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レイトン教授と死炎の妖言

キョウ

.


- 前 口 上 -



 永遠不変の常闇の最中に、燃え上がるひとつの灯火がある。
極彩色に瞬き、激しい乱舞を繰り広げる孤独な焔(ほむら)。
それは憎悪の象徴。それは畏怖の具現。それは誰その強い願望。
揺れ動く様は狂乱の舞にも、戦慄を垣間見た身の震えにも酷似する。
そして焔――炎は、闇夜の最中でぼうと燃え盛った。
対に分かれた双生の炎火。さながらそれは、暗がりで苛烈に煌めく一対の眼のようであった。
……そう、滾る血潮に身を委ね、本能がままに跋扈する、獰猛な獣のそれの――――。

 さあ、群がり巣食う民草よ。
幸福を謳歌せよ。平和を称えよ。己の愚悪に安堵せよ。
彼等の与り知れぬ場所で、悲劇は常に繰り返され、殺戮は終止符を打つことを忘れる。
さあ、その濁りきった眼(まなこ)を開きて括目せよ。
異形の獣は、すぐ間近に……――――。


***


前書きを無駄に着飾ってみましたw やっぱり始めが大切ですからね(オイ

兎にも角にもお久しぶりです。
度々此処の管理人様や利用者様方にお世話になっております、『キョウ』と申します。
掲示板に通い続け早三年近くなりますが、まだまだ生兵法野郎に変わりはありません。今後とも末長くお願いしますorz

今まで書いてきた小説は諸事情があり一層して戴きましたが、本作こそはなんとか完結させてみせます!(目標宣言)
心機一転、これからも(恐らく)書き連ねていく予定です。……何事も徒然に^^*
主体や描写はダーク風味に設定してあります。既製品のレイトン小説がわりと読みやすい一方、本作はノベル一筋で書いていきます。
故に、軽読者様の方には結構な苦痛になるやもしれません;;
謎解きのトリックは出来るだけ現実的に模索しております。
ですが前記にもありました通り自分はまだまだ生兵法、しかもお墨付きときております故、実際の設定や思考とは百八十度違かったするかもしれません(わあガッカリ!

そしてそして、時たま矛盾した点や著者自己満の内容なんかも出てきたりするかもしれません――寧ろ絶対出て来ます!
そんな駄文の塊でも少しでも興味を抱いて下さった方、所謂神様のみ進まれることをおススメします。
あ、その前にいくつかご注意を。(ホント長々とすみません;;

【あてんしょん!】
 ・最低限のマナーは守って戴くようお願いします。
(また、主はチキン故、やれ荒らしやら、やれ誹謗中傷やら、やれ喧嘩はなどには尻込みしてしまいます(白旗完備!))
 ・難解漢字、専門用語多々あります。
(出来る限り送り仮名や解説は入れていきますが;)
 ・感想・アドバイス・コメ残し大歓迎です。
(主がコイキングのように跳ねながら布団の上で転がりだします。)
 ・突然のグロ表現・難解文の塊が飛び出してくる場合があります。
(○○○○ーボールの準備を!)
・残酷描写・鬱描写の告知。
(↑と同じく唐突に出現致します。一読される際は前もって心の準備を)
 ・もち、閲覧は自己責任でお願いしますです。
(恐れ多くも;;)

 伝えたいことは以上で御座います。
 果たして、此処まで読んで下さった方は居るのかどうか……。
 それでは、今後とも何卒自分と本小説を宜しくお願いします<( _ _ )>

2009-12-28 19:20:59


クラウスたん♪

こんにちは♪
キョウさん天才ですね!
私とは比べ物にもなりません(泣)

タメ&呼び捨てOKですか?
私はOKです♪

2010-01-02 21:30:06


ウィザー

やはり、文章が輝いてますね。
少しずつ、その文の輝きのもとを分析しなくては・・・・・・。
 しかし、少年、頑張って生きててくれ!死んじゃダメだぁ!!(なぜか、この少年が好きになっている)
更新、ファイトです!

