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レイトン教授と魔女の涙

ウィザー

遂に、2作目を始めることができました!
 前作よりも長編になる予定であります。
 1作目より、行動範囲を広げようかと・・・・・・。
 2作目も、よろしくお願いします!!

2010-01-30 20:39:17


ウィザー

さて、いい加減、本目的の魔女に近づいてもらいましょう。
次は、ルーク目線で行きます。


   【続き】


 ロザリーさんに導かれるように、僕は一階にある、食事をするあの部屋に向かった。
 ロザリーさんは、僕の少し前を歩きながら言う。
「儀式の間は、魔女と錬金術師父兄にしか分からないような場所に造られたの。
 いいえ、誰も予想できない場所に造られた、とも言えるわ」
 そう言って、ロザリーさんは部屋の中を早歩きで突っ切り、キッチンへと入っていった。
 僕も、ロザリーさんの後をついて行く。
「キッチン……ですか?」
 こんなところが、儀式の間なのだろうか?
 普通の家の3倍ほど広い、このキッチンが……。
 暖炉の前に屈みつつ、ロザリーさんは苦笑した。
「いいえ。
 このキッチンの中にある暖炉が、儀式の間に繋がっているの」
 だ、暖炉が……?
 ロザリーさんは手招きをし、暖炉に近づくように言った。
 急いで、ロザリーさんの隣に膝をつく。
 ロザリーさんは、確かめるように部屋に目を一度やった。
「一応、鍵はかけておいたから、人がやってくる心配はないはず……。
 ルーク君。これからのことは、誰にも言っては駄目だからね?
 レイトンさんにも、カールさんにも。
 ここは、企画最終日に訪れる場所なのだから」
 ロザリーさんは、念を押すように言った。
 僕は、ロザリーさんに信用してもらえるように、英国少年らしい返事をした。
 ロザリーさんはニッコリと微笑むと、ワンピースのポケットから、鍵を取り出した。
「儀式の間へと繋がる道は、鍵がかけられているの。
 この鍵も、私とイヴしか持っていない」
 ロザリーさんは、大きな暖炉の中に上半身を突っ込んだ。
 え、えぇっ!?
「ルーク君も、入って」
「は、はい……!」
 僕も、上半身だけ、暖炉の中に入れた。
 暖炉の中は、部屋の明かりで少しだけ明るい。
 けれど、よくは見えなかった。
 ロザリーさんは、暖炉の中の中心に、鍵を近づけた。
 そして、鍵を鍵穴に入れるのではなく、そこを鍵で何度も叩いた。
 けれど、なにかリズムがある。
 タンタンタタタン タッタタタタン
 このリズムを、四回繰り返した。
 鍵と暖炉が、甲高いけれど心地の良い金属音を奏でる。
 余韻が消え去った時、何かが動く音がした。
 ロザリーさんが、僕を外へと引っ張る。
「下がって、ルーク君。
 道が開くわ」
 ロザリーさんも、いったん暖炉の外へ出た。
 暖炉の中からは、地面をわずかに揺るがすような低い音が聞こえる。
 けれど、外からは暖炉の中で何が起こっているか、全く分からない。
「な、なにが起こってるんですか!?」
「儀式の間に繋がる道が開いているの。
 さっき、鍵でリズムをとりつつ叩いたのは、道を開けるため。
 この鍵で、あのリズムで4回叩かなければ、道は開かない。
 面白いでしょう? この鍵で叩かれた音が鍵になっているのよ」
「す、すごい仕掛けですね……」
 それしか、言えなかった。
 今まで、いろんな鍵を見てきたが、ここまでおかしな鍵は見たこと無い。
 これでは、誰も儀式の間に辿り着けないに決まってるじゃないか!
 音が、ぴたりと止まり、静寂が訪れた。
「さぁ、行きましょう」
 ロザリーさんは、暖炉の床にぽっかりと開いた穴を手で示した。
 穴の中には、長いはしごがかかっている。
 これが、儀式の間へと繋がる道……。
 僕は、生唾を飲み込み、その穴を睨んだ。
 こ、怖くなんか無いぞ。
 レイトン先生の一番弟子なんだから、助手なんだから。
 未来の英国紳士が、大きな謎を前に足踏みをしている場合ではない!
 僕は、この先に待ち受けているかもしれない困難と闘う決心しながら、穴の中へと消えるロザリーさんを追った。

2010-03-21 15:07:10


ウィザー

~ハッピー~
こんな長ったらしいものを読んでくださり、ありがとうございます!
イヴは、個人的に扱いにくくて困る奴で……。
けれど、頑張ってイヴを扱えるようになって見せるからね!

