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【ルーク少年と龍の導因】

アリス

自作の小説です[d:0101]
途中で感想、質問を書き込んでもかまいません[d:0206]応援よろしくお願いします[d:0140][d:0150]

2009-02-20 22:48:53


アリス

序章~夢 ドリーム~

夢というのは何なのだろう。一度はそう思った事があるんじゃないですか?

とある話によると、「夢というのは、その人の昔の思い出だったり、想像した事なのだ。」という人がいる。

僕はそれを思い出すたびにいつも思う。
じゃあどうして知らない場所や風景が見えるのだろう?どうして怖い夢を見たりするのだろう?

怖い夢を好きで見たりする人はいないはずだ。

しかも、起きてからしばらくすると、何の夢だったか忘れちゃったりもする。

でも、今日僕が見た夢ははっきりと、ついさっきあった事のように思い出せるんだ。
いや、あれが本当に夢だったかもわからない。

僕は自分の部屋の机に座って、じっと考えこんだ。手には黒っぽい赤色のぬいぐるみが握られている。
僕がうつろな目で彼を見つめると、彼もかわいらしい黒の目で僕をじっと見つめる。

窓から入ってくる朝日を浴びて、ぬいぐるみはぱっと炎色に燃える。

そう、全ての始まりは、昨日の夕方頃にさかのぼる。

その日は土砂降りの雨だった。

2009-02-20 23:45:43


アロマ

始めたんですね!
続きを楽しみにしています[s:0086]

頑張って下さい!!

2009-02-21 07:30:15


アリス

アロマs>ありがとう[d:0160]頑張ります[d:0158]

僕は涙と雨でびしょびしょになりながら、大通りを走っていた。
実はさっき、ある事で先生と喧嘩してしまっていたのだ。
最初は怒りしか頭の中にはなかった。
だが、大通りを走って行くにつれて、だんだん後悔へと変わっていった。
僕はどうしてあんな事で喧嘩してしまったのだろう。
いや、今なら謝れるかもしれない!
頭の中がそう思っていても、体は言うことを聞かずに走り続けている。
僕にはその理由がはっきりとわかっている。

謝る勇気が無いのだ。

人混みを避けながら、自分の家へ駆け込んだ。

2009-02-21 16:29:42


アリス

自分の部屋に入り、おもいっきりドアを閉める。バンッ!!
ドアは大きな音をたてて閉まった。でも気にならなかった。いや、気にかけるヒマが無かったといってもおかしくない。

僕はドアに寄りかかって床を見つめた。
もう、謝るチャンスは無いかもしれない。
だとしたらどうしよう。僕は先生が大好きだ!でも、でも…!
涙が止まらない。
先生と喧嘩したのが遠い昔のように感じた。
僕はドアを離れ、自分のベッドにうつぶせで倒れた。

その瞬間、頭の中に聞き覚えの無い声が響いた。
謎の声「大丈夫だよ、ルーク。 心配しないで………。」

ルーク「誰!!!」

僕はとっさに叫んだが、声の主は姿を表さない。今にも消えてしまいそうな、か細い声だった。

すると、又声が頭に響いた。

謎の声「ルーク、ルーク…! お願い!こっちに来て!今あなたを必要としている人がいるの…!!」

ルーク「何を言って…」

そう言った瞬間、頭がガクン!と重くなった!

ルーク「君は……」

遠のいていく意識の中で、あの声がかすかに響いている。

謎の声「お願い!私達を…、"チェレス"を救って……!!」

僕はついに力尽き、意識を失った…。

2009-02-22 00:45:03


アリス

第一章~旅 トラベル~

だんだんと意識が戻ってきた。でも、まぶたが重くて目が開けれない。
すると、フワァと草の匂いがした。

あれ?どうして草…?
僕の部屋に草は置いていないはずなのに…。
そういえば、さっきからすごく寒い!
窓…開けっ放しだったのかな?

でも部屋とは全く違う空間にいるみたいだ。
意識が徐々にはっきりとしてきた。

いや、窓は完全に閉めていたはずだ…。
雨の日にわざわざ窓を開けて寒い思いするほど僕はバカじゃない。

さっきから肩が何かに捕まられているように痛いのは気のせいだろうか…。

それに、足が宙に浮いているような気が…。

目をゆっくり見開いた僕は、でてきた光景に唖然とした!だって!僕が見たのは、無限に広がる、空だったからだ!!

