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最後のロンドン

さくら

初めまして!レイトン教授が大好きな高校生です!時間旅行をクリアしてからずっと書きたかった話があるので、駄文ながら書き込ませていただきます。^^

※注意
・クラウスにもっとも重い刑が下ってしまう 話です。クラウスファンの方は読まない方 がいいかもしれません。
・ナゾ要素は含まれていません。
※お願い
・中傷、パクりは心か折れるんでやめてくだ さい。
・書き込む前に、内容が似た小説があるか確 認してないので、もし、似てる内容の小説 があったとしても偶然です。

それでは。行きましょう。ちなみにルーク視点です。

『最後のロンドン』

嘘。 同情。 

君はそう思うかい?

そんなことはないよ。

きっと彼にとっては

世界一優しい約束だった。




………果たされなくとも。

2009-07-21 18:32:41


さくら

序章 「もうすぐ」


  僕は朝からかなり上機嫌だった。何故なら、今日は久々にロンドンへ帰る日だからだ。
顔から笑みをこぼしながら荷造りをする。今日の夜、船に乗って明日の朝にはロンドンに着いている。もちろん、一番最初に向かうのはレイトン先生のところ。会いたい友達も居るし、行きたい場所だってあるけれど、恩師への感謝を忘れちゃいけないからね。
 荷造りを終え、父親に呼ばれて車に乗った。波止場までの道のりが長く感じてしょうがなかった。船に乗れば、ロンドンはもう目の前だ。ちゃんと眠れるだろうか。

2009-07-21 18:37:00


さくら

第一章 「彼への答え」

次の日の朝、目が覚めるとロンドンに着いていた。どうやら眠れたようだ。寝ぼけながらも胸の高鳴りは押さえられず、ホテルに荷物を置くと休息もとらずに真っ先に大学へと向かった。
 レイトン先生には今日到着すると前もって手紙を送っておいたが、予定していた時刻よりも早く着いた。驚くかもしれないな。大学の前で立ち止まり、深呼吸をして先生の部屋へと向かった。

 階段を上り終え、廊下側のほうに目を向けると、先生の部屋の前にドアの中を覗き込むようにして立っている少女がいた。

「アロマさんっ!」

 思わず大きな声を出してしまった。大学の中だというのに。アロマさんがすごく驚いた様子でこちらに振り向いた。

「…ルーク!?」

 その反応に小さな違和感を覚えた。なぜかアロマさんがあまり嬉しそうじゃない。というか…なんだかものすごく不安そうな表情をしている。けれど僕は久しぶりに会えた嬉しさもあって、そんなことは気にせずに小走りでアロマさんのもとへ行こうとしていた。

「久しぶりですね~」

 そう言いながら近づいていると、アロマさんが焦ったように口の前に指を立て

「シッ!」

「…えっ?」

僕はびっくりして思わず立ち止まった。やっぱり明らかに様子がおかしい。…いったいどうしたんだろう。
 ふと、先生の部屋の方を見ると、扉が少し開いていた。
(お客さんでも来てるのかな?)
と思い、部屋を覗こうとした瞬間、中から声が聞こえてきた。

「…どうにかなりませんか?」

「…おそらくもう、どうすることも出来んだろうな…。」

「でも今回のことは決して彼一人だけの罪ではないはずです。」

「それはワシらがあいつの事情を知っているから言えることだろう。第三者から見れば、あいつは凶悪な犯罪者でしかないんだ。」

「しかし、彼は罪も認めているわけですし、そこまで重く…………」

 なんだか中ではかなりモメているらしい。話しているのはレイトン先生と…この特徴的
な声はおそらく…チェルミー警部だ。でもなぜあの人がこの大学に?
僕は小声でアロマさんに聞いてみることにした。