2010-01-02 21:51:53


キョウさんのことを天才と言わない人はいないと思いますよ!
それぐらい才能に満ちていますよ!

空襲か・・・私の想像によるとスゴイことになってたみたいやな・・・(急に関西弁)
続きメッチャ楽しみにしてるで~!(そしていきなりタメ)

2010-01-02 22:24:24


riddle

キョウ、お久しぶりです[d:0146]
やっぱりキョウは天才だね!凄いです!!

空襲の後かぁ、それだけ凄かったんだね[d:0210]そしてその中で生き残った少年…[d:0208][d:0161]その少年は事件について何か知ってるのかな?
続きが気になります[d:0150]更新頑張ってね[d:0080]

2010-01-03 02:16:27


キョウ

ども、寝不足のキョウです。
すっかり夜行性となってしまいました
(起床時刻・午後3時);;
長期休みに入るといつもそうなってしまうんですよねぇ……。
今年の休みボケはキツそうだwww

さて、雑談はほどほどにして、至高のコメ返しタ~イム(殴



クラウスたん♪ 様

初めまして。…ですよね?
いえいえ、間違っても天才などでは…むしろバk(黙
呼びタメですか? 許可などいりませんよ♪
じゃんじゃんそうして下さいな^^b
(私は基本『様付け敬語』なんでめったにそうしませんが;)


ウィザー 様

はい、ゴミのように艶めかしい光沢が(黙
元ですか? ……妄想ですかねww
あぁ! すみません! 起こらないで下さいッ(泣
そう言っていただけると凄く嬉しいです!!
シエンも狂喜を――(後ろから殺気が…


遜 様

いえ、私なんてまだまだ。ラノベにはもっと天才がおりますゆえ。っというよりも、天才なんてモノでもありませんッ!
ありがとうございます! 頑張りますね♪


riddle 様

お久しぶり! 天才という妄想バカさwww
まぁ、どんなにずれても天才には行きませんがね^p^
あくまでも表現技法なんで、そこまで根深く受け取らなくても……。
でも想像力が優れてると文才に恵まれてるだろうなぁ…。著神riddle!
シエンはお気に入りのキャラだよ。
なんか影がある子ってカッコイイよねw(妄想バカが!
ありがとう♪
頑張ります^^b

2010-01-03 20:16:15


キョウ

焼け落ちた屋根、倒壊した家屋。未だ煙が立ち上り、不穏な空に幾筋もの黒い線を引く。
 辛うじて原型を留めているモノもあるが、いずれ他の廃虚に仲間入りするだろう。

「警察だけでは手が足りないそうだ。私も調査に赴きたいと思っていたしね」

 作業着を着た人が忙しなく行き交い、残骸の山に登っては、野良犬の如く何やら探し回っている。またある人は道路にはみ出した木片やらを退かす作業。警官らしき人物はごった返す野次馬を踏み止まらせていた。
 なるほど。確かに人手不足のようにも見える。
 人混みさえ無くなれば、一瞬にしてゴーストタウンになってしまうだろう。いや、それ以上なのかも。 数メートル離れた場所からでも陰鬱な空気が雪崩込んで来る。それほどまでに酷い有り様だ。
 被害を軽んじていた僕には、あまりにも悲惨な現状だった。

「ルーク……大丈夫かい?」

 ふと意識を確かにすると、目尻に冷たいものが溜まっていた。

「あっはい、大丈夫です。それより先生、『セントラル病院』はまだですか?」

 慌てて目を擦りながら話を変えようと切り返す。危ない危ない。あやうく泣き面を見せてしまうところだった。

「もう少しだよ。ここから一番近い病院なのだから、そう遠くはない」

 例の少年は、そのセントラル病院に搬送されたという。一番近く、腕も確かな名院と近所でも名高いのだそうだ。

『君にその子の様子を見てきてほしい。私は手が離せない状態なのだ。それに、君だって興味があるのだろう。奇跡の生還をした少年が』

 手紙にはそう記されていた。まったく、人を何だと思っているんだ。まるで動物園の見せ物のような言い方だ。だが、どこか不器用な優しさを感じるのは気のせいだろうか。
 普段は他人のことなんて、特に子供の様子なんて気にかけない警部が、こうして手紙を寄越すまで心配している。
 本当は行きたくて仕方ないのかもしれない。
 そう考えると複雑な心境だ。
 僕だって少年の安否が気になる。せめて、良い知らせだけでも伝えてあげたかった。

