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ようこそ、タイニーロンドンへ。

アドネ

はじめまして、アドネという者です。
ロンドンライフにそれはもう物凄くハマってしまい、小説まで書くに至った、というわけです。や、どういうわけなんでしょうね(笑)自分でもよく分かりません。
簡潔に言うと、ロンドンライフの物語を小説にしちゃうんだぜ!という感じです。
基本はタイニーロンドンでの生活が中心になると思いますが、主人公が男女二人いるので恋愛も少し入ります。
日付ごとに書いていくので、短編集のようなものになると思います。

男主人公サイドの時は日付の横に○が,女主人公の時は日付の横に●を付けます。
……自分で分からなくなりそうな予感がします。

感想頂けたら号泣して喜びます。もちろん批評も大歓迎です。これからの作品に役立てますので、厳しい批評じゃんじゃんお願いします!

すんげーヘタクソな小説になるとは思いますが、読んでいただけると嬉しいです。天へ飛び立つ勢いで喜びます。

それではスタート!←

2009-12-27 22:14:58


アドネ

12月27日 ●
「はじまりへの到着」

がたん、という振動で目が覚めた。
どうやら、ふかふかの椅子にもたれてぼんやりしているうちに眠ってしまったらしく、いつの間にかこの夜行列車――モレントリー急行は終着駅に着いたようだった。
乗り込んだときに見かけた男の声であろう、うるさいアナウンスに自然と眉間に皺が寄る。うるさいのは好きじゃない。
アナウンスに多少苛立ちながらも、とりあえずは列車を降りなければならない、と考え直し、大した荷物の入っていない小さめのボストンバッグを持ち上げる。洗面道具や少しの洋服や勉強道具くらいしか入っていないから、運ぶのに苦はない。やっぱり荷物は軽い方がいいからね。無駄な物は一切持ってこなかった。

扉を開ける前に、見るからに高級そうなテーブルの上に置かれている、モレントリーブランドとかいうとこのエンブレムが彫ってあるチョコレートを二つ三つ失敬する。さっき一つ食べたところ、あまり甘くなく好きな味だったため、もう少し食べたい。見るからに高そうだし、もう買えないだろうし、ね。

ボストンバッグを肩にかけ、スライド式の扉を勢い良く開く。周りを見ると、私の他にも多くの人が、重そうな荷物を持って出てきていた。その中にいた明るい青い髪をした、同い年くらいの青年が、偶然こちらを向いてきた。
びっくりして目を逸らそうと思って慌てていると、その青年は私に向かって、とても綺麗に微笑んで見せたのだった。

いきなり青年に微笑まれ、しばらく茫然自失と立ちすくんでいた私に、その青年は相変わらず微笑んだまま近づいてきた。どうしよう、これ話し掛けられるフラグ?とか思って、話し掛けたりされない内に急いでホームへと駆け出した。

人でごったがえしている駅のホームに立つと、大勢の人に紛れてもう青年の姿は見えなかった。さっきのは何なんだろう、まさか私に気があるのでは、と一瞬考えてしまった。自分でも馬鹿なことを考えたと思い、ぶんぶんと頭を振る。きっとナンパ好きのチャラ男なんだよ、きっと。と思うことにして、強引に思考をモレントリー急行の方へ働かせる。しばらく時間を共にしたモレントリー急行よ、お別れだ、ありがとう、とか思って、その緑の車体を目に焼き付ける。私、頑張るからね。見ててね!なんて、親でも友人でも、ましてや生き物でもないモレントリー急行に向かって(心の中で)そう言った。

これから私の新しい人生が始まるのだ。
グレッセンヘラーカレッジに進むため、親子の縁を切る覚悟で親を説得し、憧れのレイトン先生の講義を受けるため、ここまで来た。
さよなら、今までの私。初めまして新しい私!
そんな馬鹿なことを考えながら、私は夢への入り口――否、駅の出入り口へと歩き出した。

2009-12-27 22:43:30


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