「中に居るのはチェルミー警部ですか?」

「えぇ。ついさっき来たの。」

「二人はいったい何の話をしているんですか?」

「………。」

 またアロマさんの表情が暗くなった。僕にも関係のあることなのか?
10秒間くらいの沈黙があった後、アロマさんは長めの瞬きをしてから口を開いた。

「…聞きたい?」

 怖い気持ちもほんの少しあったけど、気になってしょうがなかったので、僕は覚悟を決めた。

「はい!」

「…あのね―――」

アロマさんは僕に耳打ちをしながら、周りを気遣いながらほんとうに小さな声で言った。それなのに僕はアロマさんが言った事実に驚きすぎて思わず声を張り上げてしまった。

「えぇっっっ!!!」

アロマさんはびっくりして僕の顔から手を離した。

「クラウスさんが……死刑判決!?」

 叫んだ後は言葉を失った。そして僕の声は、当然のように部屋の中の二人にも聞こえていたようだ。


 懐かしい匂いのする朝のロンドン。グレッセンヘラーカレッジ。幸せな今日を想像していた僕に、空が落ちてきた。

2009-07-21 18:39:58


RS

はじめまして。僕もまだ来たばかりですが、
小説がんばってください!

2009-07-21 18:53:59


さくら

ありがとうございます^^
がんばります!

2009-07-21 19:26:49


YK

はじめまして、此処で小説を三作書いているYKです。
頑張ってください。

2009-07-21 20:16:10


remon

こんにちは!私も小説2作を執筆?しています!(そろそろ3作目突入)これから宿題やるので手短に挨拶します。宜しくお願いします!

2009-07-21 20:35:57


さくら

YKさん
ありがとうございます。
また、お邪魔させてもらいますね^^

remonさん
はじめまして^^忙しそうなのにわざわざありがとうございます。
おたがい頑張りましょうね!

2009-07-22 01:27:35


さくら

第二章「サヨナラのための再開」

「盗み聞きとは…まったく近頃の子供は教育がなっとらんな。」

「すみませんでした…」

「ごめんなさぁい…」

「まぁまぁ警部。アロマは長い間外で待たされていたわけですし、ルークも久しぶりに帰ってきてあの雰囲気では声をかけるにもかけられなかったんでしょう。とは言え、聞き耳をたてるのは英国紳士として好ましいことではないね。」

「はい。反省してます…」

久々に先生の「英国紳士として」が聞けて嬉しかったが叱られている真っ最中なのでそ
んなこと言えるはずがない。
 それよりもさっきからずっと気になっていることがあって説教があまり耳に入ってこない。そろそろ聞いても大丈夫だろうか…。

「どうするレイトン。ワシが一から説明するか?」

「いえ、彼らには私から説明します。」

「そうか、じゃあワシはこれで失礼する。」

「わざわざ来ていただいて、ありがとうございました。チェルミー警部。」

 返事もせずにチェルミー警部は部屋を出て行った。妙に気まずい空気が部屋に流れる。間違いなく、自分の責任だと思い、僕は思い切って口を開いた。

「あの…」

下を向いていた先生は顔を上げ、紅茶を飲もうとしていたアロマさんはティーカップを持つ手を止め、二人が同時にこっちを向いた。一瞬息が詰まってしまった。

「…えっ…と…その、ク、クラウスさんが…死刑になるっていうのは…」
詰まりながらも何とか伝えられた。そんな僕を見てレイトン先生は情けなそうに、少しだけ悲しそうに、微笑んでいた。

「…あぁ。本当のようだよ。悲しいがね。」

「そんな…」

「……。」
 
やっぱり本当だったんだ。僕とアロマさんは言葉を失った。

「本人は罪を認めていて、十分反省しているようなんだが、やはり規模が大きすぎたようだ。」

「でもっ…そんなの、クラウスさんが可哀相ですよ…。」

「でもね、ルーク。あの日ロンドンではたくさんの死亡者が出たんだよ。たくさんの人が大切な人を失って悲しんだんだ。街も一部崩壊した。軍事兵器を開発していたことや、科学者や首相を誘拐していたこと。彼のした罪は…やはり世間的には重すぎる。」

「そんな…!でもどうしてクラウスさんだけなんですか?科学者や首相を誘拐したのはむしろディトリーさんの方だし、軍事兵器を開発していたのは科学者だし…。」

「科学者の人たちは、誘拐されて奴隷として仕方なく働かされていたと、裁判で判断されたんだ。ディミトリーさんは確かにたくさんの人を誘拐したけれど、何故か判決ではとても軽い刑だった。チェルミー警部によると、首相の意見なんだそうだ。さすがの彼でも、ディミトリーさんに対してだけは後ろめたさがあったらしい。」