 そうこうしてる内に、車はどこかの駐車場に入って行った。
 先生が声をかける。そうか、ここがセントラル病院――。

2010-01-03 20:20:53


キョウ

*四

 セントラル病院はテムズ川を前に悠然と建っていた。ありふれた箱型の形状は変わらないが、設備が違うというか、とにかく一味違うように思えた。
 中に入り受付を済ませた僕たちは、指定された四階の廊下を進んでいた。
 病院特有のすっとした臭いが漂っている。
 すれ違い様に挨拶を交わす。紳士の基本だらかだ。

「やぁ、レイトンじゃないか」

 突然背後から呼び止められた。先生と僕が同時に振り返る。
 そこには白衣を着た男性が爽やかな笑みを浮かべていた。
 長身で学者タイプの美形。整った顔立ちに、銀縁メガネがよく似合う。砂色の髪を後ろに撫でつけた知的な紳士だ。
 “キリク・レイモンド医師”。有能な医学者でもある。レイトン先生のかつての学友であったらしく、その腕は天才的。
 『時間旅行事件』の際に再開を果たし、今では大学時代以上に良き仲だそうだ。
 最近では度々お世話になっていて、事件に巻き込まれた人々を格安で治療してくれている。
 余談だけど、彼は十年後ロンドンに在った“グリーン病院”に勤務していたらしい。

「すまないね、キリク。忙しい中呼び出してしまって」

「大丈夫。たった今手術が終わって寛いでいたところだからね。それで、今日は何のようだい?」

 さすがはプロだ。大仕事を乗り切ったばかりなのに、疲れを感じさせられない。

「キリク、昨日起きた爆発事件に巻き込まれた少年は――」

「あぁ、あの子か。だいぶ弱っていたみたいだけど、今は準々だよ。運がいい子だ。あと数分遅れていたら間に合わなかったかもしれない」

 キリクさんは、語りかけるような口調だった。この人の説明は、なぜか説得力がある。医師だからかもしれないが。
 先生も心底安心した様子で、ほっと息をついた。
 それを見咎めたキリクさんが口を尖らせる。

「おいおい。まさか失敗したなんて思ってなかっただろうな。この私が受け持った患者には、どんな重傷であろうと生き延びてもらわなきゃいけない。君にだって、分かっているだろう?」

 確かに、キリクさんは腕利きの医者だ。だからこそのプライドも関わって来るだろうけど、彼は純情に、患者を助けてあげたい。その意識の下行動しているのだろうな。
 やはり熟練は違う。

「と言うと、キリクさんが担当してるんですか?」

 ふと浮かんだ疑問をそのままぶつける。本人はさも得意気に腕組みをして、頷いた。

「まあね。彼ほどの稀なケースは他に無いからね。どうしても私の手で助けてあげたかった」

 すると突然、彼は声の調子を低くして、探るような視線を投げかけて来た。

「で、君達はその子の見舞いに来た。違うのかい?」

 何か悪い事でも言ってしまったのだろうか。彼の変貌に萎縮してしまった僕は、返答を求めるかのように自然とレイトン先生を見上げた。
 先生も表情を硬くしながら、黙って首肯した。
 するとキリクさんは目元の影を薄めて、困ったように頭をぼりぼりと掻いた。

