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レイトン教授と悪辣な島

バートン

「痛…っ」
座礁した小舟には穴が空き、これで島を出ることは不可能なようだ。
「大丈夫かい、ルーク?」
「はい…なんとか…」
投げ出された場所が、砂浜で良かった。
多少のかすり傷はあるが、僕も先生も大怪我はしていない。
帽子を深くかぶり直し顔を上げると、ロンドンでは決して見ることのない木々が…ジャングルがそこにはあった。

(タイトルのとおり、リレー小説を書いていって下さい。続きお願いします。決まりは特にありません。)

2009-02-04 21:02:26


バートン

アンディ=フラットの手下。
つまり…金色の狼…?
「君が洞窟前にあった白銀の毛の話をしたときの彼女の反応を覚えているかい?」
「確かに…あいつらが来たとかなんとか…」
あいつらとは、狼のことだったのだろうか。
「ルーク、後は自分で考えてごらん。事が進むに連れて、その全貌が明らかになるだろうけどね」
先生はいつもそうだ。いつもすぐには答えを教えてくれない。
今これ以上問いただしても無駄だと僕は悟った。
気づけば僕らの頭や肩には、小さく雪が積もっていた。
先生は相変わらず船を修理しようと試みている。

2009-02-22 14:47:06


バートン

早いところ洞窟に戻って暖まりたいという本心は、奥底にしまっておいた。

僕が真実を知ることを決意したのは翌日のことだった。
昨日の雪のせいで地面はぬかるんでいて足場が悪かったが、僕はアトラを砂浜へと連れ出した。
「なんだよ、急にこんなところへ連れてきて。…もしも手を出したら、ただじゃ済まないからな」
そう言って彼女は短剣に手を掛ける。それを全力で否定し続けると、やがて沈黙が訪れた。
2人揃って力なく座る。柔らかな地面がその衝撃を全て吸収してくれた。
聞かなければならないことがいくつもあるのに、口に出せない。こんなこと、聞いていいのだろうか。そればかりが頭をよぎる。
それになんなんだろう、この微妙な距離間は…。
そんな中、アトラはゆっくりと口を開いた。
「コルダに聞いたんだろ、デスストーム…アンディ=フラット達の話を」
何の迷いもなく頷き、アトラの様子を窺う。曇った空を見上げながら、彼女は続けた。
「本当はラクーアの秘宝を見つけて逃げるつもりだったんだ。だけど…いつあいつらがここに来るのかもわからない。おまけに親父もいちゃあ、いつ連れ戻されるかわからない…」
そんな話は聞いてないが、ここでそれを言えばこれ以上聞けないだろう。
僕は黙って海を眺めた。この海のずっと向こうに、ロンドンも、カシスもあるんだろう、そんなことを考えながら。
「カシスにいたラクーア達は幽閉されたことに苛立って出ていったわけではない。王族を狙って国を襲うデスストームから逃れるために、皆が散らばって行ったんだ。何せ秘宝の有りかは私達に伝えられているからな。しかし、それまでにも多くの犠牲者が出てしまった。国を守るのが私達王族の努めなのにな…」
その声には憎しみ、怒り、悔い、悲しみが詰まっていた。同じラクーアとしても、王族としても、相当な重荷がかかっていたことが伝わってくる。
「秘宝さえ見つかればと思ってここへ来た。もう何も犠牲は払いたくなかった。だから、1番信頼しているコルダにも内緒だったのに…あいつにはバレてたんだな…」
アトラがふっと静かに笑う。
「私にとってあいつは本当に大切だから…もし、もしもコルダが…私の代わりに犠牲になるようなことになれば…私は…っ」
彼女が俯く。言葉は途切れる。嗚咽するアトラ。冷たい地面が心までを冷やしているようだった。


この健気な姫君を前に、僕はどうすればいい?

