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レイトン教授と幻の王国†2†

olive(YK)

私の小説、ついに5作品目です。
今まで読んで頂き、有難うございます。





約100年も昔の事でした……

この世界の何処かに、とても栄えた王国がありました……

その名前は、ウィダード王国といいます…

しかしこの王国は、約100年を境に、この世からぱたりと姿を消しました…

今は何処にあったのか、何故消えたのか……

何も分からなくなったのです………







そう……たった一人の生き残りと、その一族のみは…………







時はロンドン事件から5年後…
そんな王国の場所を探しもとめ、王国消滅の理由を探るべく、レイトン教授達は立ち上がったのです!

完成したタイムマシンに乗って…





「僕は皆に手紙の配達をするよ。
でもね…
その傍ら…」
幻の国、ウィダード王国と
謎の配達人…

「私は彼方様をずっとまっておりますわ!」
悲劇の姫君。

「全て恨み呪ってやる…!」
過去と残された跡継ぎ…


幻の王国の真実とは……!?

お楽しみに………



前作「幻の王国1」
http://layton.g-takumi.com/novel_detail.php?bbs_id=23813

2010-04-20 23:48:46


olive

「…え」
「ということは…まさか!」

「う、生まれたぞ〜〜っ!!!」
エルドマクさんが大声を出した。

僕達みんなが、窓から覗いた。
確かに、アンネさんとカルロさんが二人立っていた。
でも二人の目線は、アンネさんの腕の中だったんだ。
僕は、こちらに歩いてくる二人を目を懲らしてみた。


「うわあ〜…可愛いっ!」
思わず声をだした。

そう、とってもかわいいんだ!

2010-04-24 12:04:53


olive

「もし」
マルコさんが呟いた。
「もしあの赤ん坊が、この王国で生まれていたら」
「赤ん坊は、その母親よりも生まれが古いことになる」
「そうです、レイトン先生。
時間に歪みが出来てしまうから……。
だから、僕達の時代に帰すことが必要だった。だから、僕は勢いで帰した。
兄さんは気付いていたんだろうね」

赤ん坊を、どう言い表せばよいのだろう。
そうだ、天使なんだ。
母親の銀に近い透明感のある金髪と、父親の褪せたような赤みのある薄い髪を合わせた、深く、そして鮮やかな金髪。
瞳は、青に近く、また灰色のような、まるで宝石のような緑をしている。
「生まれた場所は、二人が過ごしたちいさな貸家」
マルコさんが、またぽつりと呟いた。
「出生届も出しました。
まだ名前は言えません。ガードンが嗅ぎ回っているかもしれないから」
「赤ん坊は、うまれたてにしてはしっかりしているね」
「実際、彼は半日かかってうまれましたし、それから何日か経っています。
でも、皆さんにそこまで負担はかけられない。
……タイムマシンは便利ですよね。
設定した時間にいける。
皆さんがほんの30分待ったように感じているのは、兄さんがこの時代からタイムマシンで貸家にいくその時間の…30分後にいくよう設定したからです」

僕は赤ん坊をみた。
ああ、やはり可愛らしかった!!

2010-04-24 12:29:35


olive

「ところでカルロ」
「ああ」
せっかく可愛らしい赤ん坊をみているのに、カルロさんは刺々しい返事をした。
質問したのは、ザルシュ君だった。

「こいつの名前」
マルコさんが、困った顔をした。
「それはだね、ザルシュ」
先生も説明出来ずにいた。
しかし、アンネさんは徐にザルシュ君に近付くと、囁いた。
「ザルシュ君」
「お、おう」
ザルシュ君の頬は紅かった。
「ザルシュ君、私、今ね、手が空いてないのよ。名前、代わりに紙に書いてくれる?」
「口に出せよ」
「悪い奴らがこの子を追い掛けてるの。名前、盗み聞きされるかもしれない」
悪い奴ら、に笑った。
自分の父親なのに、アンネさん。

「よし、書くぞ」
「サンクス、ザルシュ君。
G・i・o・r・g・i・o……」
「………こいつの名前………」
ジョルジョ。そうかいてあった。


ただ、僕はある事に気付いた。
ザルシュ君は、孤児で学校にいっていないはず。
なぜ字がかけるんだ?