カ「本当に、なんでイヴが人気なんだろう? こ~んなコワ~イお譲ちゃんなのにぃ」
イ「怖くない! 普通!」
ル「まぁ、カールさんよりも人気なのが普通ですよ。でも、イヴは普通じゃないですね」
カ「槍、ナイフ……本当に、危なっかしいよ」

2010-03-21 15:17:16


ウィザー

今日も、調子ぶっこいてます。


   【 魔女を探せ 】

 
 カツーン……。カツーン……。カツーン……。カツーン……。カツーン……。
 道に響きわたる不気味な足音。
 これは、間違いなく僕とロザリーさん。
 ロザリーさんが手にしている懐中電灯が道を覆う闇を裂く。
 道の中は、とてもヒンヤリとしていて、多少湿度が高い。
「ルーク君、寒くない?」
 ロザリーさんが気遣うように僕に言う。
「はい、大丈夫です!」
 僕は、元気よくそう言った。
 声はそうだけれど、心の中は全く元気じゃない。
 本当に、何かが出てきてもおかしくない場所なんだ。
 けれど、何もでない。
 いつ出るか分からないこの感じが、耐えられない。
 お化け屋敷よりも、度胸がいるぞ。
 ロザリーさんは、全く同じ歩幅で楽しそうに前を進んでいく。
「なんだか、牢屋のようじゃない?」
「そ、そうですね……」
 言われてみると、確かに、灰色に覆われているから牢屋に思えなくは無い。
 ロザリーさんは、絶対に楽しんでいる!
 その時、突然、首元に冷たいものが!
「うわあああぁぁぁぁっ!!!」
「ル、ルーク君!?」
 慌てながら、首元を押さえた。
 なんだか、首が濡れている。
「水滴よ。天井から、水滴が落ちてきてみたい」
 ロザリーさんは、落ち着いた声でそう言った。
 す、水滴……?
 と、とっても心臓に悪いじゃないか。
 本当に、心臓が飛び出るところだった。
「わ、分かれ道?」
 目の前に広がるのは、2本の道。
 このどちらかが、儀式の間へと繋がるものだろう。
 その道の中央に、看板が立っている。
「ものをしかと見る者に奇跡あれ。
 右、儀式の間。左、犠牲の間。
 ……だそうですね」
 僕は、看板を読み上げた。
 儀式の間以外に、犠牲の間というのもあったのか……。
「ルーク君、どちらが儀式の間だと思う?」
「え? 右に決まってるじゃないですか」
 僕がそう言うと、ロザリーさんはニッコリと微笑んだ。
「素直すぎると、天使に化けた悪魔に浚われてしまうわよ?」
 そう言い、ロザリーさんは、看板の後ろに回った。
 看板の後ろに、何かが書いてある!
「ものを全て見ることなく奇跡を欲す哀れな子羊は、己の愚かさを知ることなく生贄になるため右へゆく」
 ……つまり、犠牲の間が、右?
 ロザリーさんは、大きくため息をついた。
「本当に、この道を造った人は、酷いと思うの」
「そうですね……」
 危うく僕は、哀れな子羊になるところでした。
 僕達は、左の道を選んだ。
「犠牲の間は、この道の大きなカラクリを動かしている大きな部屋なの。
 この部屋に入っても危険ではないのは、あのカラクリを知りきっている人だけ。
 何も知らない人が部屋に入って進んでいくと、複雑な歯車たちを紅く染め上げることになってしまうから、気をつけてね」
 ものすごく遠回りに言ってくれているが、恐ろしい結果になることは、よく分かった。
「カラクリ……?」
「えぇ。ここは、カラクリがすごいの。
 私の家系だけは皆、この館をカラクリ魔女の家と呼んでいるの。
 大昔からあったのに、面白い仕掛けが残っているから。
 今の精密機械とは違って、ほとんどが歯車や自然の力を利用した仕掛けなの。
 あの暖炉の道も、音に反応して、とある部品が動き、その部品が動いたことによってまた違う部品が動き、何個もの部品が動いた時、あの道が開く仕組みだったの」
 ロザリーさんは、手を使いながら説明してくれた。
「カラクリは、まだまだあったと思うのだけれど……、多すぎて忘れてしまったわ。
 いや、全く使わないから、もう覚えていないと言った方が正しいかも」
 ロザリーさんは、恥ずかしそうに微笑んだ。
 そうか。ここは、カラクリ魔女の家とも呼ばれる館だったのか……。
 けれど、全く仕掛けと出くわしていないから、あまり実感がない。
 そう言う僕に、ロザリーさんは言った。
「大丈夫。進んでいけば、邪魔されることになるから」
 出来れば、邪魔されたくは無いのだけれど……。