そう考えた時、僕は無意識に彼女を優しく包んでいた。

2009-02-23 01:58:32


バートン

「ルー…ク?」
彼女がちらと顔を上げる。案の定、涙ぐんでいた。
何も言えなかった。
いや、言う必要も無かったのかもしれない。
目も合わせようとせず、ただじっと抱きしめるだけの僕に、彼女は力なく笑いかけてきた。
「何してるんだよ。ただじゃおかないって言った…だろ…」
しかしやっとの思いで作った笑みも、あっけなく崩れゆく。
留め処なく溢れこぼれようとする涙を、彼女は必死に拭っていた。
「もう、無理に笑うのはやめてよ。強がらないでよ…僕…そんな君を見ているのが…辛い…」
震える声で僕は諭した。
今にも溢れそうな涙を堪えている強がりな自分が、アトラの目に写っていただろう。
きっと彼女はいつも強がって、人には絶対に悲しい顔を見せないようにしてきた。
そんな彼女を見るのは僕は辛かったが、コルダや他のラクーア達にとってはは自分達を守ろうとしてくれてる人のことなんだ。僕よりも辛かったに違いない。だけど…
「…誰よりも辛かったんだよね…」
自分が危機にさらされて。目の前でたくさんの仲間が犠牲になって。仲間が消えて行って。その思いを何にも伝えられずにいて。
それでもまだ笑みを投げ掛けようとするアトラに僕は言った。

「アトラ…お願いだから、もう

2009-02-23 02:37:38


バートン

そんな風に笑わないで…もう大丈夫だから…ね…?」

沈黙が再び訪れる。
唯一波の音がその景色彩ってくれた。
その言葉が引き金となったかはわからないが、アトラの瞳からは素直に涙が溢れ出した。

どのくらいそうしていただろうか。
彼女の息も落ち着きふと我に帰った時、僕は自分の過ちを再認識した。
アトラから離れ、即座に謝る。
その時の彼女はすでに晴れ晴れとしていた。
その姿に安心している僕もどこかにいたんだ。

来たときとは逆に、彼女が僕の手を引いて洞窟への道なき道を駆け抜ける。
洞窟に辿り着いた時、先生とコルダさんは既に食事の支度をしていた。

2009-02-23 02:45:34


リク

先生もコルダさんも僕達が外から帰ったのに気づいても、何も聞いてこなかった。
どうやら、二人とも僕が真実を知った事を悟ったようだ。

そして、食事を済ませた後、これからの事について話し合った。

コルダ「レイトン様、ルーク様。
このような本当はラクーアだけで解決しなくてはならない問題に巻き込んでしまった事を、本当すいません」

と静かに言うと、
頭を下げた。
コルダ「しかし、今私達が頼れるのはあなた方しかいないのです!今一度、力をお貸しください!!」

2009-02-23 07:26:50


アリス

僕は先生の顔を見上げた。
すると、先生はにっこり笑って

レイトン「コルダ、私達はもともとそうするつもりだよ。もうきみ達だけの問題ではなさそうだからね。」
するとコルダは涙目で顔を上げた。

コルダ「ありがとうございます!!…しかし、今回はとても危険な旅になりますが…。」

レイトン「だそうだよルーク、君はどうするんだい?」
僕はアトラを見た。アトラはすがるような目で僕達を見つめていた。

ルーク「もちろん行きます!!」

もう覚悟は決めてある。僕は決めたんだ!先生を、アトラを守るんだ!!

2009-02-24 20:32:29


バートン

「根性はあるんだな」
そう笑ってアトラが肘でつついてくる。
僕はむっとして見せた。
「それで私達は何をすれば?」
彼が言うには、とにかくラクーアの秘宝を見つけねばならないらしい。
王国に戻るのはそれから。
「アトラ様、あれを」
アトラがバッグから出したのは、丸まった紙。結構な大きさだ。コルダが受け取り広げると、それが地図だということがわかった。
「レイトン様、あなたはナゾが得意だとルーク様から伺っております。このナゾを解いて、秘宝の場所を見つけてほしいのですが…」「でも…王族は有りかを知ってるんじゃないのかい?」
僕がアトラに問うた。
「正確には王族に伝わるその地図の有りかとヒントが伝えられているんだ。そのヒントは確か…」