「実は、彼にはちっと問題があってね。信頼出来る君達に限ってこんなことは無いんだと思うが……」

 一瞬思いつめたように顔を強ばらせ、キリクさんは腕組みをしながら廊下の壁に背を預けた。

「最初に言っておこう。彼は大変危険な状態にいる。少しでも興奮して血流が激しくなると、その反動で命を落としかねない」

 キリクさんがシュッと僕達に指を向けた。

「何が起こっても、正常でいてほしい」

 キリクさんが真剣な眼差しで僕達を射抜く。この人は本気になるとこんなにも恐ろしくなるのだろうか。
 少年がどんな現状に立たされているのか改めて思い知らされた僕は、何度も頷いて承知した。
 先生が顔を綻ばせる。

「安心したまえ。私達は殺しに来たのではない。少年の安否を気遣って来たのだから」

 レイトン先生が穏やかに言う。その様子に安心したのか、キリクさんが重い息を吐きながら肩を落とした。
 いつもの優しい表情に戻っている。

「そうか、そうだったね。悪かった。私は君達の事を疑ってしまったようだ」

 立ち尽くす僕達を追い抜こして、爽やかな笑みで振り向く。

「さぁ、こっちだよ」

2010-01-03 20:22:57


lemon

あぁ……少年は大丈夫でしょうか[s:0032] 多分私より年上……だよね(ルークもだけど)。
なんか意味ありげなお医者さんも……続きがかなり気になる[s:0062]

2010-01-03 21:54:44


キリクさんってグリーン病院にいたんだ!
シュレーダー博士(ポールだけど)の治療してたのかな?←ないと思うけど

少年ってどんな人だろ・・・続きが楽しみ!

2010-01-03 22:24:15


キョウ

*五

 病棟の一番奥。
 人目を避けるように、ひっそりと、その病室は備え付けられていた。

「いいかい?」

 キリクさんが病室のドアノブを握り締めて、不安げに見つめ返した。
 なぜか、このドアの向こうに別世界が広がっている、そんな気がした。キリクさんはその門番役。
 彼が声をかけると、先生は驚いたように顔を上げ、少し迷った表情を見せた後「えぇ。お願いします」と力強く頷いた。

「先生……」
「ルーク。大丈夫だよ」

 先生が頷いた。
 どうやら、先生もドアの向こうにある只ならぬ空気を察しているようだ。表情が先程よりも硬い。
 キリクさんは、ドアを開けて中に足を踏み入れた。僕達もそれに続く。
 その瞬間、むわっと空気の質が変わった。
 息苦しい。じとじとする。背筋に、ぞわぞわっと震えが走った。
 弱々しい電気が照らし、カーテンも締め切ってある。薄暗い部屋。
 三畳程の個室だった。 特別室なのだろう。部屋の隅にベッドが一つだけ置かれている。
 そこに小さな陰を見つけ、僕は言葉を失った。
 力無く頭を預け、体の大半を包帯で巻かれた無惨な姿。同年代の少年とは思えない現状が、そこに在った。
 腕からは点滴のチューブが何本も伸びている。ひゅーひゅーと嫌な音をたてながら、弱々しい呼吸を懸命に繰り返していた。酸素マスクが白く曇る。
 なんと惨たらしいのであろう。見ているこっちの意識が遠のいてしまいそうだ。
 少年はまさに病人面をしていた。青白い肌が無性に痛々しく感じる。額と左目が包帯で隠されていて、頬は傷だらけ。着ている衣服まで焼け焦げだらけだった。

「そんな……」

 掠れた声でやっと呟く。少年はまさに生死との硲をさ迷っていると言っても過言ではないだろう。
 酷すぎる。
 僕は悪寒が背筋を撫でたのを感じた。

「キリクさん、彼は……この子は助かりますか?」

 いつの間にか見知らぬ少年に同情を覚えていた。彼には生きていてほしい。ひたすら懇願する僕。
 目を潤ませながら問いかけた僕に、キリクさんは優しく答えた。

「もちろんだとも。先程も言っただろう? 私が受け持った患者は何があろうと生きてもらわなきゃいけない」
 
「良かった――……」

 僕は足元に視線を落とし、安堵した。この人ならきっと救える。
 そういえば、先生は……?
 ふと横を向くと、ベッドの下から椅子を引っ張り出し、じっと少年の顔色を覗きこむ先生が目に入った。
 その目には好奇の光が灯っている。