2009-02-22 13:10:46


アリス

すると肩にさっきよりももっと激しい痛みがきた。
恐る恐る肩を見ると、そこには巨大な鳥の爪が肩をがっしりとつかんでいる光景を目にした。

そして、耳をつんざくような大きな鳴き声があがった。僕はまさかと思いながら、頭上を見上げた。
するとそこには、今まで見たことの無い巨大な怪鳥が飛んでいた。

どうやら、こいつが僕をつかんでいるようだ。

僕は、驚きと動揺で、声が出なかった。

どうなっているんだ?確かに僕はさっきまで自分の部屋のベッドに横たわっていた。
そしたら、声が聞こえて…?
あぁ、考えれば考えるほど頭が痛くなる!

その時、ある考えがひらめいた!そうだ!これは夢なんだ!!

でも、その考えはすぐに打ち消された。
風の冷たさも、肩の痛みも、まるで本物のようだ。こんなにもリアルな夢は体験した事がない。

すると、さっきまで空しか見えなかった景色に、一つの影が浮かんできた。

よく見ると、それはとても大きな一本の大木だった。

さぁ―っと血の気が引いたのが、自分でもわかった。
よくアニメやマンガだと、あそこに巣があって、中にたくさんの小鳥がいて………!!

そこまで考えて僕はようやく暴れだした!
大変だ!鳥の餌にされる!!

2009-02-23 22:27:35


アリス

不意に地面に落ちた。
僕は助かったと思って顔を上げると、そこには親と同じ色の小鳥(?)がどっしりと立っていた。

僕と目が合うと、そいつは鋭く尖った嘴で僕をつついてきた。
しかし、僕は無意識のうちにさっとよけた。
嘴が僕の頬をかすめる。あの時の事は恐怖でよくは覚えていない。
でも、必死でよけているうちに、急に体が軽くなって…

2009-02-25 00:10:20


アリス

気がつくと、僕はまた空中にいた。
そう、巣から落ちたのだ。
ルーク「えっ…?」

そうつぶやいた瞬間、僕の体は猛スピードで落下していった。
ルーク「うわあぁぁぁぁ!!!」恐怖で気絶するのを必死にこらえた!
内心、これは夢なのだから大丈夫なのだと安心していたが、それでも、本当に死んじゃったらどうしようという恐怖が頭から離れなかった。
耳元で唸る風が速さを物語る。

僕は怯えながらも、なんとか目を開いて今から落ちる場所を見下ろした。
僕は絶望的になった。
僕の真下には、針のように尖った岩がたくさんある平野だったのだ!

岩が不気味に光る。
目をぎょっとして見開いた僕は、出せる限りの声で、
ルーク「誰か助けて―!!!」

と必死に助けてを求めた。が、その声は無念にも唸る風にかき消されてしまった。

岩がもうあと少しまで迫ってきている!
もうダメダ!!僕は覚悟を決めて目をぎゅっとつむった!!

その瞬間!!風を切るようなシュッという音が耳元で聞こえると、フワッと体が浮いた。
間一髪助かったようだ。安心する僕の真上から聞き覚えの無い声が聞こえた。

???「まったく、君は僕がいないとダメなのかい?」
ルーク「え?」

僕が真上を見上げると、そこには、とても小さな赤い何かが僕の服をつかんで一生懸命羽を動かしていた。

2009-02-25 18:02:59


アリス

次から次ぎへと不思議な事ばかり起きて、頭が混乱してしまいそうだ。

ルーク「ねぇっ!ちょっと!
君は誰なんだよ!」

僕はこの得体の知れない赤い生き物にきいた。
でも、返答がなかなか帰ってこない。

ルーク「ねぇ、きいて…」
???「ちょっと静かにしてくれないかな!?
君みたいな重い物を運ぶのは難しいんでね!!
少しでも動いたら下にまっさかさまだよ!!」

重いだと…!僕は口を開いたが、すぐに閉じた。生意気なコイツに毒舌を言いたかったけど、英国少年がそれじゃダメだ。それに、本当に今落ちたら間違い無くおだぶつだろう…。
せっかく助かった命をこんな口喧嘩で終わらせたくない。まぁ、コイツが僕の味方ならばの話だが…。

???「そうそう。おとなしくしてれば落としやしないよ。」

カチンときたが、心優しい僕は何も言わなかった。


僕は無様にドサッと地面に落ちた。草の感触が心地よい。下に地面がアルっていうのはこんなにも安心するんだと、寝そべりながらふと思った。

すると、アハハハハ!という笑い声と共に赤い生き物が目の前に現れた。

それは、かわいらしい何かのマスコットやぬいぐるみのような赤い龍だった。まん丸い黒の目がイタズラっぽく輝く。
大きさは手乗りサイズで、じっとしていたら本物のぬいぐるみに見えてしまうかもしれない。