#ナゾ004 ひっくり返して#

「天地返れば異なる2つの姿現る
Cに始まりEに終われば秘宝は目の前に」

“$∀∬Ж∧■§”
王族に伝わるヒントと、地図に載っているしたの上の記号を頼りに秘宝を見つけだそう。
(答えは下に)



「私にはわかったよ。ルークはどうだい?」
何もわからない…
なんなんだろう、この記号は。
「すみません、先生」
こんな状態では、レイトン先生の弟子失格だと恥じつつ、僕は頭を下げた。
「それで…場所はっっ!」
アトラが返答を急かす。その目は確かに、生き生きともしていた。
先生の口から聞かされたのは、あまりにも以外な場所だった。
一息つき、先生は口を開く。

「ここだよ」

その瞬間、僕らの驚きの声が響いたのは言わずともわかるだろう。
ここって…ここ?洞窟?そんなバカな。
「先生、どういうことですか!?何日かをここで過ごしてきたけども、そんな物は…」
「落ち着きなさい、ルーク。まだ断定はできないが、地図の記号とヒントからすると、ここにあるようだね」
「なんでここにあるとわかるんだ?」
アトラの目が焚火の炎で赤く輝く。
「天地返れば…それはこの記号を上下反対にすることを指しているのだろうね」
そう言いながら先生は地図を反対にする。
「すると、この線対称でない2つだけが違う形になる。これらはAとVと読めるね。そしてCに始まりEに終わると…」
僕ははっとした。
「CAVE…つまり洞窟ですね!すごいです先生!」
皆が感心する中、早速手がかりを探すことにし、洞窟を調べた。しばらくしてコルダが叫ぶ。
彼の指す場所には大岩。3人でそれをよけると、人1人通れる程の穴が現れたんだ。

2009-02-25 00:06:00


バートン

こんな所に穴があるなんて…
周りを見ると、僕以外の3人も驚いた顔をしている。
心なしか、先生は少し笑っていたが。やはりこんな所に穴なんてあると、考古学者の血が騒ぐのだろうか?
「とにかく、ここに入ってみよう」
「先に進むには、これしかないみたいですね…」
コルダさんがぽそりと呟く。
「はぐれたりするんじゃないよ、ルーク」
先生が僕をからかう。
「は…はぐれませんよ!!子供じゃないんだから…」
「十分お子様でしょ?」
「うるさいなあ!もうっ」
先生はクスっと笑い、僕達についてくるよう促してきた。
先生を先頭に、アトラ、僕、コルダさんの順で先に進む。

穴は意外と短く、すぐに広い空間へ出た。
そこで僕は驚きの光景を目の当たりにしたんだ。

「親父!」
「ドルトン様!」
そこはまた何もない洞窟。いや、穴はまたあったが。
そして、そこには縄で固く縛られたドルトンさんが横たわっていたんだ。
真っ先に駆け寄る2人に続いて、僕らもドルトンさんに近づいた。
意識を失っているが幸い、息はあるようだ。

2009-02-25 00:53:46


リク

アトラ「親父っ!、親父!!」

アトラが強烈なビンタをドルトンさんに繰り出している。
僕が慌てて止めようとするとコルダが叫んだ!

コルダ「皆さん!ドルトン様が、冷たいです!!」

本当だ!ドルトンさんの手が氷のように冷たい…!こんな肌寒い場所に長時間いたからかな…?さすがのラクーアも堪えられ無いって事か…。
とっさにレイトン先生が叫んだ!