「それじゃまるでクラウスさん一人が悪者みたいじゃないですか…。」

「何も知らない人たちからすると、そういうことになるね。」

「………。」

冷静に、淡々と残酷なことを言う先生に腹が立ったりしなかったのは、きっとさっきドアの前でチェルミー警部に反論している先生を見ていたからだろう。
死んだ恋人が助かるかもしれないのに、タイムマシンの研究に反対するような、真っ直ぐな人だ。先生の言うことに間違ったことはないんだと思う。

「………なにか、私達に出来ることってないんでしょうか。」

 さっきまでずっと黙っていたアロマさんが口を開いた。

「アロマさん?なにかって、何を…?」

「分からないけど、何か…。」

「いい意見だとは思うが…クラウスは今、面会も禁止されている状態なんだ。」

「そんなぁ!」

「会うことも出来ないなんて…。」

 なんてことだ。僕達にはどうすることも出来ないのか。
 先生はしばらく顎に手を当てて考えていたが、ふと、何かひらめいたように目を開いた。

「いや、でもまだ分からない。頼んでみれば何とかなるかもしれない。」

「えっ!本当ですか先生!」

「彼の刑務所での態度はとても真面目だし、死刑囚ともなれば多少の自由は許されてもおかしくはない。それから、もしもチェルミー警部が協力してくれたとしたら……彼のような優秀な警部の許しがあるなら刑務所側も反対する理由はないだろう。」

「あっ!確かにそうですね!」

 一気に気持ちが高まった。なんだか、無力のまま終わらずに済みそうだ。

「でも…あのおじさんがこんなことに協力してくれるかしら…。」

「う…そう言われてみればそうですね。」

「ふふっ。それなら大丈夫だよ。どうやら彼も、クラウスのことは心配していたようだしね。」

「えっ!そうなんですか!?」

「それなら大丈夫そうね。」

「そうと決まれば、行動は早い方がいいな。ルークがここに居られる時間も長くないしね。なんだか、ちゃんとした歓迎もなくてすまなかったねルーク。」

「なに言ってるんですか先生!僕はそんなことでスネたりしませんよ!」

 僕の言葉に先生はフッと優しく笑った。

「あぁ。分かってるよルーク。」

 僕たちはすぐに先生の車に乗って、スコットランドヤードへと向かった。

 
 スコットランドヤードに着くと、運良くチェルミー警部がいてくれた。さっきまで僕達
が話していたことを先生がチェルミー警部に詳しく説明てくれた。すると、先生の言って
いた通り、どうやらあっさりと協力してくれるようだ。結構人情味のある人なんだな…た
だ乱暴なだけの人だと思っていた。

話を聞いていると、いい知らせがあった。一日だけ、クラウスさんが外出できる日があるらしい。

「じゃあその日にみんなでお出かけするっていうはどうですか!?」

 言い出したのはアロマさんだった。もちろん、僕も先生も大賛成だ。
 
僕は、クラウスさんに最高の思い出を作るため、サヨナラのための再開を心に決めた。

2009-07-22 01:31:29


さくら

※お詫び
この小説はWordで制作しているのをコピーして貼り付けているので、範囲指定の失敗などから、変なところで改行していることがありました。
見にくくてすいません!以後気をつけます。

2009-07-22 01:39:15


さくら

第三章「寂しい。いとおしい。」

 面会の日がやってきた。
今日の朝十時から夜の九時まで、監視付きという条件でクラウスさんは一日外泊を許された。その監視役が僕達。僕達は刑務所の扉の前で、クラウスさんか来るのを待っていた。

「いよいよですね。なんか緊張してきました…。」

「えぇ、私も…。」

 僕とアロマさんはずっとそわそわしているのに、レイトン先生は相変わらず涼しげに笑っている。

「難しいことは考えなくていいさ。ただ私達は今日一日を楽しく過ごすだけでいいんだ。」

 確かに先生の言うとおりではあるけれど…相手はあくまでもつい最近死刑判決を出された人間だ。もしも絶望的な状態だったらどう接すればいいんだろう。 
 あのチェルミー警部ですら心配していたくらいだし…。