2010-03-21 16:09:49


ハッピー

ひょえぇ・・やっぱウィザーはすごいねぇ☆
はっ!一日に何回もコメントしちゃってごめんね(泣)次からは気をつける!!
私もルークと一緒で哀れな子羊になるなぁ
きっと(汗)

2010-03-21 18:29:21


riddle

私、ネタになるような事言ったかな?
リデル「カールさん、ヨアンさん大丈夫です。逆に縄をたぐり寄せてセシリーさんを捕まえますから!」
ヒナタ「さすが、負けず嫌い。でもその後はどうするの?」
リデル「考えてない!」
シ・ヒ「……馬鹿?」
↑スルーしちゃって下さい。

ルーク大丈夫かな…?ウィザー、今後の展開を楽しみにしてます☆更新頑張ってね[d:0146]

2010-03-21 21:46:45


lemon

扉が閉まってルークとロザリーさんが閉じ込められてピンチになったとこで全員集合で、儀式の間で先生が華麗に謎解き……(スルーしてください)
なんか心配だなぁ、色々。更新頑張って[s:0033]

ク「そういや、セシリーさんって小説家だったっけ」

ファ「本当? 僕、将来小説家になりたいんだ」

ク「……叶うといいな(やばい、なんも言えない)」

ちなみに私の将来の夢も小説家です[s:0062]

2010-03-21 22:07:06


ウィザー

~ハッピー~
全然OKだよ! コメントが多いのは、嬉しいことですから♪

ル「哀れな子羊は、誰に食べられちゃうんでしょうか……?」
ロ「それはもう、可愛い可愛い歯車ちゃんたちの餌食になるのよ。
 食べられる時は、歯車に巻き込まれつつ、潰されて……」
ル「ロ、ロザリーさん! やめてください、本当に顔が怖い事になってます!」
ロ「大丈夫です、ハッピーさん。生贄になる前に、私が助けに参ります♪」

~riddle~
本当に、ちょっとした言葉が、大きいネタになるんだねぇ……。(しみじみ)

ル「さすが、riddleさん!」
セ「ふふふふふ、甘いわね。
 クフフフフッ。ありがたく思いなさい、超有名小説家の助手になれることを!(ここで高笑い)」
ヨ「……お酒、飲みましたね。セシリーさん」
カ「だいじょーぶ! 絶対riddleさんの方が強いし、セシリーさんより良い小説書いて、バカ売れするから」

~lemon~
lemon、私も心配になってきました!
惜しいことに、まだまだ謎解きは後となりそうです…(泣)

セ「ファー君、夢を見続ければどうにかなれるもんよ!」
ヨ「ファ、ファー君っ!?」
セ「気にしないで、ヨアンさん。これから、この子はファー君という異名を……!!」
ヨ「素晴らしい妄想タイムに入りましたね。ついでに、どちらかというとニックネームと言いますか……。
 って、誰がまたセシリーさんに酒を勧めたんですか!?」