レイトン「早くドルトンさんをここから連れ出すんだ!!」

僕達はなんとかそこからドルトンさんを連れ出し、急いで火をたいた。
アトラの短剣のおかげで縄は切れた。

毛布にちょうど寝かしたところで、気がついたようだ。

ドルトン「う~ん…ひどい目にあったもんだ……!!!あなた方は…?それに、アトラ?、コルダ?」

アトラ「親父!!ぐすん…良かった…。」

ドルトンさんは最初はギョッとした目でいたが、アトラを見た瞬間ふっと優しい目になった。

ドルトン「アトラ…、それにコルダ。おまえ達、無事だったんだな…。
あなた方が私を助けてくださったんですね…?
あぁ、アトラ、ついこの間まで私はおまえ達を必死に探して故郷に連れて帰ろうとしていたが…、もう、あそこには戻るんじゃない…。
あそこは………。」

レイトン「一体何があったんです?」

ドルトンさんは咳き込みながらも話してくれた。

2009-02-26 18:13:02


アリス

ドルトン「私はこの島にもおまえ達がいないと思い、国に帰った…。
だが、それが間違いだった…。
国はすでに闇に包まれていた。
民のほとんどは死にたえてしまっていた…しかし、それでは終わらなかった。
なんと、生き残った民が私に襲いかかってきたのです!!
奴の噂はきいておったが…まさか、人のを操れるようにまでなっていたとは!!」

ルーク「人を…、操る!?」

2009-02-26 18:33:25


バートン

「人を操る…か」
突然、聞き覚えのない声がした。
揃って辺りを見渡すが、声の主は見当たらない。

一体…誰…?

すると謎の声は心を読んだように言う。
「あ…そうか…上だ、上」
黙って上を見上げるも、見えるは固い岩のみ。
「こっちだこっち」
クスクス笑いながら声は言う。
笑わないでくれ。大体“こっち”だなんて言われても、正確な位置がわからないじゃないか。
不意にアトラが口を開き、一点を指差す。
その木の上には、生き物が…狼がいた。
「見つかってしまったか」
そう言いながら木から飛び降りる1匹の狼は、紺とも藍とも言えぬ色の毛と、黄緑色の瞳を持っていた。
一同唖然とする中、狼は1人…いや、1匹淡々と話を進める。
「私は旅の者だ。あなた方は?」
旅の者って…一体どこを旅しているんだ。
そんな疑問をぶつけようと思った時、コルダさんとサザンが声を上げた。
「サザン…サザンなのか!」
「お前は…コルダ!それにアトラ様ではありませんか!!」

2009-02-26 20:42:06


リク

「サザン?」
僕がたずねると、コルダはいつの間にか白銀の狼になって藍の狼に低く唸っていた。

「サザンは私共と同じ城の使い狼でしたが、ある時ふらりと島を出て行ったっきり行方不明者だったんです。まさか生きていたとは…。サザン!私達に何のようだ!!この…裏切り物!!!」

コルダは今にも飛びかかりそうだ。しかしサザンはさっきと変わらず平然と座っている。

「裏切り物とはよく言ったものだね、コルダ。昔の"師匠"によくそんな悪たれ口がたたけるな!!」

「うるさい!!『瞬殺のサザン』なんてとうの昔にいなくなってしまったようなものです!もう私はもうあなたの弟子でもなんでもない!!」

2009-03-02 19:34:44


バートン

サザンは不敵な笑みを浮かべコルダに問う。
「今…私とお前が戦ったとしたらどちらが勝つと思う?」
これは…完璧な挑発だろう。
「なら…やりますか?」
コルダの問いかけに
サザンは首を横にふり
「いや…無駄な犠牲は出したくない。そこの坊やも顔が青くなってるしな。やはり…今は話せないな」
話せないとは何のことだろう…。
しかし僕がなんなんだ。顔が青いなんてそんな…とは思いつつも体はなんとも正直で、震える自分の足に少しばかり呆れた時だった。