そいつが、そのかわいい体にピッタリの黒い羽を使って、パタパタと飛んでいた。

僕は体を起こしてマジマジと観察していた。すると、
???「君、恥ずかしく無い訳?僕よりもでかいくせにあんな落ち方して。
それに、人を珍しそうにジロジロ見ないでくれる?」

僕は彼の尻尾でピシッと頬を叩かれた。

???「ま、そりゃそうだろうな。だってあんたの世界に僕みたいなカックイイ(かっこいい)龍はいないだろうからな。」

僕はハッとして龍に顔を近づけた。

ルーク「君!僕の事知っているの!?」

龍は一瞬うたわしげな目で僕を睨みつけてから言った。

???「当たり前だろ?だって、僕が君をここに連れて来てほしいって頼んだんだから。
安心しろ。僕は君の敵じゃないよ。」

ルーク「じゃあ君は何者なんだよ?」

???「それは奴から直接ききな。話はそれからだ。今からそいつに会わせてやる。君は僕についてきな。」

僕は何を言っているんだコイツは…と思いながらもついて行く事にした。こんなにおもしろそうな夢はもう二度と見れないかもしれない。だとしたら、行くっきゃないだろう。

ルーク「わかったよ。僕はルークだ…」
と言いかけた所で、龍は口を挟んできた。

???「知ってる。」

僕はちょっとカチンとなりながらも、
じゃあ、君は?ときくと、
龍は目を楽しそうにして言った。

???「僕はピルエットだ」

2009-02-27 01:17:45


アリス

あれから何分たっただろうか。ピルは相変わらず無言で前を飛んで行く。僕も無言でついて行った。
僕はたまらずに口火を切った。

ルーク「ねぇ、ピル。君は僕をどこに連れて行こうとしているの?さっきから景色が変わらない気がするんだけど…。」

僕は周りを見回した。はぁ…やっぱりそうだ。どこを見ても建物らしき物体は一つも見当たらない。

ピルが不意に空中で止まった。
僕は危うく彼にぶつかりそうになったが、一歩手前でなんとか足を止めた。
すると、ピルはキッと振り返って僕を睨み付けると、

ピル「君はいちいち質問しないと気が済まないのかい!?。僕は君を連れて行くのに一肌脱いでやっているんだから、少しはありがたいと思いな!
それに、『ピル』って…」

ルーク「かわいいでしょ?」

僕は皮肉っぽく言った。龍は低く唸ると、ぷいっとそっぽを向いて先へ進んで行った。

勝った。僕は口には出さなかったが、嬉しかった。僕も急いでついて行った。


しばらくすると、ピルが前を向きながら言った。
ピル「そういえばルーク。君、さっき『どこに連れて行くの?』ってきいたよね?いいさ。教えてあげるよ。でも…」

ピルはさっとこちらに向き直った。僕も同時に足を止めた。
ルーク「何?」
僕は催促した。まぁ、こう言う時はだいたいあれなんだけどね…。
ピルはニヤッと笑うと続けた。

ピル「おっ、早速やる気満々だねっ!!そう!君が好きな"ナゾ"さ!!」

やっぱり!きっとこの時の僕の目はキラキラと輝いていただろう。さぁ、こい!この生意気な龍をアッと言わしてやるぞ!!
ピルは頷くと、一息入れて、淡々と喋りだした。

2009-02-28 22:29:01


Professor

いよいよ謎が出るんですね!
ワクワクしますッ[s:0086]

2009-02-28 23:10:31


アリス

*ナゾ1*
[d:0081]クマの色[d:0081]

AさんとBさんが、ある場所でキャンプをした。二人はさっそく探検に出かけ、まずテントから 南へ2㌔ 歩いた。
遅れぎみのBさんが、白い息をはいてAさんを追いかける。
二人は方向を変えて、 東へ2㌔ 進んだ。すると、二人は疲れてきたので、今度は 北へ2㌔ 歩き、テントへ戻った。すると、テントの周りにはクマの足跡がいくつもあり、食糧がすっかり食い荒されていた。
それをじっと眺めてから、Aさんは言った。

「ところでBさん、君は、このクマの色がわかるかい?」


[d:0082]ヒント[d:0082]
*クマの毛は落ちていなかった。
*少し地理の知識が必要かな?
・南へ2㌔
・東へ2㌔
・北へ2㌔
行ってもとの場所へ戻るなんて地球上にはありっこないって考えてない?本当にそうかな?