私も、副業で小説家を目指したい感じだよ~♪

2010-03-22 13:23:05


ウィザー

ここで大体のカラクリが、暴れます

   【続き】

 
 闇の中の楽しい楽しいカラクリ道を進みます……。
 本当に、精神状態がまずい。
 なかなか現れない儀式の部屋を求め、彷徨う亡霊のようになっている。
 そんな僕と対照的なのが、ロザリーさん。
 とても元気。すこぶる上機嫌。
 その力を、僕に分けてほしいのだけれど……。
 あぁ、レイトン先生について行けば良かった。
 今頃になって、という後悔が僕を襲う。
 ロザリーさんが、壁を指差す。
「ここも仕掛けがあるのよ」
 そう言って、壁にはめ込んである緑色の宝石に手を伸ばし、それを壁から取った。
 そして、ロザリーさんは僕を引っ張り、今いたところから遠ざかった。
 僕も、ロザリーさんに引きずられるような形で遠ざかる。
 そうされつつ、僕は絶句するしかなかった。
 さっき、僕達が立っていたところから、包丁サイズの剣山のようなものが現れたのだ!
 な、なんだあれは!?
 ロザリーさんは、手に持っている宝石を僕の手に乗せ、微笑んだ。
「あれは、殺人カラクリ。
 宝石に目がくらんで、これを壁から取り外した人は、床に仕掛けてあったものによって、串刺しになるの。
 制限時間は2秒。この間にあそこから逃げないと、あの剣山を紅く染めることになる」
「に、2秒なんですね……」
「そう。あれが出てくるまでかかる時間が2秒なの。
 宝石が取り外されたことによって、剣山を動かさないようにしていたストッパーが外れ、剣山が出てこれるようにまた歯車が動き回る」
 ロザリーさんは、僕から手を離した。
 な、なんて心臓に悪い仕掛けなのだろう……。
 ロザリーさんは、顎をつまみながらうなった。
「この道の仕掛けを、全て発動させましょう。
 どうせ、四日後に皆様がここを通られるし……。
 間違って、こういうものに手を伸ばしカラクリの餌食になってしまわれたら大変」
 ……本当に、怖い。この道は!
 カラクリ殺人とかはよくあるけれど、殺人カラクリなんていうものは、初めてだ。
 いや、普通は一生お目にかかれないはずなんだ!
「ルーク君。これから、私から絶対に離れてはいけないからね」
「は、はいっ」
 ロザリーさんは、見た目によらず怖い方なのかもしれない。
 カールさんに言っても、信じてもらえないだろうな……。
 ロザリーさんは、次々と壁や床に手を伸ばしていく。
 そのたび、恐ろしい殺人カラクリと出会う羽目になった。
 突然、床に穴が開いたり、上から大きな逆剣山が降ってきたり、壁から刀がたくさん飛び出してきたり、道に飾りとして立っていた鎧が動き始めたり、不気味な笑い声とともに粘着性のある水が降ってきたり……。
 色々なカラクリの中でも一番怖かったのは、棺おけ。
 何故か、見事な装飾を施された棺おけが道に置いてあるのだ。
 ロザリーさんは、棺おけの方に平然と歩いていく。
 僕も、慌ててロザリーさんを追いかける。
 な、なんだか、ふたが開いて変なのが出てきそうだ……。
 ロザリーさんが、ぴっと人差し指を立てる。
「ルーク君、面白いのが出てくるから、気をつけてね」
 お、面白いものに気をつけるのか……。
 ロザリーさんは、壁に立てかけてあったレイピアに手を伸ばした。
 そして、それを手に、ゆっくりと棺おけに手を伸ばす。
 レイピアを手にするロザリーさんも、また美しい。
 いや、本の中に出てくるような女戦士のよう。
 ロザリーさんは、思いっきり棺おけを開けた。
「ヒャハハハハハハハハハハハハハハハ!! ヒャアアァハハハハハハハハハハハハハハハハァ!!」
 身の毛もよだつ笑い声とともに、何かが飛び出した!
「わ、わぁぁぁっ!」
 裏返った奇声を上げ、床にしりもちをつく。
 ロザリーさんはそれに動じることなく、すかさず手に持っていたレイピアでそれを貫いた。
 ぴたりと笑い声が止まる。
 そして、ロザリーさんはレイピアをそれから抜き、それを棺おけへと戻した。
「ルーク君、大丈夫?」
「も、もちろんです! ろ、ロザリーさんこそ、大丈夫ですか?」
「えぇ」
 ロザリーさんは、レイピアをそれにもう一度突き刺し、にっこりと微笑んだ。
 僕は、恐る恐る棺おけに近づき、好奇心に負け、その中をのぞいた。
 そこにあるのは、ロザリーさんに似た女性。
 ロザリーさんは、大きく息を吐いた。
「魔女をモデルにした、殺人人形。
 この棺おけが、この人形の動きをとめるもので、それが開くとこれが暴れだすの」
 棺おけのふたには、いろんな突起がついていた。
 これが、この人形を封じ込める鍵……。
 さっき、ロザリーさんが手にしたレイピアも、この人形の動きを止める鍵だという。
 ロザリーさんは、服の汚れを払った。
「これで、多分全てのカラクリを発動させたはず……。
 もう安心して進めるからね。ルーク君」
 ロザリーさんは、温かな笑みを浮かべた。

2010-03-22 14:09:09


ウィザー

ルーク、殺人カラクリ地獄から脱出!


