
その下の一人が、ぼそりと
「この人軽すぎるぞ」
と言っていたのが、僕には聞こえた。

2011-04-16 12:49:18


Ewota

「………サーシャか」

ヘッツィさんが、あらら〜、と声を出した。
「ルークくん、きいちった?
サーシャっていうのはね、」
ヘッツィさんはステージ裏のカーテンを指差して、
「あいつのこと」
と笑った。

カーテンがゆらゆら揺れて、かすかに声がもれた。やがて煙草の煙につつまれながら、マリンさんが歩いてきた。
「あたしの本名、サーシャなの」
マリン…サーシャさんは、ゆっくりとステージの真ん中に歩みより、アイズィーとザルシュを見、やがて厳かに礼をした。

二人はきょとんとしている。

「伝言があります。
これは、あなた二人への、時空をこえた伝言となります。


アイズィー様。
どうか、ザルシュ様とお幸せに。貴女の為に、ザルシュ様は身を捨てたのです。
幸せになってください。

ザルシュ様。
貴方は生き延びていたでしょうか。
私は貴方を一生慕い続けます。時がやってきて、貴方より先に逝ったとしても。
なぜなら、私は貴方に助けられたのですから。
アイズィー様と会える時がきたら、いつか、幸せに。
貴方は本当の太陽を眺めたいといった。
しかし、一度でも、私は月をみたかった。
叶わないけれど。

兄上へ

ガルシュエル」
ザルシュの目が見開いた。

「ガルシュは…あいつは助からなかったのか!?」
「私の祖父が、ガルシュエルに伝言として頼まれたそうよ」
「どういう意味だ!?」
ザルシュは涙を目に貯めて、声を荒げた。

「私の祖父はショウル・デイビス。ロッパの弟子で、ザルシュの弟弟子です。

彼は瀕死のザルシュを陸上にあげたあと、他の人を助けようとまた下にいった。

そこにいたのがガルシュエル。彼は「ザルシュが死んだ」という誤報を聞いて、自害していたのです。しかし、死に切れていなかった。
祖父は死んでいない、と伝えた。右手はないが、息はあると」
「ガルシュエル…」
アイズィーが泣いた。
アイズィーはガルシュエルの存在を知らないはずだ。きっと僕らがいなくなった後の王国でなにかあったんだ。
「彼は『よかった』と呟いた後、助けようとする祖父をこばみ、虫の息でこの伝言を放ったみたい。

彼は、大粒の涙を流していた。
やがて『いたい、苦しい』と彼はもがき、悲しそうに『兄上…兄上…』と囁いて息を引き取ったそうです」

サーシャさんはその伝言を伝える相手を探していた。
ショーはそのあと、陸上でザルシュ達一行に再会することはなかった。
だからザルシュにも、別の所から逃げたアイズィーにも、伝言を伝えられなかった。

ショーは自分を助けてくれた町の娘と結婚し双子をうんだ。しかし25歳のある日、病で無くなった。やがて妻は、夫ショーからいつもきいていた伝言を書き置き、遺書として残した。

マリンはカルロが子孫だと知るが速いか、仲間になった。
しかし、カルロには伝言のことはいってないらしい。ただ、「祖父が地下出身」とだけ。

2011-04-17 14:51:01


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