 なんてことを考えていると、扉の中から人の声が聞こえてきた。僕は思わず息を呑んだ。

 扉が開き、中からは四・五人の警察官と、その人たちに囲まれるようにして歩いてくる男の人がいた。間違いない。クラウスさんだ。

 一人の警官が先生の前まできた。

「監視役のエルシャール・レイトンさんですね。」

「はい。そうです。」

「今日は一日よろしくお願いします。」

 警察官は僕達の方をちらりと見て、眉間にシワを寄せた。

「…その子達は?」

「私の付き添いです。」

「…子供を連れて行くんですか?」

「いけませんか?」

「…まぁ、構いませんが。では。おい、もういいぞ。」

 クラウスさんは警官の許しを得てこちらへ向かってきた。その姿は以外にも、背筋をしゃんと伸ばし、表情は僕達に向けて微笑んでいる。

「…お久しぶりですね。レイトン先生。」

「あぁ。思ったより元気そうでよかったよ。」

「ルーク君とアロマさんまで来てくれたのか。うれしいな。」

「クラウスさん…」

 あまりに穏やかなその表情は、死刑判決が下るほどの罪を犯した人間とは思えないものだった。

「さぁ、あまりじっとしていられない。時間も限られているしね。」

 先生がそう言ったとき、あることに気が付いた。そういえば僕達は今日一日をどう過ごすかまったく決めていない。

「あの、先生…いったい何処に行くんですか?」

「あぁ…それはクラウスに任せようと思ってね。」

「えっ、僕が決めるんですか?まいったなぁ…なにも考えてきてないや。」

「何処でもつきあうよ。」

「そうですよ!今日はクラウスさんが主役なんですから!」

「じゃあ…時計店に行ってもいいですか?」

「時計店?サマリーさんとジャックさんのですか?」

「あぁ、事件の日以来、一度会っていないからね。最後に会っておきたいんだ。」

 クラウスさんの「最後に」という言葉がほんの少し胸を締め付けた。

「よしわかった。じゃあ行こうか。」

僕達は先生の車に乗った。
車の中ではクラウスさんと先生が時々話す程度で結構静か、というか…何を話せばいいか分からない状態で、僕はずっと外の景色を見ていた。

時計店に着き、クラウスさんが扉を開いた。キィ~っという扉の音が静かに響く。僕が小さな声で「おじゃましま~す。」と言うと、奥からサマリーさんが出てきた。

「は~い。……あら!?嘘でしょう?クラウス坊ちゃん!?」

「久しぶり。」

「あらまぁ、どうして!?ちょっとあなたー!クラウス坊ちゃんよ!」

「なんだって!?」

焦った様にジャックさんが飛び出してきた。どうやら二人に僕達は見えていないようだ。

 僕達は店の奥に招かれ紅茶を入れてもらって二時間ほどしゃべっていた。といってもほとんど僕達の出番はなかった。店の二人はずっとクラウスさんと話していたからだ。

 話題が尽きてきた頃、クラウスさんは立ち上がった。

「そろそろ行くよ。あまり時間もないしね。」

「えっ…もう…お別れってことかい?」

「そうなるね。最後に会えてよかった。元気で…夫婦仲良くしなよ。」

「そんな…寂しいこと言わないでおくれよ…。」

 そのやり取りが切なすぎて、僕は胸が痛かった。クラウスさんはもう、ここに来ることは出来ないんだ。

「クラウスさん。せめてもう少し居てもいいんじゃないですか?」

「ルーク君…そうしたいけど、ここに居たら刑務所に帰るのが嫌になってしまいそうだ…。僕は罪を償わなくちゃならない。」

「……っ。」

 あまりにもつらい現実。でもこれが一番正しいという現実。
 こんなにもあっさりと、永遠に会えなくなってしまうのか。

「ぼっちゃん…。」

「ん?」

「私はあなたと出会えて…本当によかったと思っているよ。たとえ犯罪者と言われてても…私はぼっちゃんのような優しい人の使用人であったことを誇りに思っているからね。」

「…………ありがとう。もう十分だよ。」

クラウスさんは優しく笑った。ほんの少し寂しそうに。

 そして僕達は、サマリーさんとジャックさんに笑顔で見送られ、時計店を後にした。
 
 車の中は、時計店に行く前よりも静かだった。


 
時計店を去る直前、サマリーさんがレイトン先生にだけ何か話していた。
 それが何だったかを知ったのは、すぐ後のこと。

2009-07-24 03:19:34


yu-na

切ないですねぇ・・・・。

続きがきになります!!

2009-08-03 16:15:05


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