2010-04-24 14:42:45


olive

「ほほう、お前はジョルジョか!」
エルドマクさんが、ジョルジョを抱き上げた。
「義父(この小説では、『おとう』とよみます)さまったら……」
アンネさんは、嬉しそうなエルドマクさんをみて、笑って言った。
やがて小屋にいた全員が腕のなかのジョルジョを身に集まった。
可愛らしい。


しかし、それをただ一人、遠くから何か羨ましそうに見ている人物がいた。


セシルさんだった。

2010-04-24 21:15:52


olive

オリ伽羅のデザインイラストを発掘。
ザルシュ。

2010-04-24 21:17:59


olive

アンネ。
この没伽羅イラが、シラーマの元になります。

2010-04-24 21:19:49


olive

物語終盤(崩壊の章)に出て来る、おとなザルシュ。
アンネそっくり!
でも男です。骨格が語ってます。

2010-04-24 21:27:40


town

字が書ける...何かありそう!!

2010-04-24 22:42:24


olive

town
来てくれて有難う!
お、そこに注目してくださるとは……!!
どうなるかは、お楽しみだよ[s:0316]

2010-04-25 10:35:35


olive

そんなセシルさんに気が付いたか、カルロさんがいきなり振り向いた。
「………?」
「ところで、ロチェス王子」
セシルさんにカルロさんが囁く。カルロさんの冗談は、脈絡がない。
しかし、言われた本人は……
「その情報、何処で手に入れた!」
と怒鳴るように叫んだ。

さっきまで幸せだった空気が、いきなりぴりぴりした。
しかもだ。
カルロさんは、口角を片側だけにんまりとあげつつ、こう言った。
「やはり、貴方はロチェス王子ですね?
貴方、祖国をすてて……」
「捨てたわけではない!
こうするしか、なかったんだ………」
「では」
レイトン先生が切り出す。
「今の現状を、ご存知でない」
「……サンステリ王国とは、縁を切った」

「…今は、跡継ぎ争いで内戦中です。
それより、貴方の正体をまだしらないほかの皆様のために、説明してください。
あなたが何故、カルロに王子とよばれたのか………」
そうして、僕は聞くことになった。
サンステリ王国のマルミゲラ家の、波瀾万丈な運命を……。

2010-04-25 10:51:29


olive

「私は…この国…ウィダード王国の隣の、サンステリ王国の王族でした」

そういえば、アイズィーとの初対面の時、屋敷で、アイズィーの父上から色々話を聞いたような………

「私の国は、もとはサンステリ家が作りあげた王国。
しかしサンステリ家が全滅すると、王族の右腕だった私達の先祖が引き継いだ。
私は、その右腕、マルミゲラ家の一人でした。
5年前、私の父上…国王は、サンステリ王国の領土を広げようと、ウィダード王国に攻め入ります。
しかし、サンステリ軍は惨敗。
父上は処刑され、私とまだ7つのザルシュ、うまれたばかりのミダルだけが何とか生き延びた。
私達の母親は戦争中戦火で死に、二番目の継母は父上と処刑された。

頼る人物もいない。

しかたなくウィダード王国に行き着いた私達だったが、弟達を養えなかった。
しかたなくなんだ、ザルシュ、ミダル。
本当にごめんよ、孤児院なんかに放り込んで……」
「……」
「本当に、お兄ちゃんなの?」
「ああ」
「……そう」
これでわかった。ザルシュが孤児院にいたのに字がかけたのは、ザルシュがかつて王族、というか王子で、教養があったからだ。
しかも、ロチェス、ザルシュ、ミダルの母親と別に、継母がいたと聞いた。
だからザルシュは、風俗街に行く途中…
「二人の愛は崩れたの。もう直せない程。でもね、ザルシュ…」
「愛なんてくだらねえよ、アイズィー様!!」

継母はきっと、ミダルにひどい事をしたんだろう。
父上の愛によって、自分がくるしんだから………だから、くだらねえって、言ったんだ…

「その後私は、働き口をさがした。
身分のばれない、裏の仕事…」
「そうして、あなたは最高のホストになった。風俗街を従えるほどね」
「闇の殺人鬼なんて噂を流して、常連客以外を寄せつけなかった。
だから、ほどほどに稼げ、身分もばれなかった」