サザンは声を張り上げ
吐き捨てるように言う
「そこにいるのは
分かっている。
さっさと出て来ることだ」

2009-03-05 02:00:45


リク

すると、茂みから何十匹もの狼が出てきた。
目はギラギラと不気味に輝き、全員が口を開け、よだれを垂らしている。まるで血に飢え、腹を空かせた獣のようだ。

ルークはその場に凍りついた。恐ろしい牙が今まさに襲いかかろうとしている。

「皆さん…どうして…?」コルダが同様を隠せないようにつぶやく。「どうやら、一週間近く経っても"物"を持って来ない君達を偵察に来たみたいだぜ?」
サザンが低く唸りながら言った。

すると、固まっている僕の前をアトラが通り過ぎた。通り過ぎる間際に
「あんたらは下がってな…」
と小声で言ったのが聞こえた。
ルークはすぐさまレイトン先生の横に立った。
アトラは僕の行動を確認すると、短剣を握りしめ、
「久しぶりに暴れるな!?」と獣の二匹に言うと、
「どうやらそのようですね。」
「楽しませてくれよ?」
狼は少しこの事態を楽しんでいるかのように言った。

僕は身震いした。やっぱりこの3人は狼なんだ…血に飢え、獲物を狩る喜びを知っている獣なんだ…。

3人(1人+2匹)が地面を蹴ったのと同時に、狼達も襲いかかった!

2009-03-06 20:58:43


アリス

「待ってくれ!」
戦いが起ころうとしていた瞬間、かすれた叫び声が響いた。

そこにいた全員が、敵の狼達でさえもが突然の叫び声に驚き、ルークの後ろを見た。

そこには、さっきまで気を失っていた、ドルトンさんが立っていた。

片方の肩手で抑えながら、ドルトンさんはぎこちなく歩いて来る。

敵狼達は呆然としていたが、それは一瞬の事で、僕の横を通り過ぎた時には牙を剥いていた。

「こ奴らの相手は私だ!!」
傷ついてもなお、威厳のこもった声が響く。

「ドルトン様!?」
二匹が信じらんないという顔でドルトンさんを見た。アトラも同じような顔で叫んだ。
「親父!?寝てなきゃ駄目じゃ…」
「黙りなさい!!私はどうしてもここで戦わなければならないのです!!」
愕然と見守る中、ドルトンさんは地面に両手をつけると、
「うおおおおおおっ!!!」一瞬の出来事だった。
雄叫びに呼応するように、ドルトンさんの体が一気に膨れ上がった。
そして、次の瞬間には、ドルトンさんは巨大な狼へと変貌していた。

耳の先と尻尾の先だけ白く、その他全部が真っ黒だった。
高さはざっと3mほどあり、この狼に睨みつけられると、さすがの敵も震え上がった。

見ているこっちも震え上がった。全身に鳥肌がたつのを感じる。なんとも言えぬ、その威厳のある態度はまさしく国王だ。
王は長い雄叫びをあげると、震え上がる狼達にのしかかるように襲いかかった。それと同時に控えていた3人も飛びかかる。

戦いは恐ろしいものだった。瞬殺のサザンはその名前に全く劣らず、ひらりと攻撃をかわし、あっという間に喉元に噛みついた。喉から真っ赤な血が吹き出す。
コルダもサザンに負けじと戦った。一瞬の隙を憑かれて焦げ茶色の狼に押し倒されるものの、相手が油断した隙に飛び起きて、喉に噛みつく。真っ白だった毛は血でべたつき、紅色に染まっている。

アトラは僕達に襲いかかろうとする狼を一匹残らずなぎ倒していった。いつぞや口にした「剣術はハンパなく強い」という発言が裏付ける。

戦っている奴らすべてが恐ろしかったが、何より恐かったのはドルトンさんだった。

腕のひとふりで、何匹もの敵を吹き飛ばし、牙を剥けば、一瞬にして餌食となる。つくづくこの人が敵ではなくて良かったと思う。
たとえ勇猛なこの3人でも、きっと相手にできなかったであろう。

しかし、ドルトンさんはもともと傷つき、さっき起き上がったばかりだ。それにこの戦いときたら、体が答えた。

体のいたるところから血が吹き出し、目は血走っている。立っているのがやっとのようだ。

そこに、1匹の黄土色をした狼が襲いかかった。不意を憑かれたドルトンさんは、そのまま倒れてしまった。それを、待っていましたかというように、一斉に狼達が噛みついた。ドルトンさんの黒い体がどんどん見えなくなっていく!