   【続き】


 ロザリーさんに導かれ、僕は大きな扉の前に到着した。
「ここが、儀式の間……」
「そう。もう、この扉に仕掛けは無いから、普通に入れるわ」
 そう言って、ロザリーさんは扉に手をやり、大きく開いた。
 扉の奥から、目のくらむような光が差し込む。
 道は、部屋に溢れる光により、闇を裂かれる。
 ロザリーさんは、手に持っていた懐中電灯を消した。
「さぁ、入りましょう」
「は、はい!」
 ロザリーさんに促され、部屋の中に入る。
 僕が入ると、ロザリーさんはゆっくりと扉を閉めた。
 儀式の間は、大きな一つの部屋と言える。
 壁には、魔女と錬金術師の大きな絵画。
 部屋の隅々には、錬金術師と魔女の石像。
 窓は無いというのにも関わらず、真っ赤なカーテンがかかっていた。
 床は、道のように灰色だが、美しい。
 紋章なんて、床にはない。
 ロザリーさんは僕に言った。
「ここが、儀式の間よ。
 ここで、錬金術師は不思議な粉をまき、紋章を描き、その紋章の中心で、魔女は泣き、奇跡を起こした」
「すごいですね……錬金術師は」
 この床に、どう紋章を描いたのだろう?
 それも、粉だけで。
 僕は、色々と部屋を調べた。
 まず、方位の確認。
 鞄の中から、愛用の方位磁針を取り出し、手に乗せた。
 そして、くるくると回る針が静止するのを待つ。
「あ、あれっ? お、おかしいなぁ……」
「どうしたの?」
「なぜか針が回り続けるんです」
 おかしい。僕の近くに、磁石なんてないのに、針はメリーゴーランドのように、ティーカップのように回り続ける。
 この方位磁針がおかしいということは、絶対にない。
 なにか、この部屋に仕掛けがあるのかもしれない!
 方位磁針を鞄の中にしまい、部屋を歩き回る。
 壁をレイトン先生のようにコツコツ叩いていた時、一箇所だけ、音が違うところを叩いた。
 よく分からないけれど、ガコンといったのだ。
「ガコン?」
 そう呟いた時だった。
「わ、うわぁぁぁぁっ!!」
 どこからか、立っていられないような強風が吹き荒れた。
 思わず、大きくしりもちをつく。
 カーテンが暴れ周り、絵画が翻り、石像ががたがたとゆれる。
 な、なんだ、この風は!
 風は、5秒もしないうちにおさまり、部屋はまた静けさを取り戻した。
「ル、ルーク君、大丈夫?」
 ロザリーさんは、髪を整えながら僕のところへ駆けつけた。
「は、はい」
「良かった。でも、今の風は凄かったね。あぁ、面白かった」
 ロザリーさんは、満面の笑みでそう言った。
 かなり心臓に悪かったけれど、とても面白かったかもしれない。
 いきなり、この外気の入らない場所で、あれだけの強風が吹いたのだから!
 怪奇現象とでも、言うべきなのだろうか!
「はい!」
 僕は、もう一度あの強風を起こしたくなった。