「キリク、この子はもしかして――」

 先生が口ごもる。
 キリクさんが首肯した。

「レイトン。やはり君には気付かれてしまったね。そうだよ。この子は……」

 彼は言い切るや否や、言葉を濁し、救いを求めるように少年に目をやった。僕達も吊られて視線を走らせる。少年は苦悶に満ちた表情で相も変わらず呼吸を繰り返している。
 そこで僕は我が目を疑った。なぜ今まで気付かなかったのだろう。彼は明らかに自分たちと違う風貌をしていたのである。
 『彼の体躯は 悪魔』
 その邪悪な響きを持った侮蔑の言葉が鮮明に蘇る。嘘なんかじゃない。本当にそうなのだ。


 悪魔というよりは――鬼……。

2010-01-04 19:24:04


キョウ

「ルーク」
 
 先生が声を潜めて言った。
 だって先生、この子は……この子は――!!
 心の奥で必死に嘆く。なぜ先生はこんなにも冷静でいられるんだ。目の前に信じられない子がいるのに。なんでそんな平静を装っていられるんだ。
 でも、よく見ると、先生の表情からも不安が滲み出ていた。
 
「動揺するな。約束しただろ」

 答えたのは、キリクさんだった。表情を引き締めている。
 そうだ、約束したんだ。決して驚いてはいけないと。最初から承知していたのに、人はいざその場に置かれると、一瞬にして忘却してしまう。
 僕は頬をぴしりと叩き、改めて現実と向き合った。

2010-01-04 20:00:10


ウィザー

だめだよ、ルーク! 鬼よりも悪魔のほうがかっこいいんだよ。特に堕天使のルシファーなんてもう美形で・・・・・・って、暴走してすいません(泣)
私、悪魔とか好きで、こういうのになると暴走が始まるんです。
しかし、シエル、いいですねえ(笑)ますます、応援したくなっちゃいましたよ。
これからも、ファイトです^^

2010-01-04 20:28:10


キョウ

ウィザー 様
私は悪魔より鬼の方が…(殴
私も堕天使とか妖怪とか大好きなんですよね!ウィザー様とは気が愛想u(黙
ありがとうございます!
ついでにシエルではなくシエンですよ^^

『死炎』と書いてシエンと読むんですよ♪

2010-01-04 23:15:48


キョウ

「彼は――……“奇形児”なんだ」

 キリクさんがぼそりと解釈した。
『奇形児』。異形の者。雑誌なんかで見聞きしたことはあったが、実際に目にしたのは今回が初めてだ。
 小柄で華奢な体格に、か細い四肢。痩せ細っていて肌が白く、見た感じでは、ごくありふれた普通の小学生だ。
 だが、無造作に整えられた短髪は目が眩むほど美しい白金に輝き、僅かに開いた口の端からは小さな牙が覗いている。耳は鬼の如くとがり、だらんと垂れた手には鋭利な爪が備え付けられていた。
 身体の至る所に見られる奇形の数々。
 可愛らしく愛嬌のある顔を打ち消すかのように、それは奇怪に満ちていた。
 生まれ出でた時から背負わされた重荷。彼はそれを望んでもいないのに受け持ってしまったのだ。

「彼の将来を考えると、息苦しさを感じる。今回の件で、片目と聴力を失ってしまったんだ」

 苦々しく発したキリクさんの口調からは、救いきれなかった悔しさを滲ませていた。
 彼が言うには、包帯に巻かれた右耳と、左耳の鼓膜は救いようがなかったと言う。
 命の対価とでもいうのだろうか。

「君がこの子の担当をしたのは、こういう事だったんだね」

 レイトン先生の語りかけるような問いに、キリクさんが唇を噛む。

「他の医者は気味悪がって治療したがらなかった。むしろ逝かせてあげるべきだと。私には理解出来ない。なぜ救う見込みがある子を見放せるのかが。だがレイトン、私は、今になって後悔してきているんだ」