2009-03-06 22:20:47


ビビ

それを目の当たりにした僕は思わず顔を覆おうとしたその時、風を切る音と共に、アトラが飛び出した。
ドルトンさんに夢中で後ろの事が全くわからない狼達に、アトラは狂ったように短剣を振り回した。剣先に当たる全ての物を刺していく。一段落したサザン達はアトラの異常事態に気づくと、急いで応戦しに走った。

あっという間に狼達は全滅し、息絶えた。あたりはところどころに血が飛び散り、血生臭い臭いが辺りを覆い尽くしている。あまりにも酷い悪臭だったため、ルークは吐きせうきなった。

ドルトンさんは血だらけで横たわっていた。
「親父!!!」
やっと落ち着いてきたアトラが叫ぶと、レイトン達ははっとドルトンさんの脇に集まった。
息は浅く、ボロボロになっているドルトンさんを見て、「親父!!」「ドルトンさん!!」「ドルトン様!!」誰もが叫んだ。

すると、かすかに指が動いた。それと同時に意識も戻ったようだ。
「ドルトンさん!」
無理にでも起き上がろうとするドルトンさんをレイトン先生が支えた。
血が滝のように流れている。
すると、ドルトンさんがなんとか口を開いた。
「皆さん、私はもう駄目なようです。」
「親父!何を行って…無理にでも連れて行くから…」
「黙りなさい。私は、先祖が秘宝を隠し、代々守り抜いてきたこの『悪辣な島』で一生を終える事ができて誇りに思っている。」
誰もが涙や無念な気持ちになりながら、命をすり減って話すドルトンさんを見つめる。
「お主たちなら、秘宝を…良い方向に導いてくれるやもしれん。この島の…火山に祭られてある、あの醜き秘宝を。
私を見守ってくれたのがお主達で良かった…。
アトラ…私は…父は…いつまでもお前を愛しているよ…………。」

ドルトンさんの目が静かに閉じた。
「親父!親父いぃぃぃぃ!!」
アトラはドルトンさんの亡骸の上に倒れた。僕達はそんな彼女をただ慰める事しかできなかった…。

その夜…だれも口をきこうとする者は誰一人としていなかった。
岬の方からは、3匹の狼の遠吠えがこだましていた。

2009-03-07 10:40:36


バートン

「ドルトン…さん……」
僕は呟き、夜空を
見上げる。

思い出されるのは
ドルトンさんの最期だけ。
あの果敢な姿が映像として、頭を駆け巡る。
僕はみんなのように戦えはしないが、せめて気を引くことくらいできただろうに…
そんな風に悔やんでいると、不意に渡し足音がこっちに向かってきた。

「大丈夫か?」
声からしてサザンさんだろう。
しかし狼の足音ではない。
横を見ると案の定、人間の姿形をしたサザンさんがいた。
といっても不思議な格好をしていたが。
「サザンさん…その格好は…?」
そう尋ねると、サザンさんもは少し驚いた顔をして言葉を返す。
「日本の和服ってヤツだ。格好いいだろう?」
腰には刀が二本添えられていた。
格好いいかどうかは
不明だが、死を目の当たりにした僕を元気付けようとしてくれているのが汲み取れる。

口調の割に
優しいサザンさんを
僕は知ったのだった。

2009-03-08 00:11:59


Professor

「僕は…僕には、何もする事が出来なかった…。」
僕の目には、悔しさと悲しみが詰まった涙が浮かび上がってきた。
今まで出なかった涙が一気に溢れ出る。

「そうやって後悔する事を知るってのも、一つの学習だ。今日の事、しっかりと覚えておくんだぞ。」

「後悔をして、何の学習になるというのですか?」
僕にはサザンが言ってる事が理解出来なかった。

「後悔をして、そうならないように努力する。君の先生も、きっと後悔する程の何かを失ったのかもしれないな。だから君の先生は、君を失わないように頑張るんだよ。
君には大切な人とかいるんじゃないのかい?」