2010-03-22 14:32:45


ウィザー

ルークには頑張ってもらったので、次は教授たちに頑張っていただきましょう。
今回は、レイトン教授目線で行きます。


  【続き】


「分かります分かります! 頭脳で戦っても、最終的には肉体戦になるんですよね!」
「そうだ! よく分かってるなぁ!
 捕らえるのも、やはり力! ごろつき相手には良いもんよ!」
「さすがです、グロスキー警部!」
 私の後方は、なにやら盛り上がっているようだ。
 カールとグロスキー警部は気があうようで、すぐにくだけた話し方になっていた。
 最初の方はおびえていたカールも、今はそれが嘘のようだ。
 グロスキー警部相手にジョークを言い、笑わせている。
 カールとグロスキー警部が、フレンドリーだから、ここまで早く打ち解けたのかもしれない。
 魔女の伝説については、カールに語ってもらい、グロスキー警部も大体は理解したようだ。
「なつかしいなぁ。かくれんぼなんてしてる」
 カールが、公園で遊んでいる幼い子ども達をうらやましそうに見る。
 決して、懐かしそうに見ているのではない。
 うらやましそうに見ているのだ。
「カール。ここがヘルが目撃された公園かい?」
「はい! そして、紙をビッリビリに千切って、この公園の近くにある川にそれを流しに行ったそうですよ」
 公園後は川。その後については不明……。
 公園には、3歳ぐらいの子供から、ルークと同じ年ぐらいの子供がいた。
 ルークは、上手くやっているだろうか。
 彼のことだから、心配することはないが、無理をしていないだろうか……。
 いつもは隣にいるルークがいないというのは、なぜか違和感がある。
 彼は、私の見ていないところを見ている、優秀な少年だ。
 優秀な助手、弟子がいないのは、何年ぶりだろうか。
 そう、考えていた時、カールが私を呼んだ。
「教授! 教授!」
 カールは、ベンチに座っている老人と話していた。
「いいことを今、訊いてるんですよ」
 私は、老人に軽く挨拶をした。
 老人は、私がいないところに向かって礼をする。
 もしかしたら、目が不自由な方なのかもしれない。
「このお若いサンのお友達かい?」
 やはり、目の不自由な方だ。
「いえ。彼は私の生徒です」
「ほう……」
 老人は、日光浴をしながら微笑んだ。
 カールが、老人の手を握る。
「おじいさん、さっきの続き、教えてくださいな!」
「さっきの続き……?」
 私がそう呟くと、グロスキー警部はうなずいた。
「なぜ、あの館に住んでいた女性が魔女と呼ばれるようになったのか、カール君がだめもとで訊いたんだ。
 運の良いことに、このご老人は、それを知っているらしい」
「本当ですか?」
 私がそう、グロスキー警部に言うと、老人は微笑んだ。
「そうじゃ。わしの祖先が、魔女に会ったことがある」
 老人は、ゆっくりと語り始めた。
「わしの家系は昔、盗みに働くものだった。
 わしの先祖は、この街にある大きな屋敷に目を向け、屋敷へと仲間とともに向かったという。
 館には、全く金になるようなものが無かった。
 そこで、その館に住む娘を売ろうと、娘を追ったのじゃ。
 娘は、館の隠された道に入って行き、それをわしの祖先たちも追いかけた」
 そこで、老人の笑みが消えた。
 そして、声をおとし、言った。
「道に入ったまでは良かったんじゃが……。
 命を落としていったんじゃなぁ、これが。
 娘を追いかけて、な。
 娘が走った後、どこからか武器が現れるわ穴が開くわ……。
 娘は人間を操り、祖先たちを襲うわ……。
 誰一人として娘を捕らえることは出来なかった。
 結局、祖先と生き残った仲間は、館から逃げ出し、あの娘を魔女と呼ぶようになった。
 そして、怪しげな本を手に何かを生み出す、娘の父と兄を、錬金術師と呼ぶようになった。
 それだけの話じゃよ」
 老人は、目を閉じたままそう言った。
「あの、おじいさん。それはいつの話です?」
 カールは、真剣な表情で言った。
「確か、この街が地獄かする少し前の話じゃよ」
「そうですか。ありがとうございます」
 私たちは老人に礼を言い、その場を去った。
 カールが私の背中をつつく。
「教授ぅ。もしかしたら、魔女って人間だったんじゃないですかぁ?」
「そうだね。今の話を聞いていると、そのような感じだった」
「けれど、不老不死なんて無理だし……。
 思ったんですけど、奇跡の後、誰か魔女に会ったんですかね?
 不老不死不老不死言ってますけど、本当に誰かちゃんと見たんでしょうか?
 イヴが言っていたように、話が大げさになっていただけなんじゃ……」
 カールは、肩を落としながら言った。
 確かに、そう考えられる。
 けれどイヴは、今も魔女はいると言った。
「病で魔女が亡くなっていたと考えれば、我々が考えていたように、石像や絵画が涙を持っているのかもしれないね」
「教授! 頭が混乱してきました!
 ていうか、魔女は単なる娘だった可能性も出てきたし!
 普通の女の子が、宝石の体液なんか流さない!
 そう考えると、その娘をモデルにした石像や絵画に仕掛けが!?」
 木に頭を何度もぶつけているカール。
 それを、グロスキー警部が強制的にやめさせる。
「落ち着くんだ、カール君。
 ほら、もう気が付けば夕暮れ時だ。多分、疲れているんだろう。 
 レイトン、ここはもう引き上げた方が良いんじゃないか。
 今まで集めた情報や、俺が持ってきた情報をまとめたらどうだ?」
 グロスキー警部の言うとおりだ。
 混乱にしたなか、聞き込みを続けても無駄だろう。
「そうですね。今日はここあたりで引き上げましょう」

2010-03-22 15:34:19


ゆうん

自分の小説で忙しいもんだから最近来られないでいるゆうんを許してくだされ。。。(誰だよw
うーん←
レイトン達,ちゃんと魔女の涙探せるのかな・・・時間が無くなってきてるから(母親!?

2010-03-22 16:27:46


ハッピー

うーーんレイトン達もルークもがんばってるね☆(なぜか上から目線)私は、方位磁針と突風が気になるなぁ・・・

2010-03-23 12:54:51


town

グロスキー警部意外と言うね!
方位磁針....北極や南極じゃないし...どうしてだろう...?

2010-03-23 23:09:14


ウィザー

~ゆうん~
小説開始されていたのですね!(遅)
時間があるときに、参ります!

カ「ほら、ゆうんお母様の言うとおりだよ」
ル「カールさん。ノリで言うのはやめてください」
カ「僕、ビーフシチューが食べたいな。ゆうんお母様」
ル「カールさん!!」

~ハッピー~
方位磁針と突風は、かなり大切です!
いや、方位磁針が大切で、もう何人か、どうやって錬金術師が粉だけで紋章を描いたか、感づかれていると思います。

セ「方位磁針がぴったりと止まらないと、いらいらするのよねぇ」
ヨ「だからといって、破壊行動には出ていませんよね?」
セ「この方位磁針は、18代目よ」
ル「ど、どれだけ破壊されているんですか!?」

~town~
グロスキー警部、なんで出てきたんでしょう!?
南極北極が分からないというのは、近くに磁石や方位磁針の針を導くものがあるということ、となると……?