 キリクさんの拳に力が入った。無意識に目を伏せる。

「矛盾してるかもしれない。けど、患者の幸せを考えてしてみれば、本当は安楽死させてでも両親の本へ送ってやってた方が良かったのかもしれない。その方が――」

「それは違うよ!」

 悲鳴に近い非難が遠くで響いた。それが僕の口から発せられていた事に驚く。

「確かに彼はそれを望んでいたかもしれない。でも、だからってキリクさんが悪いわけじゃないんだ! キリクさんは助けたかったんですよね。ならば願ったり叶ったりです。少なくとも、僕達は助かる事を祈っていました。ですよね、先生」

 先生は力強く頷いた。

「その通りだよ、キリク。君が悲観的になってどうする。まだまだこの子の世話がいるのに、君がそんなでは元も子もないじゃないか」

 僕は先生の発言に嬉しくなって、キリクさんに向き直った。キリクさんは目を丸くしたまま唖然としている。しかし、ふっと薄く笑うと、指の先で眼鏡の位置を直した。

「そうか……。ありがとう、二人とも。そうだね、これから暫くの間私が親代わりだ。気を確かにしなくては」

 やはりこの人には笑顔が似合う。
 張り詰めた空気が暖かな雰囲気に包まれたその時、少年の目が開かれた。

2010-01-05 09:26:17


ウィザー

すんません、打ち間違えました(泣)ごめんよぉ、シエン!!

キョウさんも、そういうのお好きなのですか!! いやあ、嬉しいですねぇ。なかなか、いらっしゃらないんですよ。「気味悪い!!」って、言う人のほうが、多いんですよ。私の近く。

キリク、優しいですね。いいお医者さんだあ。

2010-01-05 14:02:41


ルークいいこと言ったよ~!えらい!
私そんなこと言う勇気ない・・・(情けないな、私)

続きがんばってください!

2010-01-05 14:05:14


キョウさん[d:0160]いえ、タメで呼ぶことなどできません…キョウさんとでは位が違いすぎて…
リメイク作とはいえ元々の小説とは結構違いますね。それにますます面白くなっている気がします[d:0160][d:0140]
この作品はまだ序章に過ぎないという感じがするのでこれからもっとスケールが広がりそうで楽しみです。本当に素晴らしい物を持っているのがわかります[d:0150]
無理しないで、小説の更新頑張って下さい[d:0160]
コメントは私には返さなくていいですよ[d:0160]

2010-01-05 14:17:25


キョウ

ウィザー 様

間違いは誰にでもありますから。
お気にせず^^

はい、悪役なんかが大好きで…。
(だから妹にも気味悪がられてるのでしょうか;)
ですが私は誰に何と言われようと悪役大好きっ子ですよ♪ウィザー様のような方が居てくれて凄く嬉しいです!
これからも宜しくお願いしますね^^


遜 様

ありがとうございます!
私もこんな人になりたい……(無理だ・w・


凛 様

くらい…ダメ人間のランクですよねww
そうなんですよ。リメイク編の為に立てたのですが、書き加えてたら全く違う話に…。
いっそ“これ”だけの小説にしようかなと(意味不w
ありがとうございます!凛様にはいつもながら恐れ入ります(;;嬉泣
そういえば凛様、今度小説を書かれるそうですね♪
応援&楽しみにしております!

2010-01-05 18:34:28


私の小説は見る価値がなくて、未熟ですが、それでも読んで下さるなら、嬉しいです[d:0160]
私はダメ人間ですよね[d:0150]
そう言えば兄が昔お世話になったような…
私にコメは返さなくてもいいですよ[d:0160]
キョウさんの時間が無駄になってしまいます…
小説の更新、頑張ってください[d:0150]

2010-01-05 19:07:37


兄じゃなくで弟でした…
すいません…

2010-01-05 20:04:28


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