カルロさんが唇を噛んだ。

「でもミダル、ザルシュ」

「…ん?」

「私は跡継ぎ争いにくれる王国を正しにいくよ。すばらしい王になる。
だからザルシュ、私の後の後継者をつくるのは、そなたに任せる」
セシル、いや、ロチェスさんは、決意した。
自分は正し、土台をつくる。
愛も恋も犠牲にして。

それが伝わったのか、ザルシュは顔がきりりとし、こくりと頷いた。





サンステリ王国の復活は、僕達の目の前で約束されたんだ!!!


「カルロ、よく気が付いたね」
「………ふふふ。レイトン先生、僕はフォード家の一人ですよ」
カルロさんはザルシュ君を見つめた。
「まさか、ザルシュが僕の曾祖父なんてな………」
X字の蛇に剣のささった紋章。
蛇は、フォード家。……剣の紋章は、マルミゲラ家のものだからだった。

でも、この時から、ウィダード王国は崩壊を始めたのだった……

2010-04-25 11:24:22


olive

夜も明けつつあった。
「そろそろウィダード家に挨拶する準備をしようか」
「お城にいくんですね!!」
「ああ、挨拶がてらマルミゲラ家の生き残りも発表しようか」
「いつか見つけたら、そうするつもりでした」
ロチェスさんがウキウキ顔で言った。
「賑やかになりそうですね」
「そうだね!」
†††††††††††††††††††
「ねえ、カルロ」
「なに?」
「ジョルジョ、どうしようか」
「……たぶん、置いてくと騒がしいだろうが……」
「つれてこっか」
「………ああ。つれてこっか」

2010-04-25 11:35:21


olive

「そういえば」
ロチェスさんがはなしかけて来た。
「このウィダード王国には、目の色制度というものがあります」
「それは…」
「目の色によって、身分や振る舞いがかわります。
上から



茶色

赤茶色

琥珀色

灰色

青色

紫色

緑色
………のように、濃い色ほどよく、明るく、草木のような、鮮やかな色ほど悪いんです…」
「差別です!」
「しかたないよ、ルーク。
ウィダード王国とサンステリ王国は、アジア系の民族がすんでいる。
黄人、黒人が上で、白人が下なのは、仕方がないんだ。
Eyeこそ力なのさ」

でもそうしたら、僕達はお城に入れるのだろうか…?
アンネさんやジョルジョなんて…青に緑じゃないか…
「私がなんとか頑張るから」
アイズィーの溌剌とした声に励まされ、なんとか荷物をもちながら、お城行きの乗り物に乗った僕らだった。

2010-04-25 13:53:27


olive

1。

2010-04-25 14:08:51


olive

2。

2010-04-25 14:16:59


olive

3。

2010-04-25 14:18:03


olive

4。

2010-04-25 14:44:11


olive

5。

2010-04-25 15:00:50


olive

第1章

時のとまった…?姫
シラーマ

2010-04-25 15:36:31


olive

独特な風貌のお城だった。
僕らは乗り物から降りて、お城にはいった。(アイズィーのおかげで)王族との面会もかなった。

「レイトン先生」
ロチェスさんが話しかけてきた。
「なんだい、ロチェス」
「この国…ウィダード王国には、時のとまった姫がいます」
「成長してないとか…?」
「違うよ、ルーク君…だったかな」
「…はい」
では、時が止まっているというのは…
「彼女の心の中は、12のままなんです。心だけね。
何故それが起きたのか、まだ解明されていないそうで……。
容姿もめちゃくちゃで、がりがりにやせ細ってるとか」
「……かわいそうに」
アンネさんが言葉を漏らした。
「私、お姫様にまだ見たことのないでしょう世界をかたりたいわ。
恋や、幸せ。
草木がはえ、ハーブが爽やかな香りを放ち、うつくしい花は咲きほこる。その庭を駆け巡る。
その時の幸せを語りたいわ」

アンネさんの瞳は輝いていた。


†††††††††††††††††††
面会できるのは、4名まで。
ということで、タイムマシンの正式な調査隊だけが面会にでた。
アイズィーなしで……

2010-04-25 20:35:08


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