ル「目が回ってきますよね」
カ「これ、トンボに見せたいなぁ。あ、セシリーさんでもいいかな」
ル「つまり、セシリーさんが出てきたということは、眼鏡をかけた人にやってみたいと?」
カ「ほら、眼鏡のレンズって、トンボの目みたいじゃないか」
ル「それは、カールさんだけです」

2010-03-24 17:09:00


ウィザー

少し、出番が少ない人たちにも出るところをあげなければ……。



   【続き】

「グロスキー警部。最初見たときはびっくりしましたよ」
 僕は、大きなグロスキー警部を見上げた。
 グロスキー警部が僕を見下ろす。
「まぁな。レイトンから、話を聞いてここに来たんだ」
 話によると、グロスキー警部はゴヴァン町長に “ 遅刻した参加者 ” ということにして、この企画に乱入したらしい。
 まだ、警察が出てきたということは、黙っておくようだ。
 ゴヴァン町長は、こんな人知らんが良いだろう、という顔をして参加を認めてくれたらしい。
 けれど、ゴヴァン町長は、グロスキー警部が参加者だということを不審に思っているようだ。
 最初、グロスキー警部を夕食の時間に見たときは目を疑った。
 それどころか、手に持っていた水を危うくグランドさんにぶっ掛けるところだった。
 けれど、この筋肉の塊ともいえよう体型と、青いリーゼントをもつ人は、この人しかいない。
 グロスキー警部は、豪快に笑い飛ばしながら、周りのとげとげしい目線を受け流していた。
「あらら。敵が増えちゃったじゃない」
 セシリーさんは、ブロッコリーを摘出しながら、面白そうにそう言っていた。
 ヨアンさんも、苦笑していた。
 グランドさんといえば、完全なる無視。
 自分が一番最初に涙を見つけられると確信しているようだ。
 ロザリーさんは、新しい部屋の準備に終われる羽目になり、イヴも忙しそうに走り回っている。
「警部、なにか前町長について分かったことはありますか?」
 僕は、ゴヴァン町長の耳に入らないように言った。
 グロスキー警部は、頭を振るだけ。
「明日から、本格的な聞き込みを始めるつもりだ」
 グロスキー警部、単独の聞き込み……。
 はたして、真実は手に入るのだろうか。
「ヘルや! まだか!」
 僕の斜め前で、ゴヴァン町長が空になったワインのビンを指ではじいている。
 ヘル、と言われたイヴは、露骨に嫌な顔をしながら、新しいワインを持ってきた。
 ゴヴァン町長はワイングラスを手に、なにかイヴに文句を言っている。
 イヴはそれを冷ややかな目で見ているだけ。
 完全に、ゴヴァン町長は酔っている。
 ゴヴァン町長は、イヴのことをずっとヘルと呼び続けた。
 そのたび、イヴは目でゴヴァン町長を殺していたような気がする。
 グロスキー警部が僕の肩を突付く。
「あの女の子、ヘルっていうのか?」
「違います。イヴって言うんですけど、ゴヴァン町長はヘルっていうことがあるんです」
 たいていが、酒に踊らされている時や、急いでいる時。
 いい加減、イヴの名前をしっかりと言えるようになればいいのに。
 グロスキー警部が、ゴヴァン町長に話しかけた。
「町長さん。町長さんはこの企画の間、ここに泊まっているんですか?」
「そりゃぁ、もちろん。皆様の身になにかあったら、大変だからねぇ」
「ほう。でも、奥さんとかお子さんは家で?」
 グロスキー警部が明るく訊く。
 それに対し、ゴヴァン町長は寂しげな顔をした。
「妻は病死して、私の娘は交通事故で逝ってしまいましたねぇ。
 娘にそっくりの孫も死んで……。
 今や私一人ですよ」
 ゴヴァン町長は、大切な人を全員、失っているようだった。
 なんだか、とてもかわいそうに思える。
 グロスキー警部も、複雑な表情をしていた。
 そんな中、同情なんかしてやらないぞオーラを出し、ニヤニヤと笑っているのはカールさん。
 いつの間にか、僕とグロスキー警部の間にいた!
「へえぇ……。自分以外無し。家族は妻と娘と孫……。
 ていうか、この人と結婚した奥さんの顔を見たいよ。
 こいつと違って、めちゃくちゃ美人だったんだろうな。イヴと孫が似ているって言うぐらいなら」
 ゴヴァン町長に聞こえないように一人で呟くカールさん。
 僕はその足を思いっきり踏みつけた。
 カールさんが、声にならない悲鳴を上げる。
 ……本当に、この人は手に負えない青年だ!