僕はドキッとなった。

2009-03-08 05:47:19


リク

アトラ…彼女の太陽のような笑顔が頭をよぎる。
アトラはいつも僕に笑いかけてくれた。こんな時こそ僕が慰めてあげなくちゃいけないのに…。

僕が思いふけっていると、サザンさんがニコッと微笑んだ。
「俺はもうそろそろここをたとうかな?」
「え?どうしてですか?」
サザンさんがいれば百人力なのに。
ふっと笑うと、サザンさんは夜空を見上げた。

「風の噂で、まだカシスに生き残った奴らがいるみたいでさ。そいつや各地に散らばった仲間をかき集めなくちゃな。
うちの新米もついて行くかもしれんが、よろしく頼んだぜ。」

紺色の長髪をゴムで縛っていて、その髪が風に吹かれて揺れている。

「え?でも舟は…?」
僕の言葉は届かなかったのか、さっと静かに振り返ると、そのまま海の方へと歩きだした。

僕が引き止めようとすると、サザンさんは後ろを向きながら片手を挙げた。それの意味を悟った僕はその場に立ち止まった。

サザンさんは手を振り、歩き進みながら静かに言った。
「俺達ラクーアには秘策があるのさ。」
「秘策?」
「そう。いずれ坊やにもわかるさ…。でも可哀想だからヒントぐらいは出してやろうかな…

俺達は海と共に生きているのさ。」
「海と…?」
「あぁ。じやっ又今度、な…。」
気がつくと、サザンさんは影も形も無くなっていた。

2009-03-08 08:10:37


バートン

海と共に・・・どういうことだろう。
少なくとも、今の僕にはわからない。これ以上考えても答えは出ないと悟った僕は、深呼吸をしてから、アトラのもとへと歩を進めた。

「…アトラ」
声をかけ僕はアトラの隣に座る。すると彼女が叫ぶようにつぶやいた。
「親父は…どこだよ…!あたしのたった1人の…父親…どこなんだよ‥」
初めは怒りを含んでいたが、その声は徐々に悲しみを交えた震える声になっていく。
どれだけ辛かっただろうか、僕にはわかり得なかった。
こういうとき、慰めてあげられたら、励ましてあげられたら、彼女はどれだけ心強いだろうか。
僕にはそんなこと…できないけど。ただこうやって、隣にいることしかできない。そんな自分が不甲斐なかった。
無意識のうちにのびようとしていた右手を、左手できつく押さえつける。
さっきのようなことは、もうあってはならないんだ。余計に彼女を傷つけてしまうのが目に見えている。
この重苦しい雰囲気に耐えきれず、僕はその場をたった。
彼女を救うこと…それはカシスを救うこと。
カシスを救うために、僕に何ができる?
その方法は多分、1つしかないだろう。

ラクーアの秘宝を見つけること。

先生とコルダさんは、船を修理していることだろう。
そこをわざわざ連れてくる必要もない・・・か。いずれ船でここを脱出しなければならないし、いい加減先生に頼らずとも、このくらい1人で・・・
そんな決意を胸に例の穴の前に立つも、体は正直だ。足がすくむ。
その足を僕は無理矢理前に進めた。
まず穴を1つくぐる。ドルトンさんの倒れていた場所だ。
それにしても、誰がこんな場所にあの人を縛り付けておいたのだろう。やはり、アンディ=フラットか、その使いだったのだろうか。
まぁ…いいか。その答えはこの先で見つかるはずだろうから。
その時、不意にベストの裾をひかれた。
とっさに僕は振り返る。
そこに立っていたのは、アトラだった。
涙を拭ったあとは見られたが、その顔立ちは力強いものだった。
「私も…行く!」
僕はうなずいて返した。

2009-03-14 12:13:08


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