*もう一度文を読み直してみよう。

2009-02-28 23:12:14


アリス

う~ん…。考えこんでいる僕を見て、ピルは腕組みをしながら言った。

ピル「まずキャンプした場所を考えてみる事だね。」
ルーク「キャンプした場所?」
ピル「うん。」

ルーク「場所って…どうしてそんな事までわかるの?」
僕が言うと、ピルはニヤッとして言った。

ピル「わかるさ。手がかりは問題の中にあるからさ。う~ん、そうだなぁ…。ヒントは『Bさんの白い息』かな…?」

白い…?つまり、寒い場所って事…?。

南へ2㌔、東へ2㌔、北へ2㌔…行ってもとの場所に戻るなんてありっこない…。あれ?それって…、あっ!そうか!!

2009-02-28 23:30:24


アリス

北極点だ!!!まるい地球の、北のてっぺんにある北極点から出発すれば、三角形のコースをえがいて、元の地点へ戻る事になる!

北極点に出没するクマといったら…

ルーク「白だ!!」

僕が叫んだ瞬間、

ピル「ご名答~!」

と、陽気にパチパチと拍手をしている。

ピル「よく"南極点"だって騙されなかったね。」

ルーク「うん。だって、あそこじゃあ最初に南に行けないでしょ?どっちを向いても北なんだからねっ。」

僕は自信満々に言った。でも、ピルは少しも驚いていないようだった。
むしろ、解いた方が正解だって顔をしている。

ピル「さすがあの"レイトン先生のお弟子さん"だねぇ。簡単に解かれちまったよ。」

僕は"レイトン先生のお弟子さん"という言葉を聞いた瞬間、胸がズキッと痛んだ。
先生は…僕の事をまだ"お弟子さん"だと思ってくれてるのかな…?
あれ…?

ルーク「どうしてピルが先生の事知ってるんだよ!?」
ピルはニコニコしながら答えた。

ピル「さぁ。どうしてだろうねっ。ご想像にお任せするよ。さっ、約束通り目的地の事を教えてやるよ。奴は街、『チェルフュード』で身を潜めているのさ。」

『チェルフュード』…。それが今僕達が目指している目的地…。
なんだかワクワクして来たぞ!
でも、ピルの言う奴はどうして身を潜めているんだろう…。僕が思いふけっていると、ピルが口を開いた。でも、そのピルの言葉に僕は飛び上がりそうになった。

ピル「ん~、でもそこに行くには早くても 2日か3日はかかるし、それに、たくさんの山を乗り越えていかなくちゃ行けないからな~。」

なんだって~!!僕は今にも目が飛び出しそうになった。(まぁ、実際にはそんな事あるはずないんだけどね…)
に…2・3日~!そんなに遠いの!?そんなに歩いたら足が棒になってもおかしくないじゃないか!?しかも、そこに山登りというステキな条件付きだ!
ハァ…この終わりが果てしなく遠い夢はいつ覚めるのだろうか。でも、それでも僕は覚まさせないつもりだ。

呆然とする僕を見て、ピルは鋭く言った。

ピル「悪いけど、たとえ君が腹を空かしてぶっ倒れようが、死にそうで泣き叫ぼうが、僕は無理にでも君を『チェルフュード』まで連れて行くつもりだからな!」

ルーク「わかってるさ!大丈夫。僕は少なくともぶっ倒れたり、泣き叫んだりはしないからさ!」

口先だけではない。本当にそう思っていた。
ピルはニッコリして「どうだかな…」と呟くと、先に飛んで行った。僕も口元を緩めて、後に続く。

いつの間にか澄みきった青空になっていた空を前に進みだした僕らは結構絵になってたはずだ。

2009-03-01 02:30:23


アリス

第二章 ~印し マーク~

僕達はうっそうとしている森の中の岩山をよじ登っている途中だった。
僕達と言っても、ピルだけは僕の帽子の上にちょこんと座って、のんきにあくびをしている。

ついさっきピルが、「あ~、飛ぶの疲れた!まったく…なんで僕がこんな長い道のりを飛んで行かなくちゃいけないんだ!!」とつぶやいた後で…こういう事になったのだ。

ピルは全く重くなかった。それどころか、空気のように軽いのだ。

必死に岩をよじ登る僕の事なんかまるでお構いなしに、「速く進め」だとかぶつくさつぶやいている。
まったく!こっちの気持ちも知らないで!コイツもいっぺん、砂だらけになる思いをすればいいんだ!

そうこうしているうちに、なんとか岩山のてっぺんにたどり着いた。

僕はへなへなとその場に座りこんで休みたかったが、ピルが許さなかった。

僕は仕方なく先に進んだ。

すると、不意に視界が開けた。そこには、さっきとあまり変わらない草原の景色が広がっていたが、何一つ違うのは、遠くに村らしき建物がぽつんとあったのだ。

2009-03-01 03:00:28


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