2010-03-24 17:39:48


ウィザー

どうやら、グロスキー警部はグランドさんを知っているようです。


  【続き】


 突然、グロスキー警部がはっとしたように身を引き締めた。
 そのただならぬ行動に、僕とカールさんもつられる。
「ど、どうしたんですか?」
 僕がそう訊くと、グロスキー警部は僕とカールさんの耳元に顔を寄せた。
「あの感じの悪い男、グランド・ローリーだよな?」
「あ、はい。そうですよ」
 カールさんも、珍しく声を落としながら言う。
 グロスキー警部は、さらに声を落としていった。
「あの男は、チェルミーが捕まえたことのある窃盗犯だ」
「……っ!!!」
 頑張って、声を出さずに叫ぶ僕とカールさん。
 それにグランドさんが気付く。
 ま、まずい!
 僕達は、微妙な笑い声を上げ、グランドさんから目を強引にそらした。
「警部、どういうことです!?」
「言ったとおりだ。最近、釈放されたばかりだ。
 宝石やら美術品やら、結構盗みにくいものを盗りやがった奴でなぁ、案外頭脳派なんだよ。
 その点、俺はお手上げで、チェルミーが捕まえたんだ」
「宝石に美術品……。なんか、こだわりみたいなのがありそうっすねぇ」
 カールさんは、顎をつまみながらそう言った。
 確かに、美しいものを、価値のあるものを盗んでいる。
「あぁ。全て、価値のある美術品や、高い宝石を盗っていた。それを全て、闇市や裏のオークションにかけていた。
 美術品は、回収が大変だったさ」
 遠い目をしながら語るグロスキー警部。
「生まれ育った環境が最悪だったのが、奴の犯罪に繋がったと言われている」
「環境?」
「あぁ。貧しいならまだしも、虐待を受けるのは日常茶飯事、親に命令され盗みを幼い頃からさせられ、と、まぁ、荒んだ人生だったわけだ。
 最終的には、捨てられたんじゃなかったかな」
「えっ!?」
 グロスキー警部の話によると、グランドさんは14歳の時に捨てられたという。
 それからは、心優しい人がグランドさんを孤児院に導いてやったとか……。
「酷い話ですね」
「両親の仲が悪かったことが原因らしいけどな。
 そんな少年時代を送ってきたからか分からんが、必要以上に金が手に入った時は、家が無いためにマンホールや駅、川のほとりで暮らしている子ども達に、その金を恵んでやっていたらしい」
 それにも驚かずにはいられない。
 また、怪しい絶叫をする羽目になった。
 あの怖いグランドさんが? 子供に、余った手柄を?
「まっ、今やグランドも窃盗はしてないから、関係ないんだけどな」
 そう言いつつも、グロスキー警部の目は、獲物を前にした肉食獣のようだった。

2010-03-24 18:01:16


town

グランドさんが、意外!

2010-03-24 18:18:50


みっきー

はじめまして
一通り読んだけど、難しかったです・・・・・・
でも、面白いので更新がんばってください

2010-03-25 13:20:13


彗柳

いつの間にこんなに進んでいるんだい?もうこの短時間じゃ読みきれないじゃないか…ただでさえ隠れてやっているのに…

終わった!一作目終わった!はねっ毛ラウス君の話終わった!

2010-03-25 13:24:07


ウィザー

~town~
えぇ、超意外です。今回の正規参加者達は、なにかありそうです。
簡単な共通点があるようです。

ル「そんな良い人だとは、思っていませんでした!」
カ「こらこら、本音を言っちゃあ駄目だよ? あの鷹に成りきったハゲタカ、なんて」
グ「あん!?」
カ「あっはっはっは、どうしましたかぁ~?」

~みっきーさん~
初めまして!
この長ったらしいものを読んでくださり、ありがとうございます!!

カ「ほぉら! 筋が通ってないから、混乱を招く話になってるじゃないかぁ!」
ウィ「分かってます、分かってます!!」
セ「ほんとに、これはどうなってるの? あんた、少し起承転結を作ればどうかしら」
ウィ「分かってます、分かってます、分かってますから、苛めないでよ。この変人!」

~リュウ~
お久です!
どうやらまだ、禁止令は解けていないようだね。
完結!? おめでとうです! 
時間があったら、すぐに読みに行きます!

セ「おっめでと~!」
カ「わ~~!!」
(クラッカーで派手に)
カ「さて、この話も、 “ 一応 ” 終盤に入りかけているようだね」
セ「そう、一応、ねぇ」

2010-03-25 13:36:48


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